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2017/4/27
被災地ルポ 熊本地震1年 絆が生きる現場の力

  熊本地震の発生から1年が経過した。再建へ向け動き出した寺院もある一方で、先の見えにくい状況に葛藤を抱える住職もいる。心の復興に寄り添う僧侶たちの活躍もあった。それぞれの道のりの現在を聞いた。伝わってきたのは震災以前の日常の中で紡いできた絆が生きる現場の力だった。(板倉純平


葛藤抱え進む
 浄土宗往生院(熊本市西区)の約8300平方㍍ある墓地で、約1300基のうち7割以上が倒れたままの墓を前に、永目眞定住職(68)は「3年待って手紙を出すつもり。それでもだめなら、危険な墓から改葬するほかない」と途方に暮れた。

 一昨年の台風被害で、開山堂の屋根瓦の総葺き替え工事が終わってから1週間も経たずに地震が襲った。山門が倒壊し、開山堂は建物ごと5㌢ほど北へずれた。庫裏の屋根は波打ち、骨組みを取り替えねばならない。「人や材料が足りず、修理費が高騰している。見通しが立ち①熊本 レポート③.JPG約1300基のうち7割以上の墓が倒れた往生院の永目住職 にくい」

 昨秋の彼岸に間に合うようにと、崩落した開山堂の壁などを急いで修理したが、「そこかしこがやられた境内を見ると、まるで自分が否定されたように感じた」。しかし、法然上人の「一枚起請文」で誤りと諭される「智者」が思い浮かび、おごりに気づいた。「もう古希だ。残された時間を意識すると、復興に10年を見ている。山門の再建は次代に託さねばならない」。葛藤を抱えながら進む。


「忘れない」を届ける②熊本 レポート①.JPGTEAM熊本代表の嵯峨・専明寺住職
 真宗大谷派有志でつくる「TEAM(チーム)熊本」の動きは早かった。昨年4月16日の本震後、夕飯から炊き出しを始め、食料が手に入りやすくなるまでの1カ月間、公立学校やアクアドームくまもとなど数カ所で毎日炊き出しを続けた。「400人の予定が800人も並んだ」と当時の混乱を話すのはチーム熊本代表で大谷派専明寺(熊本県宇土市)の嵯峨大千住職(46)。炊き出し以外にも寺の解体やがれき撤去に力を貸してきた。

 被害の大きかった地域には浄土真宗本願寺派の寺院が多く、活動は宗派を超えて行われた。嵯峨住職は、「ふだんの交流がいざという時にものを言った。トップ主導でなく、現場同士がつながり先に動いていた」と語る。今年4月16日、益城町・御船町を中心とする本願寺派益北組の1周忌にも参加した。

 現在の活動メンバーは10人ほど。「炊き出しは目的から手段に変わった」。食事を通して被災者同士が話を交わす場となっている。月5回の「食事会」が目標だ。「福島を忘れない」との思いで、チーム熊本は結成された。「その思いが東北から熊本に向いている」と感じた。「もう来なくていいと言われるまで続ける。受け取った思いを届けたい」(続きは4月27日号紙面をご覧ください)

2017/4/27
シリーズ共謀罪を問う―内心の自由が危機に① 犯罪捜査の対象となる「内心」 自由な言論や集会の萎縮化懸念 岡田弘隆・真言宗豊山派沖縄山長谷寺住職(弁護士)

 ■今国会で成立の危機
 本年3月21日、政府は組織犯罪処罰法改正案(以下、共謀罪法案)を閣議決定し、4月14日いよいよ衆院法務委員会で審議が始まり、自公政権は、今国会で成立させるつもりである。

 ■沖縄ではいま
 私のいる沖縄では、普天間基地の代替基地だとの名目で、全く新しい海兵隊の基地が、名護市辺野古の海上を埋め立てて、2本の滑走路と、普天間にはない弾薬庫、それに強襲揚陸艦が接岸できる300㍍近い岸壁を備えた新基地として建設が進められている。
 この基地のゲート前では、連日新基地の建設に反対する市民が、非暴力の抵抗運動を憲法に認められた表現の自由の一環として続けている。この市民に向けて、機動隊は時にはごぼう抜きをし、時には軽微な犯罪を口実に逮捕や家宅捜索を強行し、5カ月も半年もの勾留を続けており、非暴力の抵抗をやめさせようとしている。こうした折に、共謀罪法案の審議が行われている。

 ■準備行為とは
 法案によれば、「死刑、無期懲役、4年以上の懲役・禁固にあたる犯罪を、組織的犯罪集団の活動として」、「計画し、準備行為を行えば」処罰する内容で、別表で277もの犯罪を例示している。準備行為として法案は「計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、刑に処する」とされている。「準備行為」は一人で行えばよいとされ、資金や物品の手配、下見「その他」と規定されている。
 政府の説明では、ATMでお金を下ろしたり、航空券を購入したりすれば、準備行為と認定されるという。その他の準備行為に何が含まれるかは、今後の捜査機関の判断次第というもので際限がない。

 ■現行の刑事法体系
 現行の刑事法体系では、犯罪は実行されてはじめて逮捕したり裁判にかけたりできる。例えば、窃盗罪は、窃盗の着手行為があってはじめて逮捕できるが、ただ内心で窃盗しようと思い、合い鍵を購入しただけでは逮捕できない。
 しかし今回の法案には別表に「窃盗罪」も入っているので、仲間と窃盗しようと話したり、合い鍵を用意したりした段階で逮捕できるとなってしまう。また例えば、劇団員が殺人の場面について、ストーリーの打ち合わせをし、模造の凶器などを準備していたら逮捕という、笑えない場合も想定されている。つまり権力が、〝あの劇団は反権力でけしからん〟とにらんだら、何を口実に逮捕されるか分からない、というのだ。すなわち「内心の自由」が大幅に危険にさらされ、反権力を控える風潮を助長するだろうと言われている。(続きは4月27日号紙面をご覧ください)

2017/4/27
豊山派総本山長谷寺 仁王門完成法要営む 防犯・防災設備の強化も

  奈良県桜井市の真言宗豊山派総本山長谷寺は19日、「重要文化財仁王門建造物保存修理事業」「国宝長谷寺本堂他十七棟防災施設事業」が完了したのを受け、田代弘興化主(同派管長)を大導師に、完成奉告法要を厳修した。田代管長は本尊十一面観世音菩薩像の宝前で「懸案すべて斯(ここ)に実る」と奉告し、宗内外の協力に感謝を表した。

1長谷寺仁王門修復.JPG修復成った重要文化財の仁王門 「重要文化財仁王門建造物保存修理事業」は、平成26年11月からの本堂外舞台の修理事業と併せて行われた。仁王門は平安中期の一条天皇(986~1011)の御世に創建され、焼失と復興を繰り返し明治27年(1894)に再建。今事業では屋根野地・軒回りを補修し、瓦を葺き替えた他、自動火災報知機を設置した。

 「国宝長谷寺本堂他十七棟防災施設事業」では、平成27年4月に重要文化財でもある十一面観世音菩薩像や周辺の建物に油のような液体が撒かれた事件が発生したため、防犯体制の全面的な見直しを検討。平成28年4月から1年かけ、本堂の他、鐘楼、仁王門、大講堂など17棟の建造物に防犯防災設備を設置した。

 これまで27台設置していた監視カメラを44台に増設し、国宝である本堂の内部と周辺の死角を減らすことができた。従来は本堂と寺務所で別々に設置していたカメラを統合。すべての映像を双方で確認できるようにした。さらに、山内にセンサーライトや回転灯、放火や火災を早期に発見する三波長検知センサーを設置して、防災防犯体制を強化している。

 星野英紀宗務総長は、両事業の完遂について「これが最初のワンステップ」と述べ、本堂など長谷寺の整備の重要性を強調。「豊山派としても空前の規模の予算を立てて、空前の規模の時間をかけて少しずつ直していく」と総本山への思いを語り、「皆様には背中を押すだけでなく、前から引っ張っていただいて、先に進みたい」と話した。

 桜井市の松井正剛市長は、外国人旅行者のインバンドを取り込むことで市の観光事業が進むとの考えを披露。「長谷寺の発展なくして桜井市の将来はない。地元の皆さんと一体となって寺門興隆のためにがんばっていきたい」と期待を込めた。

2017/4/20
智山青年連合会全国結集・日光で家康公に謝恩 史上初、他宗の正式参拝と法要

①智青連結集.JPG輪王寺大猷院で「家康公御位牌」を前に追善法要 真言宗智山派・智山青年連合会(伊東永人会長)の第54回全国結集が13・14両日、「世界遺産 日光の社寺」がある栃木県日光市で開催され、200人超が参加した。現在の智山派にとって最大の恩人の一人である徳川家康公に報恩謝徳の祈りを捧げるため、家康公を東照大権現として祭る日光東照宮を正式参拝。位牌を奉安する天台宗日光山輪王寺で追善法要を厳修した。江戸時代から400年続く日光の社寺の歴史の中で、他宗による正式参拝と大人数の法要は今回が初めてだという。

 豊臣秀吉による紀州・根来山攻めの難を逃れ、各地を流転しながら根来寺内にあった塔頭寺院・智積院の再興を志していた玄宥僧正に慶長6年(1601)、徳川家康が京都・東山七条の地を寄進。現在まで繋がる智山派と総本山智積院の歴史はこの時から始まり、玄宥僧正は派祖として尊崇されている。こうした厚恩を改めて心に銘記するため、今結集の大会テーマは「謝恩~東照大権現を拝む」となった。

 平成27年に四百回忌を迎えた徳川家康。伊東会長(栃木・持寶院) は参拝前、現在の世界情勢を念頭に置きながら「戦乱の世を鎮め、天下泰平の世を築いた家康公の平和を願う気持ちを心に刻みたい」と語った。

 初日に日光の社寺を参拝。青年僧侶一行は表参道から陽明門をくぐって東照宮の拝殿・本殿に向かい、正式参拝の儀を執り行った。伊東会長が玉串を神前に供えるなど神式で拝礼。続いて山上の奥社に上がり、家康公墓所である宝塔前で法楽。般若心経や光明真言に続き、「南無東照大権現」と唱和した。

 東照宮の齋藤禎一・総務課長は、「正式参拝の後、御宝塔の前で皆様が(家康公に)心を寄せるというのは東照宮始まって以来のこと。仏教も神道も平和を祈り願う心は同じ。今日は有意義な一日になった」と述べた。

 次に一行は、二荒山神社で法楽。茨城県から参拝に来ていた男性は、「私は70歳だが(大勢の僧侶の神社参拝は)初めて見た。良い日に来た」と喜んだ。大勢の外国人参拝客も、法螺貝の音を響かせながら練り歩く僧侶の姿を珍しそうに見守っていた。

 そして一行は、江戸幕府3代将軍家光公の廟所・輪王寺大猷院(たいゆういん)へ。本殿へと進列し、「家康公御位牌」の前で「東照大権現理趣三昧追善法要」を厳修した。

 輪王寺の鈴木常元・教化部長は、「大人数の声明が気持ち良く、圧倒された。宗教・宗派を超えた(神仏習合の)聖地である日光にふさわしい法要だった」と感想。柴田昌典・同寺所化は「今月20日は家光公の祥月命日。その日に近い時期にお経をあげてもらえたことが大変嬉しい。智山派と天台宗の交流の一環となり、私もいい勉強をさせてもらった」と話した。今結集の石本隆芳・実行委員長(栃木・明星院)は、「東照宮様、輪王寺様に特別にお計らいいただき、このような歴史的な参拝と法要が実現できた」と感謝を述べた。

 2日目は市内のホテルで、特別講演「智積院と徳川家康」(坂本正仁・大正大学特任教授)「日光山の信仰―家康以前と以後」(鈴木教化部長)が行われた。

2017/4/20
熊本地震から1年 佛教大学で追悼の灯

②佛教大 熊本地震 追悼キャンドル.JPG犠牲者の人数と同じ225本のLED灯や走馬灯の光が夕闇を照らす中、焼香する学生たち 熊本地震の発生から1年となった14日、京都市北区の佛教大で、追悼のキャンドルがともった。地震による犠牲者の人数と同じ225本のLED灯や、蓮の花が浮かび上がる走馬灯の光が夕闇に揺れる中、学生や教職員が復興を願った。

 午後6時過ぎ、礼拝堂前に「4・14」の形に並んだろうそくに明かりがともされた。寺のお下がりを溶かし、学生が作り直したろうそくを使った。書道史の永尾秀則教授が書いた「熊本復興」の書や、「絶対に忘れない」などの学生の寄せ書きを、キャンドルの光が照らした。寄せ書きは被災地に送られる。

 焼香台から走馬灯へ向かうLED灯でつくられた道は、復興の願いが届くようにと熊本に続く道をイメージした。「南無阿弥陀仏」と称えていた4年生の福嶋俊介さん(21)は、「亡くなった人の極楽浄土への往生と、被災地に阿弥陀さまの護念があるように願った」。在家出身の福嶋さんは僧侶を志し、同大で学んでいる。

 礼拝堂内では28日まで、被災地の写真約50枚のパネルを展示。昨年8月に益城町の避難所で学生と教職員30人余りが実施したボランティア活動の様子なども伝えている。復興支援に携わった4年生の兼田靖さん(21)は神戸市出身で、小学生から阪神淡路大震災を伝える教育を受けてきたといい、「発信することが大切。風化させてはいけない」と話した。

2017/4/20
足立区・善立寺 伝説の棋士を縁にお寺で追悼碁会 高尾名人・藤沢女流名人が指導

⑤善立寺で碁会 (1).JPG藤沢プロによる指導碁の様子 東京都足立区の日蓮宗善立寺(新倉典生住職)で9日、プロ棋士の高尾紳路名人(九段)、18歳で女流本因坊・女流名人の藤沢里菜三段など囲碁界のスター棋士やアマチュア強豪勢が集い「碁会」が開催された。

 伝説の棋士、藤沢秀行さん(2009年死去)の三男で、昨年10月に亡くなった嘉浩さんの追悼を込め、妻の晶子さんが企画。詰碁の本をいつも手元に置き、アマチャンピオンにもなった嘉浩氏を偲び碁盤を囲んだ。

 若き女流棋士として活躍する藤沢さんは秀行さんの孫にあたり、高尾名人は秀行門下の一人。碁会は武宮正樹九段、剱持丈八段など、錚々たる顔ぶれが揃った。友人と囲碁クラブを開いているという酒井浩さんは藤沢さんから指導碁を受け、「テレビでしか見られないような方ばかりです。仲間にお土産話ができました」とご縁に感謝の言葉。日本棋院調布支部の支部長を務める菊池忠浩さんは「なぜそこに石を置くのかという物語がある。石が語るんですよ」と囲碁の魅力を熱っぽく語った。

 秀行さん、嘉浩さんは共に、新倉住職が葬儀を執り行った。これが縁でお寺での碁会が企画された。午前中には法要も営んだ。「お寺ならではの清浄な空気のなか、安らぎながら、のびのびと楽しんでもらえた」と晶子さん。信長、秀吉、家康に仕えた囲碁の名人で法華宗の僧侶だった本因坊算砂に代表されるように仏教と碁には深いつながりがある。晶子さんは「お寺は古来の歴史や文化を継承して繋いでいける場。お寺で囲碁が広まれば良いですね」と話した。

2017/4/13
仏教主義学校連盟 東京立正で花まつり 12校520人が参加

②仏教主義の花まつり (1).JPG参加者全員で花まつりの歌を斉唱した 仏教を建学の精神とする東京・神奈川・埼玉の中学高等学校17校が加盟する仏教主義学校連盟(澤田幸雄会長)は8日、東京都杉並区の東京立正中学校・高等学校で花まつり降誕会を開催した。今年で53回目。生徒520人が参加し、お釈迦さまの誕生をお祝いした。

 今年は鶴見大学附属中学高等学校、淑徳中学高等学校、横浜清風高等学校、駒沢学園女子中学高等学校、世田谷学園中学高等、宝仙学園中学高等学校、芝中学高等学校、駒澤大学高等学校、千代田女学園中学高等学校、駒込中学高等学校、立正大学付属立正中学高等学校、東京立正中学高等学校の12校が参加した。澤田会長(東京立正中学校高等学校校長)は開式にあたり、釈尊の教えから「今の自分を、一日一日を大切に生きること」を挙げて、「お釈迦さまの教えを勉強し、私たちの暮らしに活かしていきましょう」と呼びかけた。

 式典では東京立正中学校高等学校の聖歌隊が献灯し、四弘誓願を生徒全員で斉唱。鶴見大学附属中学校高等学校洋舞部による散華の舞で花御堂を荘厳して、三帰依文を唱和した。

 澤田会長、後援団体の東京都仏教連合会(東仏)の新倉典生事務局長、加盟学校教員、生徒の代表が灌仏して釈尊の誕生日を祝福した。

 来賓として東仏の新倉事務局長が挨拶。米国によるシリア空爆、各地で起こるテロなどにふれ、「どのような理由や主張があっても、他人のいのちを脅かすような行為は決して許すことはできない」と述べ、「自分のいのちと同様に他のいのちも敬い、思いやりの心で接していく」という仏教の教えに「寛容の気持ちが宿る」と説示。花まつりを縁に「利他」の心を育むことを願い「世界の平和につながっていく」と語りかけた。

 東京立正中学校3年生の奈良仙子さんが奉讃文を読み上げ、釈尊の教えにならい「私たちも自分の努力で自らの人生を作り上げる」と誓った。最後に参加者全員で「花まつりの歌」を歌って締め括られた。

2017/4/13
第41回正力松太郎賞決まる 教覚寺少年会・れんげ国際ボランティア会

①教覚寺4.jpg教覚寺少年会の様子 全国青少年教化協議会(全青協)が主催し、仏教精神に基づいた青少幼年の育成や社会教化に尽力してきた個人・団体に贈られる第41回「正力松太郎賞」の本賞に教覚寺少年会(静岡県静岡市/代表=南荘宏・浄土真宗本願寺派教覚寺住職)と認定NPO法人れんげ国際ボランティア会(熊本県玉名市/代表=川原英照・真言律宗別格本山蓮華院誕生寺貫主)が選出された、7日に発表された。40歳以下を対象にした青年奨励賞は該当者がなかった。報告会・表彰式は6月1日、東京都港区の東京グランドホテルで行う。

 教覚寺少年会は1915年の設立以来、門信徒や地域の子どもたちの健やかな成長を念願し、5代にわたって約100年間、日曜学校を実践。現在は花まつりや子ども報恩講など仏教行事に合わせた集いを月に一度行うほか、10代の会、光輪会(20代から30代)、女性の会、壮年会、覚寿の会(75歳以上)等、世代を超えて子どもと関わるための取り組みを行っている。仏教情操の涵養と心の潤いを供する一役を担ってきた長年の地道な活動と、地域社会への貢献が高く評価された。

 れんげ国際ボランティア会は1981年にカンボジア内戦による難民支援を目的に発足。曹洞宗の「シャンティ国際ボランティア会」と行動を共にし、難民キャンプでの移動図書館の巡回、図書の発行など、文化・教育支援を実践。タイ、スリランカ、インド、ミャンマーなどの国々で、貧困や差別といった厳しい状況に置かれた人々に対して支援を続けている。各地に建設した学校数は57校で、昨今では学校建設をきっかけとした農村開発を実施している。

②ミャンマ-学校建設.jpgれんげ国際ボランティア会によるミャンマーでの学校建設 昨年の熊本地震では、震災緊急・復興支援として、募金活動やボランティアの宿泊のバックアップ、子どもたちの学習支援等、現地が必要とする支援に取り組んでいる。

受賞者のコメント

サンガの中で…南荘代表
 代々、子どもの時の宗教情操教育が重要との思いで続けてきました。子どもたちにお寺に来てもらうには、門徒をはじめ地域の協力が必要です。地域では子どもからお年寄りまで、様々な世代の方々がお寺に集まります。こうしたサンガがなければ、少年教化の活動はできません。
 核家族が中心の現在、お父さん、お母さん世代への働きかけも重要です。家庭の後押しがなければ、子どもはお寺に来ないからです。魅力を感じてもらえるよう、これからも地道に活動を続けていきたいと思います。

衆生済度の浄業…川原代表
 伝統ある賞をいただき、信者さんに支えられ37年間活動を続けられたことが、有り難いとしみじみと感じています。信者さんは「一食布施」(一食を抜いた分をお布施する)などをして支えてくれ、その信仰を継続してくれました。
 NPO法人の原点には大乗仏教の精神があると私は思っています。私たちが行ってきた難民支援などの国際協力は「衆生済度の浄業」を現代社会のなかで具体的な活動にしたものです。NPOとしての取り組みではありますが、宗教活動の一環としてやっています。

2017/4/13
日蓮宗が沖縄・平和祈念堂で世界立正平和祈願法要  一昨年の広島、昨年の長崎に続き

日蓮宗沖縄法要.JPG平和祈念堂で営まれた法要。沖縄戦の犠牲者約20万人の安寧を祈った(11日) 日蓮宗(小林順光宗務総長)は11日、アジア太平洋戦争における激戦地・沖縄県糸満市の平和祈念公園内平和祈念堂と那覇市の法華経寺で「沖縄戦戦没者追善供養・世界立正平和祈願法要」を厳修した。小林総長が就任以来続けてきた平和法要は一昨年の広島、昨年の長崎に続きこれで一つの区切りとなったが、総長は今後も平和運動・法要を続ける意欲を示した。

 沖縄の彫刻家・山田真山氏(1885~1977)が全戦没者の追悼と世界平和を願って制作した12メートルの平和祈念像の下に大曼荼羅を安置。導師の小林総長、副導師の濵田義正九州教区長たち、それに式衆の宮崎・鹿児島・沖縄県各宗務所の教師らが入堂。方便品・自我偈・神力偈を読誦した。

 総長は追悼文で、約20万人の沖縄戦犠牲者の安寧を祈り、立正平和実現のため活動していくと語った。続いて日蓮宗加行所の工藤堯幸伝師ら修法師による木剣加持が行われた。参列者は約200人。たまたま訪れた一般の来場者も法要に驚きながらも一心に手を合わせていた。

 小林総長は挨拶で、日本軍が戦争遂行のために民間人までも徴用し、戦争の巻き添えになって悲惨な最期に至らせたことに哀悼の意を捧げた。

 アジア太平洋戦争における日本の戦没者310万人のうち、海外で倒れた240万人にも思いを寄せ、「すべての遺骨が帰国しないうちは戦後はまだ終わらない、終わってはいけない」と宣言。これからの平和運動の方向性を示した。副導師を務めた森下恵裕宮鹿沖宗務所長は「いかなることがあろうともいのちを奪ってはならない」と挨拶で述べた。

 その後、那覇市の法華経寺(日沢是良住職)に移動し、再び小林総長を導師に立正平和祈願法要を営んだ。同寺は「ありったけの地獄戦」で焦土と化した地にある。法華経の法灯が消えようとしていたところに初代の故・鹿糠堯順氏が単身渡航し1975年に開山した。日沢住職は総長らに感謝しながら、オスプレイが飛び交い一般道路を米軍の戦車が走る現在の沖縄を憂慮し、今後も怨親平等の心で祈り続けると語った。

 宮崎県・上行寺檀家の石永辰秋さん(89)は兄の喜助さんを沖縄戦で失った。「兄は遺骨も戻ってこなかったんですよ。だからこの法要に参加できて感無量です。平和な世の中にしてほしいといつも願っています」と、兄の写真を首にかけながら語った。