

仏教NGOネットワーク(BNN、代表=西郊良光・天台宗宗機顧問)は1月26日、東京・新宿区の日蓮宗常圓寺で連続セミナー第2回「震災に立ち向かう仏教者たち」を開催。前回に続き仏教者の災害支援活動についての情報を共有したほか、川北秀人氏(人と組織と地球のための国際研究所代表)が人口動態から今後の日本社会や被災地での宗教者の役割について講義した。
国会議員の政策立案を補佐する国家資格、政策担当秘書の1期生でもある川北氏は、人口動態の推移から日本の未来と被災地の現状を分析。20年後には全国平均で高齢者(65歳以上)一人を生産人口(15歳から64歳)1.8人で支えなければならないという試算を紹介し、極度に高齢者率の高い少子多老社会に突入することを指摘した。
一般に地方における過疎化地域の高齢化率が問題とされるが、東京であっても多摩市などでは、20年後は全国平均を上回る高齢者率に達するとされ、「これまでの20年とこれからの20年は違う」「率だけ見れば、多摩市は既に秋田などと変わらない。地方に比べ、都市部では急速に高齢化が進むだろう」と分析した。
さらに阪神淡路大震災では被災地の高齢者率が15%以下であったのに対し、東日本大震災では24.5%であるデータを提示し、被災地の高齢者率が復興支援にも重要な影響があることを示唆。「復興のシナリオは高齢者率と被災規模で異なる」とし、東日本大震災の被災地は孤独死など仮設住宅入居後の孤立化リスクが高いことに危機感を示した。
被災地では高齢者の他にも、外国人やアレルギー患者、難病患者、被災孤児や遺児など支援の行き届きにくい被災者のニーズに対して、専門性を持つ支援者の中長期的な活動が必要であることも指摘。こうした被災地の多様なニーズの中での宗教者の役割については、「祈り」の活動の重要性や専門性を挙げた。
ただし、宗教的な支援は、「場所と場面に気を付けること」「行政の精神構造では一つ一つの団体が行うのを嫌がる。まとまって対応する方が良い」などの注意点も喚起。
その上で、米国では大型ハリケーン・カトリーナなどの大規模災害で、避難場所に祈りを捧げられる場所が設けられていることから、「日本の宗教者の役割が欧米と比べてどうなのか、もう少し立場を明らかにしてもいいはず。被災地支援ボランティアにおいて、ポジティブな役割として位置付けてもいいのではないか」と提案。祈りや地域に根差した祭祀などの活動に対して、被災者がどう評価しているかニーズを把握し、今後に活かすことや情報発信の必要性も提言した。
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