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2007/01/01 自殺は「強制された死」 遺族から悲痛な訴え

真宗大谷派東京教区の同朋社会推進ネットワークは19日、東京・練馬区の東本願寺「真宗会館」で、課題研修会「『自殺』問題を考えよう」を開催。自殺問題に取り組んでいる識者や遺族らが講演し、自殺が現代日本の社会構造によって「強制された死」である事実を明らかにした。約100人が参加した。

2007/01/01 日本香堂 “お盆の思い出”絵画展を開催

(株)日本香堂(小仲正克社長)は12月17日から24日まで、東京・銀座の同本社ビルの特設ギャラリーで「ふるさとのお盆の思い出絵画コンクール発表展覧会」と開催した。
日本香堂では毎年全国の小・中学生から「ふるさとのお盆の思い出」をテーマにした絵画を募集。7年目を迎えた今回は過去最高となる4万23作品が寄せられた。この絵画コンクールは文部科学省の推進する「子どもの居場所づくり」キャンペーン事業にも位置づけられている。

2007/01/01 天台宗が「仏像盗難共済」をスタート

天台宗(濱中光礼宗務総長)の「仏像盗難共済」が1月1日からスタートした。各地で頻発する仏像盗難に対応するため考案された制度。宗務庁では12月にポスターやパンフを配布し、防犯意識の啓発と制度の普及に努めたいとしている。
「仏像盗難共済」は天台宗の「災害補償制度」に加入している寺院が対象。火災共済の「什器備品」の項目と併用することで、「仏像に関する全てのリスクに対応できる」(宗務庁関係者)ようになっている。
この共済は「新古を問わず信仰の対象である仏像を守る」ことを目的としているため文化財指定がなくとも本尊であれば加入可能。加入申請をすると仏像の種類や像高、材質といった条件をもとに簡易鑑定がなされ、評価額と掛金が算定される仕組みになっている。また簡易評価で満足できない場合には写真鑑定や専門家による鑑定も可能(別途、鑑定料が必要)。仏像が盗難されたり、破損した場合は、給付金と合わせ、一律10万円の見舞金も支払われることになっている。

2007/01/11 立正佼成会 新年の「御親教」式典を挙行

2007年(平成19)の幕開けとなる立正佼成会の御親教式典が7日午前、東京・杉並の本部大聖堂で挙行された。聖壇上には年頭に当たり庭野日鑛会長が揮毫した「合掌」「自覚」が聖壇上に掲げられ、庭野会長は「仏教そのものは自覚の宗教」と説き、仏さまの真理の自覚を促した。

2007/01/11 第53回コルモス研究会議 「祈りと供養」テーマに

「現代における宗教の役割研究会」(略称・コルモス、上田閑照会長)の第53回研究会議が12月26・27日の2日間、京都市内のホテルで開かれ、今年は「祈りと供養」をテーマに基調講演とパネルディスカッションが行われた。

2007/01/11 全日仏がインド洋津波犠牲者の三回忌厳修

インド洋津波犠牲者の3回忌にあたる12月26日、現地日本人会の要請に応じて財全日本仏教会(全日仏、安原晃理事長)はタイのプーケットに法要団を派遣。全日仏を代表して日蓮宗から出仕僧やスタッフを含め18人が被災地に赴き、慰霊碑前で法要を厳修した。日本人遺族約30人や日タイ関係者を含め200人が焼香と献花を通じ犠牲者を追悼した。
法要場所はカマラビーチホテルの海に面した敷地。ここに「久遠(とこしえの)の凪を願う」と刻まれた慰霊碑が建つ。被災から1年後の平成17年(2005)12月に除幕された。裏側には当時の藤井日光全日仏会長(日蓮宗管長・故人)による追悼の言葉が日本語・タイ語・英語で記されている。

2007/01/18 祖山総登詣の目標は100万人に設定

日蓮宗の宗政会派である明和会(遠藤文祥会長)は10日、東京・目黒の雅叙園で今年最初となる宗政懇談会を開催した。小松浄慎宗務総長も出席した懇談会では明和会議員が宗門運動や祖山総登詣運動の現状を報告。中でも祖山総登詣運動については「祖山総登詣懇談会」の答申が発表され、『100万人総登詣』を目指す運動となることが明らかにされた。

2007/01/18 本願寺派東京教区が葬儀テーマにシンポ

西東京市の武蔵野大学で16日、シンポジウム「葬儀を考える」が開催された。武蔵野大学と浄土真宗本願寺派・東京教区青年僧侶協議会の共催。
多様化していく葬儀の現状やその将来像について、専門家や研究者、僧侶らが発言。葬儀という儀礼を通じた僧侶の役割について理解を深めた。

2007/01/18 阪神淡路大震災13回忌 法要とコンサートで追悼

95年の阪神淡路大震災から丸12年が巡り最大の被災地神戸市では仏教者らが追悼・慰霊法要を執り行い、亡くなった6434人を供養した。
地震発生以来、毎年慰霊行脚を実施している全日本仏教青年会(全日仏青、坂本観泰理事長)は加盟仏青の67人が全国から駆けつけ、今年も被災地を歩いた。
節目の今年は、地震発生時刻の午前5時46分に長田区日吉5丁目の住宅街に震災後建てられた「あわせの地蔵」で法要を厳修。神戸青年仏教徒会(神戸JBクラブ)の亀山俊彦氏を導師に般若心経を読経しこの地域で亡くなった人々を供養。住民と共に今年も新潟中越地震(04年10月23日発生)で被災した旧山古志村村長で現在衆議院議員の長島忠美氏も焼香していた。

2007/01/25 伝統のくり弁で高座説法を再現

日蓮宗布教院の卒業生の会である高友会(山本龍雄会長)は19日、東京・大田区の日蓮宗宗務院で「再び甦る伝統の高座説教」を開催した。今回で2回目。檀信徒ら多数が参集、日蓮聖人伝や法華経の教えを独特の語り口で演じる「くり弁」を堪能した。
山本会長は開会にあたり、「(くり弁という)難しい法門をわかりやすくお話しする大切な文化を、私たちは受け継いでおります」と挨拶。さらに布教院が戦後、60数名の布教師を輩出したことに触れ、「何とかしてこの方たちを活かしてもらいたい」と支援を要請した。

2007/01/25 総本山知恩院 方丈庭園の改修が判明

浄土宗総本山知恩院(京都市東山区)の方丈庭園(京都市指定名勝)保存整備に伴う調査で、庭園が江戸期に数度改修されたことが判明したと19日公表された。
調査は平成17・18年度に大阪芸術大学の福原成雄教授らによって実施され、方丈庭園は『華頂門主伝』などの古文献から、徳川家康が知恩院の寺域を拡張した頃(1604~33年頃)、家光が焼失した知恩院諸堂を再建した頃(1642~44年頃)など、その後の時代を含め5回造り変えられたことが判明。
京都市埋蔵文化財研究所による発掘調査では、江戸前期~中期の土器を含む州浜が見つかった他、大方丈と池の間の庭を掘り下げた地中から庭石が発見され、また整地した層の下に池の堆積層が見つけられるなど、改修の跡が確認された。

2007/01/25 林暁宇氏など3氏が仏教伝道文化賞に決定

(財)仏教伝道協会(沼田智秀会長)は24日、仏教伝道文化賞選定委員会を開き、第41回仏教伝道文化賞の受賞者を決定。B項(文芸・美術など)に平安佛所の仏師・江里康慧氏(63)と截金師・江里佐代子(61)、C項(伝道者・実践者など)に具足舎主宰の林暁宇氏(83)がそれぞれ選出された。
贈呈式は3月15日午前11時。東京・三田の仏教伝道協会で挙行される予定。当日は受賞者に記念品と賞金300万円が贈呈されることになっている。

2007/02/01 BNNが研修セミナー「防災寺子屋」を開催

仏教NGOネットワーク(茂田真澄事務局長)は26日、東京・新宿の日蓮宗経王寺で第10回研修セミナー「防災寺子屋」を開催した。今回はシャンティ国際ボランティア会(SVA)の関尚士氏が災害現場の実情や寺院の可能性として具体的な事例を交えて講演。僧侶や宗教教団関係者など約30人が参集し、その役割について考察した。

2007/02/01 全日仏 今年8月に財団50周年式典を挙行

財団設立50周年を迎える(財)全日本仏教会(大道晃仙会長、安原晃理事長)は30日、都内のホテルで理事会・評議員会を開催。節目となる年の予算案などを承認したが、公益法人改革の影響により人件費を事業部門と管理部門に振り分けて計上した。公益認定基準のなかに「公益目的事業比率が50%以上」の項目に対処するための試行錯誤の策。50周年事業に関しては8月の記念式典、11月の全日本仏教徒会議神奈川大会、来年11月のWFB日本大会の概容が報告された。

2007/02/01 浄土宗 中村康隆門主が辞任

浄土宗(稲岡康純宗務総長)と総本山知恩院(佐藤諦学執事長)は25日午後、中村康隆門主(知恩院門跡)が「健康上の事由」から任期半ばで辞任すると発表した。子息の中村康雅氏(静岡市実相寺住職)がこの日門主自筆の辞任願を提出、宗・本の内局会議で受理を決めた。
中村門主は平成5年2月、大本山増上寺法主から浄土門主・知恩院門跡に就任(任期4年)。その後同9年、13年、17年と再任され、4期目の満了まで2年余りを残しての辞任となった。
後任は浄土門主・法主推戴委員会(委員長=稲岡宗務総長)が後日開かれ推戴されるが、門跡を務める知恩院の4月の御忌までには決まるのでは、と推測されている。

2007/02/08 中学生が仏具つくりの職人技に挑戦

荘厳仏具設計施工の㈱安田松慶堂(七世安田松慶社長)。寛政4年(1792)創業という伝統を誇り、東京・銀座に本店を構える。この老舗の埼玉・三郷工場で、地元の中学生4人が「職業体験活動」を行った。この「活動」は、三郷市立南中学校の恒例行事。1月31日から3日間、1年生200人余りが72班に分かれ、それぞれの“職場”に向かった。
三郷工場を選択したのは野球部の仲良し4人組。寺社でもらった御札を収納する「札入れ」作りに挑戦した。安田元慶専務取締役は、「2、3年前に小学生が見学に来たことはあったが、実習は今回が初めて。3日間だから難しいものは作れませんが、自分で作ったものは思い出になります。うまい、下手は別です」と話す。
担任の渡辺由和先生も、「完成品しか見たことない子どもたちが、一から物を作るのはいいこと。この年齢で経験したことは、強烈なインパクトで記憶に残ります」と、今回の経験の貴重さを強調。さらに、「(この実習を)知らない自分を発見できる場にしてもらえれば」と期待感を滲ませた。

2007/02/08 天台宗 半田孝淳座主が上任

渡辺惠進前天台座主の譲職に伴い1日付で就任した半田孝淳第256世天台座主(89)の上任式が同日午前、大津市の滋賀院で執り行われ、上任した半田座主は天台宗・総本山延暦寺の内局を前に「人々の心の平和、安穏な世の中の実現に努めてまいりたい」と、持ち前の力強い声で決意を述べた。
半田座主は大正6年9月生まれ。大正大宗教学科卒。自坊は長野県上田市・常楽寺。昭和58年8月戸津説法師を務め、同62年6月望擬講、平成6年12月擬講、同9年已講、同11年8月探題に補任された。宗内では宗議会議員2期、教学部長、宗機顧問会長を歴任。平成16年11月に曼殊院門跡(京都市左京区)門主に就任した。
師父の孝海氏は善光寺(長野市)副住職を務め、戦後原水爆反対運動に傾注。そうした父の「平和に生きろ」の遺志を継いで、国内外での宗教指導者による世界平和祈りの集いに積極的に参加。「和顔愛語」を実践して内外の宗教指導者から慕われている。
この後伝燈相承式が4月26日午前10時半から大津市の延暦寺根本中堂で執り行われる。

2007/02/08 ビハーラ活動実践講座で僧侶が“高齢者”体験

日蓮宗(小松浄慎宗務総長)は6日、東京・池上の宗務院で平成18年度ビハーラ活動実践講座を開催した、ビハーラ活動に関心を持つ僧侶や寺族などが参加。講義や体験学習を通して、高齢者介護や福祉などの問題に対する理解を深めた。
講座では柴田寛彦氏(秋田・本澄寺住職)、林妙和氏(愛知・道心寺住職)、岩田親静氏(千葉・本休寺住職)の3氏が講義。それぞれ自殺や高齢者介護などの視点から僧侶としてのあり方を説いた。
講義後には白内障の症状を再現する眼鏡や、荷重チョッキを使用した高齢者疑似体験を実施。体験した僧侶からは「視野が狭くて全然見えない」「知っている場所なのに凄く怖い」などの感想も聞かれた。

2007/02/15 大本 故広瀬総長の本葬を営む

1月17日に満81歳で亡くなった広瀬静水・大本総長の本葬・告別式が10日午後、亀岡市の大本本部万祥殿で営まれ、出口紅教主はじめ大本信徒、また宗教協力活動を共に進めてきた宗教者ら1500人が参列し、別れを惜しんだ。

2007/02/15 日蓮宗加行所で7人の退堂者

千葉・市川市の日蓮宗中山法華経寺(新井日湛貫首)と遠寿院(戸田日晨住職)で行われていた寒百日荒行の成満会が10日、両寺で厳修された。今年は中山法華経寺で175人、遠寿院でも15人が荒行を乗り切った。しかし遠寿院では2人が退堂。中山法華経寺では一名の死者を含め7人の退堂者が出るという結果にもなった。

2007/02/15 大正大学創立80周年を記念し国際学術シンポジウム

東京・豊島区の大正大学(星野英紀学長)は10日、創立80周年を記念し「『いのちと宗教』の教育を考える」をテーマに国際学術シンポジウムを開催した。「いのちの教育」について考察し、宗教的な価値がどう関われるかについて意見が交わされた。
「『いのちの教育』とスピリチュアリティ」と題したセッションでは岩田文昭氏(大阪教育大学教授)、近藤卓氏(東海大学教授)、カール・ベッカー氏(京都大学教授)の3氏が発表。 午後からは大正大学が取り組む海外の宗教教科書翻訳プロジェクトを紹介。また海外での公教育における宗教教育についてもイギリス、韓国、ドイツ、アメリカの研究者から発表が行われた。

2007/02/22 本願寺派宗会 「龍谷ミュージアム」を提案

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)の第283回定期宗会(木下慶心議長)が20日午前、京都市の宗務所で開幕。目下、親鸞聖人750回大遠忌の記念事業を進める不二川総長は、宗門大学の龍谷大学と共同して現本願寺会館の地に、仏教に関する学術資料等の収集・公開を行う「龍谷ミュージアム」の創設を提案した。大遠忌お待ち受けとして国内8カ所の地方都市と全組で「今まで宗門や寺院とご縁の希薄だった方々の参画を特に重視」した法要行事を開催する取り組みなども発表した。

2007/02/22 日蓮宗セミナー 寺院生き残りの方策を学習

日蓮宗現代宗教研究所(田澤元泰所長)は7日、東京・大田区の宗務院で、第17回法華経・日蓮聖人・日蓮教団論セミナーを開催した。当日は僧侶や寺族など多数が参加。講演やセミナーを通して、寺院生き残りに向けた様々な方法論を探った。
当日は公開講座として慶應大学の中島隆信氏が講演。「お寺は生き残れるか―経済学の視点から見る存在意義と将来の展望」と題し、寺院を巡る厳しい環境の変化について考察した。 後半では講師の中島氏を加え、教団論セミナーを実施。前半で行われた講演に対する質疑応答や、現代宗教研究所の平成19年度の活動計画について、様々な意見聴取が行われた。

2007/02/22 天台宗インド禅定林の大本堂を落慶

インド中部ナグプール近郊の町ポーニにある天台宗インド禅定林。比叡山延暦寺で15年間修行したサンガラトナ・法天・マナケ氏が住職を務める同寺で8日、「インド大乗仏教の総本山」となる大本堂の落慶法要が厳修された。10万人もの新仏教徒が参列、インドに仏教が再興しつつあることを印象づけた。
法要は、天台座主名代の森川宏映探題(毘沙門堂門跡前門主)を導師に、叡南覺範(毘沙門堂門跡門主)・濱中光礼(天台宗務総長)・清原惠光(延暦寺執行)・西郊良光(前天台宗務総長)の各氏が出仕して執り行われた。
またインド・スリランカ・タイの僧侶による上座部式の法要やチベットの僧侶による法要も営まれるなど、仏陀生誕の国にふさわしい一日となった。

2007/03/01 天台宗 公益法人改革受け教学財団解散へ

天台宗第112回宗議会(小暮道樹議長)が2月20日から23日まで滋賀県大津市の宗務庁で開かれ、濱中内局が提出した平成19年度通常会計予算案や半田孝淳第256世座主就任に伴う伝燈相承式費予算案など予算関係議案11件、宗規関係議案7件、報告6件を原案通り全会一致で可決承認した。
今回の宗議会で濱中光礼宗務総長は執務方針で財団法人天台宗教学財団の解散を表明、これが一つの焦点となった。
同教学財団の解散は今般の公益法人制度改革を受けてのもの。新制度では、現行制度で税の優遇を受けている財団法人が優遇を受けられる「公益財団法人」と受けられない「一般財団法人」に分けられるが、同教学財団が「公益財団法人」になるには事業内容や組織等を変更する必要があり、「公益財団法人」と認められたとしても解散した際の残余財産を現行同様に宗教法人天台宗に帰属させる規則が認められるのは難しい状況。また現状ではこのところの低金利で基本財産の運用収益が低く、十分な事業(宗典刊行・奨学金給付・研究助成等)を行えないこともあり昨年12月の同教学財団理事会・評議員会で了承されている。
濱中総長は「教学振興の今後の受け皿をどのように進めていくかを含めて関係機関と協議を進めている」と報告、その一方で解散の手続きを進めていく方針だ。

2007/03/01 智山派教区代表会 全員協議会で緊張緩和へ

真言宗智山派(島秀隆宗務総長)の第103次定期教区代表会が20日から4日間の日程で、京都・東山区の宗務庁に招集された。今議会では平成19年度歳入歳出予算案など25議案2報告を上程。審議の結果、1議案(第24号議案)が取り下げとなった他は、全案が原案通り可決・承認された。また初日には非公開の全員協議会を実施。昨年来の内局・教区代表間の緊張関係を緩和し、議会運営を円滑にするための調整も図られた。

2007/03/01 第24回庭野平和賞 台湾の證厳法師が受賞

庭野平和財団(庭野日鑛総裁、庭野欽司郎理事長)は27日、宗教協力を通じて世界平和に貢献した人・団体に贈る第24回庭野平和賞を台湾の尼僧で台湾仏教慈済慈善事業基金会(=仏教慈済基金会)創始者の證厳法師(69)に贈ると発表した。贈呈式は5月10日、東京都千代田区有楽町の日本外国特派員協会で行われ、證厳法師には賞状の他、顕彰メダルと賞金2000万円が贈られる。

2007/03/08 日蓮宗宗会 新議長に田中文教氏が就任

日蓮宗(小松浄慎宗務総長)の第95定期宗会が6日、東京・池上の宗務院に招集された。今議会では今年4月から実動に入る宗門運動の規程案などが上程される予定だったが、議長交代を巡る調整が難航し長時間空転。選挙の結果、議長に田中文教氏、副議長に堀智仙氏が選出されたが、議会2日目になっても議案上程がなされないという異例の展開となった。

2007/03/08 「社会参加仏教」を問うシンポジウムを開催

東京・世田谷区の駒澤大学で3日、駒澤大学仏教経済研究所(吉津宜英所長)と仏教経済フォーラム(寺下英明代表)の共催によるシンポジウム「日本仏教の現状と課題―開かれた仏教をめざして」が開催された。シンポジウムには研究者や僧侶など約100人が参加。貴重講演やパネルディスカッションを通して「社会参加仏教」のあり方や課題を学んだ。

2007/03/08 高野山真言宗 機構改革に向け総長皇室を創設

高野山真言宗の第130次春季宗会(中津公雄議長)が、2月27日から3月2日まで和歌山県高野町の宗務所で開かれた。庄野光昭宗務総長は、公約に掲げた「機構改革」の具体案を提示。「財政」については火災共済会の給付金を大幅に増額する一方、財政基盤確立のために「護持負担金」を求めていくことを提案した。今宗会では、補正予算案4件、新年度予算案7件を含む27議案が上程され、原案通り議決・承認された。
庄野総長は「求心力のある本山」「帰属していることに夢と誇りをもてる宗団」とすべく、「明快で透明性のある宗政」を行うとの所信を改めて表明。「機構改革」の第一として4月に創設される「総長公室」のメリットについて、「秘書業務並びに広報・渉外業務が一元的に遂行できる」と説明した。これにより現行の企画室は平成20年3月末をもって廃止となり、それまでに業務を移管する。

2007/03/15 カバティ日本代表のW杯3位を祝う

インド生まれのスポーツ、カバディ競技の第2回ワールドカップで男子日本代表が3位に入り、その祝勝会が8日、大正大学で開かれ、選手の健闘を讃えた。
ワールドカップは1月24日から26日までインドで行われ、14カ国が参加。カバティ男子日本代表大正大学の現役とOBがほとんど。監督はOBの井藤圭順氏(天台宗僧侶)。
12月のカタール・ドーハでのアジア大会では善戦したものの結果が伴わず入賞できなかった。それから約1カ月半後のワールドカップでは雪辱を果たし3位を勝ち取った。さらに大正大学3年生の高野一裕選手がベストプレーヤの一人に選出され表彰された。1位はインド、2位はイランだった。

2007/03/15 浄土門主に坪井俊映法主

中村康隆前浄土門主(総本山知恩院門跡)の辞任に伴い後任の門主を決める浄土門主・法主推戴委員会(委員長=稲岡康純浄土宗宗務総長)が13日午後、京都市の同宗宗務庁で開かれ、全会一致で坪井俊映大本山金戒光明寺法主を推戴した。
坪井法主は大正3年10月生まれ、92歳。佛教大学教授、同大文学部長、同大佛教文化研究所長などを経て平成6年6月に金戒光明寺法主に就任した。中村前門主が療養のため入院し昨年8月23日から浄土門主代行を務めてきた。著書に『浄土宗三部経概説』『法然上人の教え』『法然浄土教の研究』などがある。大僧正。勧学。

2007/03/15 障害者と健常者でバリアフリーダンス

本願寺宗務首都圏センターは11日、東京・中央区の築地本願寺でバリアフリーダンスLIVE in 築地本願寺「あんのん∞でぃざいあ」を開催した。
このイベントは障害者へのダンス指導をライフワークとしている振付家でアーティストの香瑠鼓(かおるこ)さんが指導した2回のワークショップに参加した障害者、健常者らの一般参加者、プロのダンサーら約70人が出演。即興でのダンスをベースに、エネルギー溢れるダンスで観客を魅了した。

2007/03/22 現職国会議員が「法華一乗会」を発足

日蓮宗に信仰を寄せる現職国会議員の組織として「法華一乗会」が発足。これを受けて12日、都内ホテルでその設立総会が開催された。同会は休眠状態にあった「一乗会」(日蓮宗の国会議員組織)を改称し、再結成した組織。当日は同会の趣旨に賛同する国会議員6人・議員秘書9人(代理出席)が参加し、役員や規約などを話し合った。
総会では発起人代表の堀内光雄氏(衆議院議員)が挨拶。現在の国会に「精神的支柱のある人が少ない」と慨嘆し、「日本の国の政治の姿を『我、日本の柱とならん』という日蓮聖人の言葉を体しながら、つくりあげていきたい」と意欲を示した。
法華一乗会は今後、①仏教精神に基づき、政治・教育・文化の宣揚を図る、②日蓮宗事業に対する協力、③日蓮宗教化活動・行事に対する協賛、④会員相互の連絡提携のため、随時必要に応じて懇談会を開催する――などの事業が行われることになっている。(22-29合併号)

2007/03/22 全日仏 暴力団排除に向け協力要請

警視庁からの「暴力団排除に関する協力要請」を受けて全日本仏教会(全日仏)は3月13日、安原晃理事長名による談話を発表し、「威力誇示や資金集めに利用される恐れのある葬儀法要等は拒否しよう」との昭和51年の決議(全日本仏教徒会議三重大会)を改めて示し、加盟団体に文書を送付した。
警視庁からの要請では、暴力団組長の襲名披露や対立抗争などに伴う葬儀や法要といった「義理かけ」行事の問題を指摘。暴力団との関係遮断をはかるため「暴力団の『義理かけ』と判明した場合の葬儀・法要の拒否」「迅速な警察への対応・相談」を強く要請している。
また「暴力団との具体的な対応要領」も添付され、「暴力団対応ガイド」が記載されている。平素の心構えでは「毅然とした態度」ほか2点をあげ、具体策としては「有利な場所で対応」「複数で対応」など8項目を掲げている。
昨年4月の比叡山延暦寺による山口組歴代組長法要が社会問題化したのをうけて同6月の全日仏理事会・評議員会で昭和51年決議の再度周知徹底をはかった。
全日仏では、今回、警視庁からの「協力要請」「対応要領」の2文書と理事長談話をセットで加盟団体に送付して注意を喚起した。

2007/03/22 WCRP日本委 新事務総長に宮本けいし氏

世界宗教者平和会議(WCRP)日本員会(庭野日鑛理事長)は19日、理事会・評議員会を大津市の天台宗務庁で開き、新事務総長に妙智會教団理事長の宮本けいし氏を選んだ。任期は4月1日から2年間。
宮本新事務総長は1956年3月生まれ、51歳。90年に妙智會を母体に設立された「ありがとう基金」の代表として世界の子どもの支援を開始。00年に「子どものための宗教者ネットワーク」(GNRC)を発足させ、世界の宗教者と連携して活動に取り組む。世界連邦日本宗教委常任委員、仏教NGOネットワーク監事、新宗連理事。
宮本新事務総長は、坂田安儀氏(禊教管長)、川井清敏氏(大宮八幡宮宮司)、三宅美智雄氏(金光教常盤台教会長)、杉谷氏に次いで第5代目になる。(22-29合併号)

2007/04/05 SVA新会長に若林恭英氏

シャンティ国際ボランティア会(SVA)は3月24日、都内で通常総会を開き、新会長に曹洞宗安楽寺住職(長野)の若林恭英氏(55)の就任を承認した。松永然道前会長(71)は新設の名誉顧問に就いた。専務理事は秦辰也氏が再任されたが、SVA発足当初からの松永氏世代は第一線を退き、若い新体制に移行した。
新体制にあたり若林新会長は「財政体質は脆弱なところもあるが、これから新たなスタートをきる」と決意を表明。「SVAの得意技に移動図書館がある。これからは移動会長、移動役員として、役員の顔が必要だと言うところにはすぐさま飛んでまいりたい」と“足戦力”を宣言した。
新会長の若林氏はSVAの前身である「曹洞宗東南アジア難民救済会議」(1980年発足)以来、SVAの活動に参加。各地の難民キャンプでボランティアとして救援事業に携わった。師僧の故若林順天氏(2001年10月逝去)もまたSVAの良き理解者・協力者で顧問を務めたほか、難民支援などが評価され外務大臣表彰(1993)を受賞した。

2007/04/05 日宗連が創立60周年の記念シンポ開催

(財)日本宗教連盟(山北宣久理事長)は3月27日、東京・港区の虎ノ門パストラルで、創立60周年記念「宗教と教育シンポジウム」を開催。約150人が参加する中、「いま、宗教心と教育を考える」をテーマに、パネルディスカッションを展開。宗教教育の可能性や役割について理解を深めた。
議論を総括した島園氏は、「今後も、宗教界から一般社会に訴えていく、このような試みを続けていきたい」と話し、更なる議論の継続を呼びかけた。

2007/04/05 能登半島地震 各宗寺院に甚大な被害

3月25日に震度6強を記録した能登半島地震により、七尾市、輪島市などで甚大な被害が発生した。3月30日現在で死者1人、重傷者25人、軽傷者250人の人的被害が判明。建築物に関しても、全壊121棟、半壊350棟という深刻な状況となっている。被災地域には寺院も多く、かなりの被害が予想される。各宗派でも被害実態の把握に向け調査活動を開始しているようだ。
被災地域は浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、曹洞宗などの寺院が多く、それらの宗派で大きな被害が報告されている。中でも真宗大谷派では能登教区に所属する369カ寺の内、大部分で何らかの被害が出ている模様。曹洞宗も総持寺祖院や塔中寺院などを中心に大きな被害が出ているようだ。
このような状況を受けて、浄土真宗本願寺派は28日、石川県庁に100万円を伝達。災害救助法が適用された7市町に対しても、各20万円の見舞金を贈っている。
日蓮宗も29日に石川県の災害対策本部に対し100万円の見舞金を寄託。曹洞宗も29日に石川県庁に300万円の義援金を手渡した。
また、支援活動と並行し、被害実態の調査も各宗派で進行中。真宗大谷派では災害発生と同時に各寺院を巡回し、被害状況や要望の聞き取りを始めているという。

2007/04/12 日蓮宗大本山誕生寺の布教殿堂が落慶

千葉・鴨川市の日蓮宗大本山誕生寺(石川日命【「命」の字の「口」の部分は「日」】貫首)で建設が進められていた「布教殿堂」の竣工を受けて6日、同寺・祖師堂で、その完成奉告式が挙行された。布教殿堂は宗祖降誕800年の記念事業として計画された施設。式典では村田教清執事長が挨拶し、「布教伝堂が立正安国、下種結縁の道場となるように精進したい」と、今後に向けた決意を示した。
完成した布教殿堂は鉄筋コンクリート製3階建て(延べ床面積485坪)の施設。高齢者や障害者にも配慮したバリアフリー構造になっており、採光に関しても随所に工夫が施されている。
内部は1階に事務所、食堂、厨房を配置。2階にも120人を収容できる研修室が3部屋と、20~50人を収容出来る小研修室が4部屋設置されている。3階は僧房と収蔵庫、収納庫を設置。大人数での研修にも対応できる構造になっている。

2007/04/12 埼玉県佛教会 「新埼佛会館」の上棟式を厳修

(財)埼玉県佛教会(酒井文雄会長)は6日、さいたま市浦和区に建設中の「新埼佛会館」で上棟式を執り行った。式典には埼玉県佛教会の僧侶や工事関係者が参列。近隣の住民も駆けつけ、工事の無事成満を祈願した。
新埼佛会館は現会館の老朽化と耐震構造基準に合致しないことから計画された。新たな会館は鉄筋コンクリート造り3階建ての施設(延べ床面積は338坪)。1階には多目的ホールと貸し店舗、2階に事務局などが設置される。落慶は今年10月を予定している。

2007/04/12 全仏婦と豊島区仏教会がサンシャインで花まつり

豊島区仏教会(古田治雄会長)と全日本仏教婦人連盟(全仏婦・大谷貴代子会長)は5日、東京・池袋のサンシャインシティ・アルパB1噴水広場で20回目となる「花まつりフェスティバルinサンシャイン」を開催。一般の買い物客も多いデパートを会場にした花まつりでお釈迦さまの誕生日をアピールした。
全仏婦ではお彼岸から花まつりの期間に会員、賛助会員をはじめ関係幼稚園や希望者に「花の種」を送っている。地道な活動もあり、運動への理解と「花の種」の希望者も増え、今年は例年の倍となる2万セット(1セット2袋)が用意された。

2007/04/19 次世代教化に向け「三離れ」の現状を学ぶ

日蓮宗(小松浄慎宗務総長)は3月29日、東京・大田区の宗務院で次世代教化研修会を開催した。研修会は「立正安国・お題目結縁運動」の実動に向け、教化対象となる次世代を分析・考察するとの目的から企画。当日は教化活動に関心を持つ多数の僧侶が参集し、仏教を囲む「三離れ」(寺離れ・葬式離れ・墓離れ)の現状について学んだ。
研修会では第一生命経済研究所主任研究員の小谷みどり氏が「三離れの現象の実態」と題して講演。その後、北海道大学の櫻井義秀教授が「個人化する社会と自分探し」をテーマに若者の宗教観を解説した。
後半には楠山泰道氏(日本脱カルト協会理事)と奥田正叡氏(日蓮宗ビハーラネットワーク世話人)が加わりシンポジウムを実施。こちらでは「寺に魅力がなくなったのは住職が職業化し、世襲化したことが原因。本当に(仏教を)信仰されているのかと聞きたい」などの大胆な意見も飛び出た。

2007/04/19 真言宗醍醐派 選挙時期調整に向け宗会を解散

真言宗醍醐派(麻生文雄管長)の臨時宗会(栗田満栄議長)が16日午後、京都市の総本山醍醐寺で開かれ、解散権をもつ麻生管長が、年末年始の忙しい時期に重なっていた宗会議員選挙を移すという前回定宗での議員の合意に基づき、宗会を解散した。これを受けて60日以内に選挙が実施されることになった。
任期満了に伴う同派宗会議員選挙は、昭和63年の解散選挙時に一部議員が選挙停止を求めて起こした裁判の結果(平成4年1月21日大阪高裁で和解)、12月から1月にかけて実施するようになり、それが平成8年から12年、16年と3度続けられてきた。しかし、この時期は年末年始の忙しい時期で立候補がしづらく、印刷会社が正月休みに入って選挙広報紙の製作に支障をきたすなど問題となっていた。

2007/04/19 温家宝首相が鑑真和上の史実に言及

今月11日から13日まで日本を公式訪問した温家宝・中国首相は12日、国会で演説。その中で導入部分で、5度の渡航に失敗し6度目に志を成し遂げて来日した鑑真和上(688~763)の故事に言及するとともに、結びの部分でも鑑真ゆかりの寺院にある石灯籠を例に両国の友好をアピールした。
温家宝首相の演説は日本語400字詰原稿用紙で16枚強。今後の日中関係を展望し、相互信頼など5項目の原則を提示した。演説の様子はインターネットでも放映されている。
その導入部で日中両国が2000年にわたる往来があるとして、まず言及したのが阿倍仲麻呂(698~770)と鑑真和上だった。鑑真和上は視力を失いながらも6度目の挑戦で漸く日本に渡ることができた。そして東大寺に戒壇院建立し、授戒の道場とした。温首相は「鑑真和上は駐日両国人民の友情を増進するためにすべてを捧げられました」と日中の架け橋となった鑑真を評価した。

2007/04/26 同宗連の議長教団に浄土宗が決定

同宗連(「同和問題」に取り組む宗教教団連帯会議)の第27回総会が11日、東京・杉並の立正佼成会普門館で開かれ、第14期となる新議長教団に浄土宗(議長=淺野義光・人権同和室長)が選ばれた。
総会にあたり前第13期議長の安野兼司氏(世界救世教いづのめ教団)が2006年度の事業報告。「近年インターネット上において悪質な差別落書きが行われたり、差別情報が流されるなど、深刻な人権侵害が繰り返されている」と現況を憂慮した。
第14期の役員などは次の通り。▽議長教団・浄土宗、▽副議長教団・日本基督教団(小林眞副議長)、真言宗豊山派(根岸榮宏副議長)、世界救世教いづのめ教団(安野兼司副議長)、▽企画委員長教団・高野山真言宗(深真樹委員長)、▽広報委員長教団・天理教(西村喜弥委員長)、▽監事教団・真宗三門徒派(林精應監事)、臨済宗建仁寺派(川本博明監事)。

2007/04/26 高幡不動尊金剛寺の『御遺告』が重要文化財に

真言宗智山派別格本山高幡不動尊金剛寺(川澄祐勝貫首)が所蔵する「弘法大師弐拾五箇條御遺告」が先頃、国の重要文化財に指定された。
高幡不動の御遺告は、安和二年(969)年7月5日に暦能という僧が書写した現存最古の写本。奥書の左には「萬寿二年(1025)六月十日於車宿自僧都御口習承巳了 求法沙門覺源」とも記されており、花山天皇第四子で醍醐山第十六代座主、東寺二十八代長者、東大寺別当などを勤めた宮僧正覺源の所持本であったことが判明している。
この御遺告には所有者であった覺源が角筆で仮名や註釈を記載していたこともわかっており、平安時代に遡る最古級の角筆文献として重要な価値を持っている。また本文に附された訓点は覺源が、師の仁海より習承したものであり、当時の師資相承の口伝の実態を知ることのできる文献として、極めて重要であるとの評価も受けている。
高幡不動の所蔵品は、他の写本(巻子本)と異なり法帖仕立となっているのも特徴。御遺告の原初的形態を伝えるものとも考えられており、「宗教史上のみならず、国語学史上極めて重要」(文化庁)であることが、今回改めて確認された。
川澄貫首は御遺告について「真言宗にとって大変重要な価値を持つもの。まさに秘宝中の秘宝といえる」と解説。さらに「文献学や文学史上にとっても非常に重要な価値を持つもの。大事に修復し、しっかりと後世に伝えていきたい」と、保存に向けた決意を語った。

2007/04/26 能登半島地震から1ヶ月 寄進瓦に復興の願い込め

3月25日に発生した能登半島地震から1ヵ月。特に被害の大きかった石川県輪島市門前町では現在も家屋の解体や撤去作業、転倒した家財の片づけなどボランティアスタッフも入りながら続けられている。
回廊や僧堂が傾斜し、瓦や壁が落ちるなど大きな被害を受けた曹洞宗大本山總持寺祖院(長谷川文丈監院)では倒壊の危険がある僧堂に関しては、大本山總持寺が援助しこれを新築することが決まった。また一部を除いて拝観も再開しており、地元住民をはじめ、県外からの信徒やボランティアスタッフらが参拝に訪れている。
回廊には震災直後の境内の様子を伝える写真を展示。そして山門の下には復興を願うメッセージが記された瓦が並ぶ。この瓦は5年前から老朽化した瓦のふき替えのために1枚千円から寄進を呼びかけていたもの。震災後には「がんばれ能登」「祈・復興」という文言が増えたという。
寄進瓦の中には同じく被災から復興を目指す新潟県の旧山古志村からのメッセージも。しかしその多くは地元住民が復興の願いを込めて寄進している。震災後には祖院で修行する雲水らが全国曹洞宗青年会(全曹青)のボランティアスタッフらと共に避難所を周り、非難住民にお茶やお菓子をだし、話しを聞くボランティア活動にも参加。副寺の髙橋仙龍氏は「町の復興が大事」と話している。

2007/05/10 池上本門寺で「いのりんぴっく」開催

日蓮宗東京都南部宗務所が主催、日蓮宗宗務院などが協力し3日、東京・大田区の池上本門寺朗峰会館駐車場で「いのりんぴっく2007」が開かれた。当日は檀信徒を中心に約3千人が参加。イベントを通して世界平和やボランティアなどへの理解を深めた。
「いのりんぴっく」は日蓮宗が中心となり、毎年行っている催し。今年は「立正安国・お題目結縁運動」の実動年にあたることもあり、酒井日慈管長や小松浄慎宗務総長も会場を訪れた。
今回は東京都南部宗務所が自死遺児を支援するために行っているバザーに合わせ開催。近隣寺院や、宗務院から様々なブースが出され、会場は掘り出しものを探す参加者で活況を呈した。

2007/05/10 華厳宗 東大寺別当に上野道善氏が就任

華厳宗は1日、華厳宗管長・第219世東大寺別当に上野道善氏(67)が就任した。前管長(別当)・森本公誠氏の満期退任を受けてのもので任期は3年。
同日は華厳宗宗務所(東大寺寺務所)も新体制が発足。宗務長(執事長)に筒井寛昭、財務部長(財務執事)に平岡昇修、庶務部長(庶務執事)に狹川普文、教学部長(教学執事)に橋村公英の各氏が就任した。
上野氏は昭和14年奈良県天理市生まれ。33年得度。37年龍谷大学仏教学科卒。53年真言院住職。59年から東大寺学園常任理事、華厳宗庶務部長・同財務部長、東大寺庶務執事・同財務執事などを歴任。平成12年に華厳宗宗務長・東大寺執事長に就任した。16年からは大仏殿院主・東大寺学園理事長を兼任。
昨年12月から奈良県教育委員長として教育問題にも携わっている。

2007/05/10 1個人1団体に正力松太郎賞を贈呈

(財)全国青少年教化協議会が主宰する(読売新聞社、日本テレビ放送網、よみうりランド後援)「第31回正力松太郎賞」に藤沢哲真氏(滋賀・浄土真宗本願寺派寶憧寺・85歳)と絵日傘人形劇研究会(亀崎英潤代表、秋田・真宗大谷派廣誓寺・63歳)が選出された。
藤沢氏は終戦直後の社会荒廃を改善したいとの願いから昭和21年に青少年教化活動を開始。男子児童を対象にした「西出少年団」、女子児童を対象にした「仲良しクラブ」などをはじめ様々な催しを実施し、現在も土曜学校を中心に活発な活動を続けている。
絵日傘人形劇研究会は人形を媒体として、子どもたちの心の世界を掘り起こし、耕していきたいという亀崎氏の願いから昭和46年に発足。同48年常設の人形劇場を創設し、現在に至るまで約36年間継続している。
表彰式は5月17日、都内ホテルで挙行された。

2007/05/17 再選を目指して「小泉顕雄氏を励ます会」

7月の参議院選挙を目前に控え、2度目の当選を目指す小泉顕雄参議院議員(京都府南丹市浄土宗教伝寺住職)を励ます会が9日夕、京都市内のホテルで開かれ、同宗僧侶や京都府の政財界関係者ら約450人が集い、小泉議員へ熱いエールを送った。
前浄土宗宗務総長の水谷幸正「小泉顕雄後援会総連合会」会長や伝統教団で小泉議員支援を決めた濱中光礼天台宗宗務総長、小松浄慎日蓮宗宗務総長らが発起人となって開催した。
小泉ブームが去って今回は厳しい選挙が予想されるが、小泉議員は当選後、地元京都や浄土宗内に着々と後援会を組織。今回は前回得票を大幅に上回る票の獲得(一説には30万票)を狙っている。ちなみに3年前04年の参議院選挙で自民党が比例区で獲得した議席は15。15番目の当選者の得票数は15万2630票だった。

2007/05/17 SZI 本願寺派開教使招き講演会

SOTO禅インターナショナル(SZI・福島伸悦会長)は8日、神奈川・鶴見の大本山總持寺で講演会を開催。浄土真宗米国仏教団総長の小杭好臣開教使が「如是願行―私が歩んだ北米開教の道」と題し、北米での活動や曹洞宗開教師の故・鈴木俊隆老師との思い出話などを披露した。修行僧や一般人など約100人が聴講した。

2007/05/17 仏陀生誕を祝い蘭華寺でVESAK祭り

千葉県香取市のスリランカ仏教寺院・蘭華寺(=日本スリランカ仏教センター・バナガラ・ウパティッサ住職)で6日、「VESAK祭り」が開かれた。
VESAKは仏陀の生誕、成道、入寂した5月の満月に開かれる最大の仏教行事。日本では毎年5月の第1日曜日に蘭華寺で開催され、首都圏各地から在日スリランカ人約300が参加。また今年は仏陀生誕2550年を締めくくる行事ということもあり、ランジット・ウヤンコダ駐日大使や日本の仏教界からも千葉省三氏(曹洞宗・峰仙寺住職)ら多数が参加した。
本堂で営まれた法要では本尊に供物が奉げられ「パンチャ・シーラ」(『五戒』を意味する)と呼ばれるお経が唱えられた。参拝者は手を合わせ、五戒を守り、世界平和や家族の幸せが実現することをお祈りした。落慶式後にはスリランカカレーなどが用意され、近隣から訪れた日本人の参加者も交えて交流が持たれた。

2007/05/24 立正佼成会 「青年の日」に合わせ全国で一斉行動

立正佼成会(庭野日鑛会長)は 20日、全国各教会の青少年部員らによる「青年の日2007」を開催。「大志―社会変革の風をおこそう」をテーマに、全国各地で「一食ユニセフ街頭募金」や「チャリティーバザー」、「アフリカへ毛布をおくる運動」、「環境問題への取り組み」などを行った。

2007/05/24 日印交流年祝い品川寺で友好と平和の祈り

インド貿易振興局、真言宗醍醐派別格本山品川寺(住職=仲田順和真言宗醍醐派宗務総長)が共催し19日、東京・品川の品川寺で「日印友好と平和の祈り」が開催された。イベントは2007日印交流年記念イベントとして企画されたもの。当日は青物横丁商店街の関係者や近隣住民、在日インド人などが集い、「インドバザール」や「友好と平和の祈り」などを通じてお互いの友好関係を改めて確認した。
日印交流年を記念するイベントは各地で実施されているが。寺院を会場とするものは稀。しかし今回は「日印友好の象徴である寺院でイベントをやりたい」というインド貿易振興局の要望を受け、仲田総長が自坊・品川寺を会場として提供した。
イベントではインド料理や民芸品、アクセサリーなどのブースを設営。さらに特別プログラムとしてヨーガやインド舞踊の実演、アーユルヴェーダの紹介などが行われた。
当日は時折強い雨に見舞われる悪天候となったが、インド文化に興味を持つ檀信徒や近隣住民が多数来場。特に数十種類のスパイスを使用したインドカレーの人気は高く、多くの来場者がその味に舌鼓を打っていた。
イベントの最後には同寺・本堂において「友好と平和の祈り」を厳修。日本とインドの僧侶が、それぞれの宗教的立場から世界平和を祈願した。

2007/05/24 曹洞宗梅花流 創立55周年迎え記念奉讃大会

創立55周年を迎えた曹洞宗(渕英徳宗務総長)の梅花流詠讃歌は15・16の両日、さいたま新都心のさいたまスーパーアリーナで記念奉讃大会を開催。管長でもある大道晃仙・總持寺貫首と宮崎奕保・永平寺貫首による記念法要や新曲の発表、梅花講員による御詠歌奉詠などが行われた。歌手の谷村新司さんのミニコンサートでは会場もともに熱唱。2日間で1万6千人を超える講員が参加した。

2007/05/31 日中宗懇 中国代表団迎え40周年祝賀会挙行

戦争で途絶えていた日中仏教交流が昭和27年(1952)に再開されてから55周年。中国人俘虜殉難者の遺骨送還事業を淵源とし、昭和42年(1967)に創設された「日中友好宗教者懇話会」(宗懇、小野塚幾澄会長)は同じ創設日の29日、都内のホテルで40周年祝賀会を催した。中国から国家宗教事務局の葉小文局長を団長とする代表団、および学誠法師を団長とする中国仏教協会代表団の16人が来日。国交回復35周年を併せて、さらなる友好を確認しあった。

2007/05/31 真言宗智山派 次期管長に阿倍龍文氏

真言宗智山派の宮坂宥勝管長が辞意を表明したことを受け、その後任候補者を決定する管長候補者推薦会が11日、京都・東山区の総本山智積院で開催された。推薦会では阿部龍文氏(東京・満願寺住職)、小峰正存氏(東京・圓乘院長老)寺田信秀氏(千葉・總持院長老)の3氏を選出。その後、小峰氏と寺田氏が辞退届けを提出したため、阿部氏が事実上の次期管長に決定した。
阿部氏は大正13年4月生まれ。東京・世田谷区満願寺住職。東京西部教区布教師会会長、同教区長(3期)、教区代表会議長、同派責任役員などを歴任。平成2年に集議、同8年に弘教、同9年に宗機顧問に就任した。
宗外では昭和47年以来、保護司として地域に貢献。平成9年からは各山会とともに「弘法大師墨跡聚集刊行会」を組織し、「同聚集」(全7帙)の刊行に当たったことでも知られている。
平成15年に第35回密教教化賞を受賞。宗内でも護持功労賞、社会功労賞などを受賞している。

2007/05/31 大谷派 国宝・板東本を完全複製

真宗大谷派(熊谷宗恵宗務総長)が3年以上かけて製作してきた『教行信証』(坂東本、国宝)の完全複製本が完成し23日、京都市の同派宗務所で公開された。
宗祖親鸞聖人750回遠忌事業の一環で『教行信証』で唯一の親鸞真筆である坂東本が「万が一、被災にあっても後世に伝えられるように」04年1月に着手。日本写真印刷㈱、㈱岡墨光堂が製作にあたり、同派の宗宝宗史蹟保存会(会長=廣瀬杲大谷大名誉教授)が監修して4月末に2部(1部6巻)完成した。
製作にあたっては原本を高性能カメラで撮影。原本と同じ手漉きの和紙を特注し、その上に特別印刷した。紙の裏打ちや紙継ぎ、また紙が繰り抜かれている部分や割れている部分もそのまま再現し、「並べると見分けがつかない」(監修した三木彰円・大谷大専任講師)ほどだという。
複製本を納める四方帙の題箋と桐箱の箱書は大谷暢顕門首が揮毫した。2部のうち1部は完全保管し、1部は研究と展観等に使用するという。製作費は約6千万円。
坂東本については03年7月から04年3月まで修復を実施、一般寺院向けカラー影印本を05年7月に刊行。この他英訳本刊行事業と本刻事業が目下進行中だ。

2007/06/07 東洋大学で豊山声明を披露

東洋大学文学部インド哲学科は2日、東京・白山の井上円了記念館ホールで、平成19年度伝統文化講座「日本古典音楽の源流―専念の響き声明講演」を開催。幽玄な声明の調べが流れる中、「弘法大師御影供」が厳修された。
公演の前には田中文雄・同大講師が豊山声明1000年の歴史を解説。今回の催しについて「平安絵巻の再現ともいえる」などと話した。

2007/06/07 上野道善東大寺第219世別当が晋山

上野道善・東大寺第219世別当(華厳宗管長)の晋山式・晋山披露の祝宴が5月30日、奈良市雑司町の同寺で執り行われ、上野別当が「大仏造営の精神を思い、先人の努力を振り返り、その教訓のもとに報恩謝徳の気持ちを持ちつつ、この重責を全うしたい」と決意を語った。
上野別当は昭和14年生まれ、67歳。龍谷大学仏教学科卒。東大寺執事長などを経て5月1日に就任した。晋山式には奈良県はじめ関西の寺院関係者や信徒など800人が参列した。

2007/06/07 第37回実践布教研修会 永平寺で禅を体験

(財)仏教伝道協会(沼田智秀会長)は5月30日から2泊3日の日程で福井県永平寺町の曹洞宗大本山永平寺で恒例の実践布教研究会を開催した。37回目。超宗派の男僧尼僧や寺族など74人が坐禅や作務、食事作法など禅宗ならではの行持を体験した。同時に現代の寺院が抱える共通問題について語り合い、交流を深めた。
今回は会場が永平寺とあって他宗派の参加者からの人気が高く、修行の様子や坐禅、雲水の修行などに関心を寄せる人が多かった。最高齢は85歳の男性。20代もいたが40代前後多く参加した。テーマは「布教伝道―観世音菩薩に学ぶ」。慈悲の心をもち、姿を変えて一切の人々を救う観世音菩薩のあり方と今日の寺院の状況と重ね合わせて検討する機会になった。

2007/06/14 佐野市・種徳院に「両さん地蔵」安置

老若男女から支持を受けている人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(こち亀)主人公の警察官「両さん」こと両津勘吉の地蔵と、登場人物をあしらった地蔵からなる「こち亀六地蔵」が栃木県佐野市戸奈良町の曹洞宗種徳院(池亀甲山住職)に安置され、地元のちびっ子やファンの参拝で賑わっている。
2年前、こち亀を掲載する週刊ジャンプの発行元、集英社のイベントで企画・制作。暫くは同社玄関に置かれていた。種徳院の外郭団体NPO法人「ZEN」が石材店を紹介したことが機縁となった。4月8日に除幕式が行われた。この様子は『こち亀ゴールド』6月号にレポートされている。その中で作者の秋本治さんは「少年漫画から誕生した『六地蔵』。子供達が、夢、希望を感じてくれたらうれしいです」とメッセージ。
「両さん地蔵」は御影石で約160センチ。太い眉毛が表面に浮き出ており、両さんの特色を表現している。「心願成就」の地蔵。「わしを見ながら自分の眉毛をなぞると願い事がかなうかもしれんぞ」のフレーズが躍る。ほかの5体は約60センチほど。秋本麗子(恋愛成就)中川圭一(商売繁盛)大原大次郎(家内安全)本田速人(交通安全)海パン刑事(無病息災)の両さんを取り巻くキャラクターが並ぶ。
種徳院の池亀善紀副住職は「子どもや子ども連れの家族の参拝が増えました。檀家さんも法事の後に足を運んでいます。これを縁として活気のあるお寺にしたいと思っています」と話している。

2007/06/14 種智院大学 「仏教学部」を「人文学部」に改称

真言宗系の宗門学校である種智院大学(京都・伏見区、頼冨本宏学長)は来年4月から「仏教学部」の学部名を「人文学部」に改称することを決定した。
種智院大学は弘法大師空海が開いた「綜芸種智院」を起源とする大学。「仏教学部」のみの4年制単科大学であり、学部の下には「仏教学科」と「社会福祉学科」が設置されている。
今回の学部名変更は、「仏教学部」では、「社会福祉学科」の存在感が希薄になるとの入試広報上の問題を受けて実施。昨年度から改称に向け文部科学省と事前相談を進め、今年4月9日に正式に届出書類を提出している。
名称変更は学部名のみで、学科名や学位などは変わらないとのこと。同大の関係者は「平成17年の改称(社会福祉学科への改称)の時も受験者数が増えている。今回も学部名の改称により波及効果が見込めるのではないか」との期待感も語っていた。

2007/06/14 BNN新代表に玉川覚祥氏が就任

仏教NGOネットワーク(BNN、茂田真澄事務局長)は8日、横浜の孝道教団(岡野正純統理)で第5回通常総会を開催。代表運営委員の松永然道氏(シャンティ国際ボランティア会<SVA>名誉会長)が長期療養中のため、副代表運営委員の玉川覚祥氏(仏教救援センター<BAC>顧問)が新代表に昇格した。副代表には若林恭英氏(SVA会長)が就いた。任期2年。結成から4年目を迎えたBNNは新体制で出発する。
新代表の玉川氏は「SVAが発足した頃にBACを作り、救援活動に当たってきた。30年ほど前のことで、いわばNGO第1世代。すでに第2、第3世代の方々が育っており、本来ならばそうした方が就くべきだが、今後、微力を尽くし、会発展のための橋渡しをしたい」と世代間の架け橋役を自任した。
3月にSVA会長に就任したばかりの若林副代表は、松永前代表の回復ぶりとメッセージを報告するとともに、「組織外の方とのお付き合いは初めて。いきなり副代表で恐縮している。皆様のご協力を得ながら頑張りたい」と抱負を語った。

2007/06/21 真宗大谷派 熊谷内局の参務4人を入れ替え

真宗大谷派の熊谷宗惠宗務総長は19日、内局改造を実施、参務5人のうち里雄康意参務を除く4人を入れ替えた。05年10月17日以来の大幅改造となる。新たに内局入りしたのは石川正生、杉浦義孝、和田正之、松本好行の宗議会議員4氏。各参務の略歴、担当は次の通り。
▼石川正生氏=1934年1月生まれ、73歳。富山市玉永寺前住職。議員4期目。担当は総務部、内事部、企画室。
▼杉浦義孝氏=1944年11月生まれ、62歳。愛知県豊田市浄覚寺住職。議員4期目。財務長。担当は大谷祖廟、財務部、遠忌本部事務室。
▼里雄康意氏=1949年1月生まれ、58歳。岐阜県海津市緑林寺住職。議員4期目。担当は本廟部、教育部、親鸞仏教センター、教学研究所。
▼和田正之氏=1941年4月生まれ、66歳。岐阜県郡上市照明寺住職。議員2期目。担当は組織部、首都圏教化推進本部。
▼松本好行氏=1951年8月生まれ、55歳。愛知県稲沢市正本寺住職。議員2期目。担当は研修部、出版部、解放運動推進本部。

2007/06/21 豊山仏婦 創立50周年を盛大に祝う

真言宗豊山派仏教婦人会は創立50周年を記念し14日、東京・文京区の椿山荘で記念祝賀会を開催した。全国から約300人の会員が参集。鳥居愼譽管長をはじめ浅井侃雄宗務総長、全日本仏教夫人連盟理事長の島田喜久子氏ら宗派内外から多数の来賓が駆けつけ、創立50周年を祝うと共に、さらなる興隆に期待感が寄せられた。また守山球枝会長が辞意を表明し、新会長に平林宣子氏の就任が承認された。

2007/06/21 浄土宗芸術家協会が「共生」テーマに演奏会

僧侶や寺庭婦人らで構成される浄土宗芸術家協会(顧問=成田有恒大本山増上寺法主)は18日、東京・芝の増上寺光摂殿で演奏会「世界に共生を」を開催。大勢の会員が集まる中、和太鼓、独唱、マンドリン、箏曲、長唄が披露された。
まず、江戸和太鼓集団「胡蝶乱」を主宰する原口正弘氏(東京教区清岸寺住職)が、力強いバチさばきで会場を圧倒。他のメンバーとともに舞台狭しと動き回り、鮮やかな乱れ打ちを見せた。
浄土宗詠唱指導普及委員である荒木憲子氏(東京教区金藏寺寺庭)は、マンドリンの音色に乗せて御詠歌やオペラを独唱。「阿弥陀仏と/申すばかりをつとめにて/浄土の荘厳/見るぞうれしき」(「当麻奥の院の御詠歌」)と浄土宗の真髄を詠い上げた。
日比野俊道氏(千葉教区善勝寺住職、同協会常任理事)が指揮するマンドリンアンサンブルは、「パリの手品師」などの陽気な楽曲を演奏。一方、生田流宮城社大師範の小野富子氏(東京教区善光寺寺庭)は、厳かな箏曲「春の夜」「三宝讃歌」で会場を荘厳した。
最後は西嶋義彦氏(東京教区西念寺老職)の長唄「島の千歳」。張りのある唄声を場内に響かせると万雷の拍手がわき起こった。米寿を迎えた西嶋氏には花束が贈呈された。
本演奏会は東京と京都を中心に隔年毎に開かれている。

2007/06/28 曹洞宗 フランスに海外初の僧堂を開設

曹洞宗(渕英徳宗務総長)は25日、東京・芝の宗務庁に第103回通常宗議会(国安格典議長)を招集。2月議会で方向性が示されていた欧州での僧堂設置が具体化し、今議会に海外僧侶に関する規程制定案が提出された。今年9月中旬をめどにフランスのパリ市郊外にある「禅堂尼苑」に禅堂を開設することも明らかにした。また永平寺・總持寺両大本山で営まれてきた差別戒名物故者追善法要を宗門が主体となって営むことを報告し、渕総長は来年度から実施するとした。

2007/06/28 金戒光明寺法主に高橋弘次氏を推戴

浄土宗大本山金戒光明寺(京都市左京区)の新しい法主を決める同宗の浄土門主・法主推戴委員会(委員長=稲岡康純同宗宗務総長)が20日午後、同市の宗務庁で開かれ、高橋弘次元佛教大学学長が推戴された。就任は7月1日。任期は4年。
同寺の坪井俊映前法主が3月25日に浄土門主に就任したことで法主が空席となっていた。推戴委員会では、高橋氏を候補者に決定し、電話で高橋氏の承諾を得て推戴が決まった。
高橋氏は昭和9年11月生まれ、72歳。自坊は兵庫県尼崎市の願生寺。佛大卒。大谷大学大学院修了。佛大助教授、教授を経て学長を務めた。

2007/06/28 巣鴨・真性寺で「百万遍大念珠供養」

おばあちゃんの原宿として親しまれる東京・巣鴨の真言宗豊山派真性寺(鳥居愼譽住職)で、24日、「百万遍大念珠供養」が営まれた。
「百万遍大念珠供養」は同寺の江戸六地蔵尊の縁日にあたる〝6月24日″に毎年行われる年中行事。その名の通り、直径約9㌢の大玉と約6㌢の小玉を540個、長さ30㍍以上の大きな数珠を念仏しながら回し江戸六地蔵尊を供養し、無病息災を祈願するものとして親しまれている。
今年はあいにくの雨模様だったが、会場には200人を越える参詣者。はじめに鳥居住職を導師に江戸六地蔵尊前で法要を厳修し、次いで大念珠の輪の中心に鳥居住職が座し、お念仏が響く中、ご供養が始まった。
「ナムアミダブツ」にあわせ数珠を上下にゆらし、一珠一珠ゆっくり回すが、中でも房の部分は特に有り難いとされ、参加者は房が回ってくると頭や顔や足などに充てていく。
大念珠を回すうちになぜかみな笑顔を浮べ、あちらこちらから笑い声があがり、会場は賑やかな雰囲気となった。
約30分のお念仏で大念珠が2周りし供養を終えると「楽しかった」「房を2回も触れた」との声。近隣から毎年参加しているという80代の女性は「元気をもらってまた来年も」と晴れやかな様子だった。

2007/07/05 全日仏教化セミナーでヤンキー先生が講演

全日本仏教会(安原晃理事長)は6月27日、東京・千代田の御茶ノ水セントラルビルで教化セミナー「いま、こどもたちがあぶないPART3―検証『子は親の背中を見て育つ』」を開催。ヤンキー先生こと義家弘介氏(前・内閣官房教育再生会議担当室室長)が講師となり、教育再生をテーマに講演した。
義家氏は「体・徳の原形は教育で保障しなくてはいけない。知は大人になってからでも取り戻せる」と述べ、子どもの成長に合わせて「体・徳・知」が教育の根幹となると訴えた。
また後半では家庭での子育てや地域教育をテーマに義家氏と神仁氏(全国青少年教化協議会)が対談。義家氏は寺院や宗教者に対し「地域教育を支える核・担い手として支えて欲しい」と呼びかけた。

2007/07/05 京都光華高校が関西大と協定締結

真宗大谷派の宗門関係校・京都光華高校(四條文子校長、京都市右京区)は29日、関西大学(河田悌一学長、大阪府吹田市)と「高大接続パイロット協定」を締結、これまで以上に関大への入学枠を確保し、結びつきを強めることになった。
同協定は、高校側が一定数の優秀な生徒を推薦し、在学中に大学が提供するプログラムを行い、大学側が達成度を見て入学を決めるというもの。
今回の協定では、京都光華高校の推薦のみで10月に入学者を内定。その後英語と文章作成の能力をみるプログラムを5週間実施し、12月段階で合格を決定。決定後も2月中旬から5週間のプログラムを実施して大学教育に備えるというもの。
これまでの指定校制度で関大へは今年も6人を送り出しているが、今回の協定で毎年10人の入学枠を確保した。同校では特進コースから推薦することにしている。
この日は同校で四條校長と河田学長が協定書にサイン。四條校長は「学校側としては大変喜んでいる。特進コースの中心が関大へという流れができると思う」と話した。
近年進学面にも力を入れる同校にとって難関私大、関西大との協定は学校の付加価値を一層高めることになりそうだ。

2007/07/05 「世界人類平和之塔」の建立構想を発表

第28回韓日・日韓仏教文化交流大会が6月26日~28日までの期間、韓国の名刹、海印寺(世界遺産)を主会場に開催された。今回は日韓仏教交流協議会(会長=宮林昭彦・浄土宗大本山光明寺法主)、韓日仏教文化交流協議会(会長=李智冠・曹渓宗總務院長)の双方から約350人が参加。学術セミナーや法要を通して両国仏教徒の友好が改めて確認された。また大会では2年後の第30回大会に向け、「世界人類平和之塔(仮称)」を建立する構想を発表。韓国側からも「異体同心で進めたい」との高い関心が示された。

2007/07/12 3市仏中心に長崎県仏教連合会発足

長崎県仏教連合会の結成式が2日、長崎市内のホテルで開かれた。初代会長には長崎市仏教連合会会長でもある一月正人氏(真言宗霊雲寺派清水寺住職)が決まった。
県仏結成はかねてから模索されていたが、数年前から具体的に準備されてきた。全日本仏教会(全日仏)も現地に赴いて結成を側面支援。長崎市仏を中心に佐世保市、島原市仏教会などにも働きかけてきた。3年前に「県仏」に準じた形で「長崎仏教連合会」として全日仏加盟が承認された。
長崎市(83カ寺)、佐世保市(56カ寺)、島原市(20カ寺)の3市仏が発起団体となって協議を重ねてきた。そして旧称・組織を発展的に解消し、今回の「長崎県仏教連合会」結成にいたった。

2007/07/12 築地本願寺で節談説教布教大会

東京・築地本願寺で3日、「節談説教布教大会」(節談説教研究会=浅井成海会長=主催)が2500人の聴聞者を集め盛大に開催された。説教研究の第一人者である関山和夫・佛教大学名誉教授と、現代を代表する8人の名説教師が宗派の垣根を越えて集結。ここに真宗伝統の節談説教が復活した。
節談説教は真宗独自の布教方法。「歌うがごとく語るがごとく」といわれる独特の節付けで、聴聞者の情念に訴えるのを最大の特徴とする。しかし明治以後、前近代的であるとされ衰退。断絶の危機に瀕していた。
節談説教の復興に尽力してきた関山氏は解説で、学問のみに偏る現代の仏教界のあり方を強く批判。仏教の伝播に説教が果してきた役割を強調し、「仏教における情念の復権」を高らかに宣言した。

2007/07/12 来年10月にフィリピンでACRP大会

世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(庭野日鑛理事長)は6日、東京・新宿区内の解脱会本部で平成18年度事業報告や人事案等を審議する理事会・評議評議員会を開いた。4月1日付けで事務総長に就任した宮本けいし氏(妙智會教団理事長)の最初の理評議ともなった。
人事案では、理事では青山佑次氏(解脱会常任理事)が退任し、岡野英夫氏(解脱会理事長)が新任。評議員では、青年部会幹事長が交替したのをうけて、三宅道人氏(金光教常盤台教会副教会長)が退き、松本貢一氏(立正佼成会青年本部長)が就いた。
報告事項では、5月にフィリピンで行われたACRP(アジア宗教者平和会議)執行委員会の内容が報告された。インドネシアでのジョグジャカルタ大会(02年)以来となる第7回ACRP大会は来年(08年)10月17日から21日までフィリピンのマニラ市内で開かれる。本会議に先立ち、同10月14・15日に青年事前会議、同15・16日に女性事前会議が行われる。
大会テーマは「アジアにおける平和の創造」(仮訳)。これにサブテーマとして①共有される安全保障・紛争解決による平和の創造、②人間の権利及び平和教育による平和の創造、③共有される価値及び共同体の強化を通しての平和の創造、④持続可能な開発及び社会正義を通した平和の創造、⑤癒し及び未来建設を通した平和の創造―が設定された。

2007/07/19 幼児教育の大切さをスリランカ僧が説法

東京・中野区の曹洞宗保善寺(上村映雄住職)は15日、恒例のお盆法要にあたり、日本留学体験を持つスリランカの僧侶バンダギリエ・ソーマワンサ師(51)を迎えて特別講演会を催した。
ソーマワンサ師は「どうしたら幸せになれるか」をテーマに、出会いの大切さから説き起こした。「お釈迦さまによると、悟るために一番重要なポイントが出会いです。こうして出会えて嬉しいです」と流ちょうな日本語と穏やかな表情で話し出した。

地球温暖化防止に向けWCRPが緊急提言

(財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(庭野日鑛理事長)は17日、「地球温暖化防止に関する宗教者からの緊急提言」を発表。参院選さなかの各政党および関連団体に提出する。
提言は約600字からなり、地球温暖化の理由に「人類の果てなき欲望の追求がもたらした」と人間の責任を指摘。さらに『京都議定書』の数値目標を、たとえ今100%実現できたとしても、地球温暖化の進行を止めることはできず、可及的速やかに温暖化ガスの排出を80%削減できなければ、地球温暖化がもたらす悪影響は、2050年の時点で29・4億人を死に直面させるであろうとの報告さえある」と緊急性を明示。そして生活態度の改善や取り組みの呼びかけといった宗教者の取り組みを表明しつつ、各政党に対し「今後の国政運営にあたり、『地球温暖化防止に対する取り組み』を特に優先政策として取り扱っていただくよう要請する」としている。
日本委では、環境・開発委員会委員を中心に各政党や関連団体を訪れ、提言を提出する予定。

2007/07/19 新潟県中越沖地震 お盆控え寺院被害深刻

16日午前10時13分ごろ、新潟県上中越沖を震源とする新潟県中越沖地震が発生した。新潟県長岡市、柏崎市、刈羽村、長野県飯綱町では震度6強を記録、各地に甚大な被害をもたらした。宗派を問わず数多くの寺院が点在する新潟県柏崎市の中心部では、本堂などの全半壊が相次いだ。盆行事を控えた矢先の被災。復興のめどはまったく立たず、悲鳴にも似た声が上がっている。

2007/07/26 菩薩行研究所が正式スタート

法華宗(本門流)が設立準備を進めていた「法華宗菩薩行研究所」(所長=原井慈鳳宗務総長)が6月18日、正式にスタートした。研究所は環境汚染やいじめ、生命倫理などの今日的課題に対し、宗教者の視点からアプローチするというもの。開所式では有原日龍管長が奉告法要を厳修し、「菩薩行研究所から法華宗の正しい教えの実践を今の世に伝えてほしい」と期待を示した。
「法華宗菩薩行研究所」は第59次定期宗会(昨年5月開催)で承認された「宗祖・開基・先師聖人報恩奉賛会」の一事業として計画された組織。規程によると「法華宗(本門流)教義の現代的意義を解明し、時代に適応する菩薩行の実践(信心・奉仕・布施)に寄与する」ことが活動の目的となっている。
原井総長の話では同研究所は「共に悩み、共に努力する」という菩薩行の実践を重視するとのこと。活動では「環境破壊の問題」、「犯罪被害者の人権問題」、「教育改革の問題」など、宗教者から見て違和感を覚えるさまざまな課題について、積極的に警鐘を鳴らしていきたいとしている。
また「教学を現代にどのようにあてはめるか」ということも同研究所の主なテーマ。研究項目の中には「現代における冠婚葬祭の儀式に関する調査研究及び活動」といったものもあり、「時代に即した魅力ある(仏教的な)冠婚葬祭を模索する」という企画型の取り組みも進められるようだ。
研究所のメンバーは以下の通り。所員5人は原井内局の各部長が務める(敬称略)。
▽所長=原井慈鳳(宗務総長)▽所員=桃井晋城(教学部長)、杉村眞宏(教化部長)、矢吹慈英(庶務部長)、加藤信淨(財務部長)▽研究員=斎藤舜駘、日種崇人、相澤一龍、飯田行心、中村妙心

2007/07/26 全生庵で山岡鉄舟120回忌

東京・谷中の臨済宗国泰寺派全生庵(平井正修住職)で19日、鉄舟忌が営まれた。鉄舟忌は全生庵開基・山岡鉄舟(1836―1888)の命日にあわせた恒例行事。今年は120年という節目の年忌法要ということから臨済宗国泰寺派の澤大道管長、鉄舟ゆかりの西郷隆盛の曾孫・西郷隆文氏の来賓などが参列。檀信徒とあわせて約120人が集った。

2007/07/26 各山会 密教教化賞に5氏が決定

真言宗各派総大本山会(各山会、島秀隆代表総務)は19日、京都市の智積院で常任委員会を開き、密教の宣布昂揚に顕著な功績のあった者を表彰する第39回密教教化賞の受賞者を決めた。受賞したのは服部善教(大覚寺推薦)、田中量賢(豊山派推薦)、吉田宏晢(智積院推薦)、福井英昭(根来寺推薦)、密門光範(金剛峯寺推薦)の5氏。表彰式は10月29日、和歌山県岩出市の根来寺で執り行われる。

2007/08/02 立正佼成会が被災4自治体に2700万円の支援

新潟県中越沖地震被害に対し立正佼成会一食平和基金(委員長=川端健之外務部長)は30日までに、災害見舞金として4市町村に総額2700万円の支出を決定した。
柏崎市2000万円、長岡市300万円、出雲崎村100万円、刈羽村300万円。8月1日、本村和則新潟教区長と、被災地を包括する二平貴代柏崎教会長も田村樹男長岡京会長により、各市町村へ手渡される。見舞金は災害復興支援の一部にあてられる。

2007/08/02 13年費やし「大蔵経データベース化」が完成

大蔵経テキストデータベース研究会(SAT、代表=下田正宏東京大学教授)と大蔵経データベース化支援募金会(奈良康明事務局長)が共催し7月30日、都内ホテルで「大蔵経データベース化完成記念大会」が開催された。データベース制作は故江島恵教氏(東京大学教授)によって始められた事業。一連の活動により『大正新脩大蔵経』(全百巻)の内、図像部を除く85巻のデータベース化が完成した。当日は研究者を中心に約130人が参加。大会を通して13年にわたる偉業達成を祝した。

2007/08/02 参院選 全日仏推薦候補13人が当選

(財)全日本仏教会(全日仏、安原晃理事長)は今回の参院選で加盟団体からの申請を受けて20人を推薦し、投票の結果13人が当選した。
政党別では自民党10人(当選5人)、民主党8人(同7人)、国民新党2人(同1人)を推薦していた。

2007/08/09 有志僧侶が「法華塾」を結成

「真の仏道を求めるものが集い、共に学び合う場を提供したい」との願いから、日蓮宗の僧侶有志が、「法華塾」(代表=田端義宏前伝道部長)を結成した。法華塾は宗門の教育機関だけではカバーできない人材育成や法器養成を、独自のアプローチから行おうというもの。法器養成に力を入れる酒井日慈管長(法華塾顧問)の思いに共感した有志僧侶が設立を計画し、昨年夏から具体化に向けた意見交換を進めていた。
「目覚めよ!仏子たち」というキャッチコピーにあるとおり、同塾では技能習得だけでなく、自己啓発や自己改革といった側面にも力を入れているのが特徴。研修中には講義や唱題行だけでなく、KJ法(創造性開発の技法)を発展させた法華塾独自の「お目覚めタイム」というワークショップも行われる。(9-16合併号)

2007/08/09 「ただなりきって生きる」ことの重要さ説く

臨済宗妙心寺派の東京禅センターと正眼短期大学の共催による「正眼短期大学・東京セミナー」が5日、世田谷区の龍雲寺本堂で開催された。講師は、山川宗玄氏(正眼短期大学学長)と横山紘一氏(立教大学名誉教授)。約100人が集まる中、「仏教の言語観」や『臨済録』を題材に、「ただなりきって生きる」ことの重要さを語った。
山川氏は「〝一人ひとりがキラキラ輝いている〟ということを教えられたのが臨済禅師」として、『臨済録』を解説。臨済禅師(?~866)の修行中の逸話などから、「苦しいときには苦しみになりきってしまうことが大切」と説いた。 横山氏は、仏教における言葉の意味を講義。唯識の理論にふれつつ、「言葉は人を束縛し迷わすものだが、悟りに到る道しるべでもあります」と説明した。(9-16合併号)

2007/08/09 比叡山宗教サミット20周年祝い「平和の祈りの集い」開催

1987年8月の「比叡山宗教サミット」から20周年を迎え、「世界宗教者平和の祈りの集い」(主催・日本宗教代表者会議)が3・4日の2日間、京都市の国立京都国際会館と大津市の延暦寺で開催された。海外16カ国の宗教指導者23人を招き、日本の宗教指導者らを含め2000人が参加し、「和解と協力―宗教・民族・国境を超えて」をテーマに話し合い、また「平和の鐘」を鳴らして共に祈りを捧げた。20周年の節目にあたり「比叡山メッセージ2007」も発表。《われわれは愛と慈悲に基づく「和解と許し」によってこそ、初めて平和がもたらされることを強く確信する》と、平和への願いを世界へ発信した。(9-16合併号)

2007/08/23 立正佼成会 戦争犠牲者慰霊で「合掌」の尊さ説く

立正佼成会は終戦記念日の15日午前、東京・杉並区の大聖堂で「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典を行った。都内を中心に2千人が参拝。ご宝前に供物を献じる奉献の儀、東京教区の男女高校生で行われた。
当日は庭野日鑛会長が回向文を奏上。宮沢賢治の「世界ぜんたいが幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」という言葉を紹介し、「これこそ仏教の平和観、法華経の精神」とした。
さらに米ソの対立が深まったとき庭野日敬開祖が国連で「危険をおかしてまで武装するよりも、平和のために危険をおかすべきだ」とした演説を改めて提示し、平和にむけての精進を呼びかけた。

2007/08/23徳恩寺が寿町で物故者無縁供養

日雇労働者が集住する横浜市中区の寿町で15日昼、カレーの炊き出しと「物故者無縁供養」が行われた。同市青葉区の高野山真言宗徳恩寺(鹿野融完住職)が30年にわたって続けている恒例行事で、今年も檀信徒を中心に約30人が参加。住民らとの楽しいひとときを過ごした。
会場は寿労働センター前の広場。整然と並んだ人々に手際よくカレーが盛られていくと、朝から準備した千人分はたちまち完食となった。「寿町供養塔」前での法要にも大勢が参列。この街で亡くなった先人を偲んだ。

2007/08/23 今年も千鳥ヶ淵墓苑で戦没者慰霊法要

日蓮宗(小松浄慎宗務総長)は15日午前9時から、東京・九段の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「千鳥ヶ淵戦没者追善供養並びに世界平和祈願法要」を厳修した、法要は昭和34年の墓苑開設以来、毎年行われている慰霊行事。48回目となる今年も僧侶や遺族など多数が参列し、国内外で犠牲となった数多くの戦没者を供養した。
法要は昨年に引き続き小松総長が大導師を務め厳修。当日は、東京四管区声明師会、東京四管区修法師会のメンバーなども出仕し、六角堂内に納められた陶棺に向かい、散華や修法を営んだ。
15日は記録的な猛暑となったが、小松内局の各部長や法華一乗会の武見敬三事務局長(前厚生労働副大臣)なども参列。法要を通して戦争犠牲者に対する追悼の誠を示した。
また、法要後には日本山妙法寺の僧侶が唱題行脚を実施。団扇太鼓の音色と共に、戦争反対を訴えた。

2007/08/30 大正大学が人間科学学科に2専攻を開設

東京・西巣鴨の大正大学(小峰彌彦学長)は2008年4月から、人間学部人間学科に、「人間科学専攻」と「教育人間学専攻」を開設する。
大正大学は旧制大学時代に教員養成を目的とした高等師範科を持っていたが、昭和24年に新制大学としてスタートする際に、資金難などの問題から、それを廃止した歴史を持っている。今回の「教育人間学専攻」の動きは、それを回復しようというもの。「人間科学専攻」と共に、大正大学の「原点に戻る」という強いメッセージが込められている。
「人間科学専攻」は「人生」「生活」「生きがい」といった側面から人間を多角的に探求するという目的で開設。専攻では心理・身体・社会関係に重点を置く「人間発達プログラム」と、家族・学校・食名に重点を置く「現代社会プログラム」、教育・地域・社会貢献を探求する「NCCプログラム」などを展開する。
「教育人間学専攻」は、同大で長い伝統を持っている「宗教学」や「哲学」と、「教育サポーター」制度などで培った実践的な教育学を融合させたもの。同専攻では教育を通じ、学校教員はもとより、教育産業界で活躍できる人材の育成を目指す。
同大の関係者は「伝統的な教育に新たな付加価値を加えることで、教員達にも元気が出てくるのではないか」とコメント。
「大正大学の根っこを明らかにし、新たな魅力を打ち出すことが受験者の増加に繋がれば」と開設の狙いを語っていた。
「人間科学専攻」の定員は昼間主コース75人。夜間主コースが30人。「教育人間学専攻」の定員は昼間主コース75人。夜間主コースが10人となっている。

2007/08/30 曹洞宗 有道会が2議員を除名

曹洞宗の大本山永平寺系宗政会派である有道会(会長=渕英徳宗務総長)は27日、東京・芝の檀信徒会館で議員総会を開き、故大竹明彦会長時代の会計担当2議員に対し、不正な経理処理をしていたとして除名処分とした。執行部側は「けじめ」を強調しつつ、今回の処分が「今後の有道会に支障を来すことはない」と会派運営への影響は否定した。

2007/08/30 全日本仏教会が財団創立50周年式典を挙行

財団創立50周年を迎えた財全日本仏教会(全日仏、大道晃仙会長、安原晃理事長)は23日、東京・芝公園の浄土宗大本山増上寺と隣接する東京プリンスホテルで記念式典と祝宴を開催。加盟教団の管長や宗務総長、内局、本山貫首など日本仏教界の代表が一堂に会しすると共に、WFB(世界仏教徒会議)執行役員会が開かれたこともあって各国代表も参列した。50周年を期して池田行信事務総長が仏教徒としての自覚や宗派間の絆の強化、世界の仏教徒との提携促進などを謳った「決意表明」を宣言し、新たな一歩を踏み出した。

2007/09/06 内山愚童テーマにした人権啓発ビデオを制作

曹洞宗人権擁護推進本部では、大逆事件に連座して死刑となった宗門僧侶僧、内山愚童(1874~1911)をテーマにした人権啓発ビデオを制作する。制作を担当するのは都内にある㈱日テレアックスオンで、8月上旬のコンペで決定した。
ビデオのタイトルは「われらも仏種を植えん―内山愚童師に学ぶ」。曹洞宗では平成8年に最初の人権啓発ビデオ『身元調査、その実態を問う』を制作し、今度が10作目。約45分ほど平成19年度内の完成を目指す。

2007/09/06 落語の祖・安楽庵策伝の生涯を探る

独立行政法人日本芸術文化振興会は1日、東京・千代田区の国立劇場伝統情報館で第4回芸能サロンを開催した。今回は「落語の祖・安楽庵策伝」がテーマ。会場には大勢の落語ファンが集い、「稀世の話上手」と讃えられた策伝の作品を改めて楽しんだ。
当日はまず、佛教大学名誉教授の関山和夫氏が講演。最新の研究動向を交えつつ、軽妙な語り口で安楽庵策伝(浄土宗西山深草派法主、1554―1642)の生涯を振り返った。
講演後には落語家の林家正雀師匠が『醒睡笑』中に書かれた古典的な作品を披露。後半では新作落語なども発表し、会場のファンを涌かせた。

2007/09/06 WFBに3カ国の仏教センターが新たに加盟

世界仏教徒連盟(WFB)の執行役員会議が先月22・23の両日、都内で開かれた。パン・ワナメッテイ会長(タイ)はじめ各国代表とともに、全日本仏教会(全日仏)からはWFB副会長の松濤弘道氏(国際交流審議会委員長)とWFB執行委員の戸松義晴氏(同委員)ら24人が出席した。
議事では、オーストラリアと韓国、シンガポールの仏教センターの加盟が認められた。また5年以上会費未納のセンターをリストから外すことも検討された。来年の日本大会での総会に諮られる予定。
来年の日本大会では、第24回世界仏教徒会議(WFB)、第15回世界青年仏教徒会議(WFBY)、第7回世界仏教徒大学会議(WBU)の3会議が組まれ、それぞれ並行して進められる。会期は11月14日から17日まで、浅草ビューホテルと浅草寺が主会場となる。

2007/09/13 平和に向けた宗教者の役割を再考

庭野平和財団(総裁=庭野日鑛・立正佼成会会長)は6日、東京・六本木の国際文化会館で、平和をめぐる宗教の役割について考えるシンポジウム「Religions for Peace?」を開催。キリスト教、イスラム教、仏教など、それぞれの国を代表する宗教指導者が一堂に会し、忌憚のない意見を述べ合った。

2007/09/13 浄土宗 北米開教区訴訟の弁護士費用を増額

浄土宗(稲岡康純宗務総長)の第91次定期宗議会(神谷英敏議長)が6日から8日まで京都市の宗務庁で開かれ、平成18年度の一般・特別会計決算案の他、北米開教区訴訟の弁護士費用を3700万円増額する19年度一般会計補正予算案、新潟県中越沖地震による被災寺院復興支援の実施計画案など14議案を可決した。公金不正流用事件に関連する議案は今回はなかった。

2007/09/13 平仏集が9・11の7回忌法要を厳修

平和を学び考え願う仏教者の集い(平仏集!)は10日、東京・中央区の築地本願寺で「9・117回忌法要とPEACE TALK」を開催した。9・11の犠牲者、そしてその後の紛争犠牲者を追悼。法要後には姜尚中氏(東京大学教授)と森達也氏(映画監督)が「終わらない戦争の世紀」をテーマに対談した。会場には200人を越える人が集った。

2007/09/20 本願寺派臨宗 61年ぶりに「宗制」改正へ

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)は第284回臨時宗会(木下慶心議長)を京都市の宗務所に招集した。不二川総局は、同派の教義・本尊・聖教等を定めた「宗制」変更案を提出、議会での審議に入った。改正されれば現行「宗制」を制定した昭和21年以来61年ぶりとなる。

2007/09/20 浄土宗 第1回「共生・地域文化大賞」が決定

浄土宗(稲岡康純宗務総長)が創設した第1回「共生・地域文化大賞」の二次選考と受賞団体発表が10日、京都市で行われた。選考の結果、大賞には神戸市で定住外国人の生活支援を行うNPO法人「神戸定住外国人支援センター」(金宣吉理事長)が選ばれ、坪井俊映門主から賞状と活動奨励金200万円が贈られた。この他、優秀賞3団体・共生賞3団体も決まった。

2007/09/20 歴史学研究の第一人者、笠原一男氏を偲ぶ

歴史学のあらゆる分野に巨大な足跡を残し、昨年8月90歳で逝去した笠原一男氏(東京大学名誉教授)。その業績と人柄を偲ぶ会が15日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で営まれた。発起人の大隅和雄氏(東京女子大学名誉教授)中尾堯氏(立正大学名誉教授)菅原昭英氏(東京大学史料編纂所名誉教授)ら、日本を代表する研究者が出席。それぞれが蒙った学恩を語り合った。
笠原氏は東京帝国大学を卒業後、同大史料編纂所助教授などを経て同大教授に就任。真宗史研究や『立正佼成会史』編纂をはじめ、幅広い研究領域で活躍した。大学を問わず多くの学徒を受け入れ、すぐれた研究者を育成したことでも知られる。

2007/09/27 ローマ字版パーリ三蔵経を駒大などに寄贈

タイのダンマソサエティ財団が編纂した「第6結集ローマ字版国際パーリ三蔵経」(40冊)が日本テーラワーダ仏教協会と駒澤大学に寄贈され、15日、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで歓迎式典を執り行われた。日本テーラワーダ仏教会主催。
ローマ字版国際パーリ三蔵経はタイ王室とタイ仏教界の後援のもと、ダンマソサエティ財団が仏紀2500年(1956年)にミャンマーで行われた第6結集のビルマ版三蔵経を底本に、数カ国の様々な版のパーリ三蔵経を調べなおし完成させたパーリ三蔵経典。
同財団は世界中の関係団体にパーリ三蔵経典を寄贈をしており、日本テーラワーダ仏教協会には今年4月、そして今回の歓迎式典では駒澤大学へ寄贈した。来年以降、このほかの日本の仏教系大学にも寄贈されることになっている。

2007/09/27 T・M良薬センターがカンボジアに学校を建設

日蓮宗僧侶を中心としたNPO法人「T・M良薬センター」(前橋市、小野文珖理事長)は、学校建設の調印式に臨むため9月10日から14日までカンボジアを訪問した。同時に同センターと日蓮宗の青年組織の協力により川崎市内の放置自転車250台を柱とした家電や古着の贈呈式も行われた。
同センターはミャンマーやカンボジア、ベトナムなどで学校建設や保健・医療などの分野で支援活動を展開しているが、カンボジアでの学校建設は今回が初めて。

2007/09/27 日蓮聖人降誕800年に向け宗門運動発願大会を挙行

日蓮宗(小松浄慎宗務総長)は10・11日の両日、山梨・身延町の総本山身延山久遠寺(内野日総法主)で「立正安国・お題目結縁運動」発願大会を開催した。大会には教区長や宗会議員、全国檀信徒協議会の代表など約400人が参集。初日の初願法要では、小松総長が発願文を読み上げ、「宗門運動の宗旨徹底によりて、祖願たる立正安国の大願を継承しお題目結縁の本願を顕現せん」との決意を改めて示した。

2007/10/04 真言宗豊山派が「支所宗務検討委員会」を廃止

真言宗豊山派(浅井侃雄宗務総長)の第117次宗会通常会(伊久間正雄議長)が9月27、28の両日、東京・大塚の宗務所で開かれ、今年度補正予算をはじめとする計10議案が可決・承認された。懸案だった「宗務支所宗務検討委員会」の廃止も決まったが、議員の一人からは「時期尚早」だとして反対意見が出された。

2007/10/04 曹洞宗 フランスに初の海外僧堂を開単

フランスに宗立専門僧堂の設置を準備していた曹洞宗(渕英徳宗務総長)は9月15日、所管の乙川暎元教学部長はじめ庁内職員、両大本山僧堂および愛知専門尼僧堂、可睡斎専門僧堂、総合研究センターの代表らが訪仏して開単式を執り行った。掛搭僧は11人(尼僧2人)。初の海外僧堂でもあり、今後の国際布教や人材養成の新機軸となりそうだ。

2007/10/04 ミャンマー問題の平和的解決求め宗教者が要請行動

僧侶や市民による反政府デモに対し治安部隊を出動させ武力弾圧にでたミャンマー政府。9月27日には邦人ジャーナリストの長井健司さんが撃たれ死亡するという事態にまで発展した。また複数の僧院に踏み込み僧侶を拘束するなどして軍事政権は沈静化を図ろうとしている。これに対して日本の仏教界・宗教界からは抗議の声明や行動が各地で相次ぎ、平和的解決を要請。東京・品川のミャンマー大使館前でも抗議行動が行われた。
ミャンマー大使館前での抗議行動は9月28日に実施。宗教者や在日ミャンマー人などが集い、武力弾圧の停止と、拘束された市民の即時開放を求める要請書を提出した。

2007/10/11 日中宗教者懇話会新会長に持田日勇氏が就任

今年5月に創設40周年を祝した日中宗教者懇話会(宗懇)は4日、都内のホテルで総会を開催。役員改選では2期6年にわたり会長を務めた小野塚幾澄氏(真言宗豊山派金乗院)が任満により退任。新会長に理事長の持田日勇氏(日蓮宗藻原寺)が就任。小野塚氏は名誉会長となった。後任理事長には事務局長の山田俊和氏(天台宗中尊寺)が昇格した。

2007/10/11 カースト制度の本質を考えるシンポジウムを開催

(財)国際仏教興隆協会は5日、東京・港区の青山文化村(梅窓院・祖師堂)で、第3回連続シンポジウム「インドは、どこに行くのか―インドは、果たしてカースト社会か」を開催した。講師は臼田雅之氏(東海大学教授)。約50人が聴講し、カーストが中世的な制度であることや、イギリスの植民地政策によって温存されたことなどについて学んだ。

2007/10/11 宗祖法然上人800回遠忌東京大会を開く

4年後(平成23年)に迫った「宗祖法然上人800回大遠忌」。その記念事業の一つとなる大会が4日、東京・芝の増上寺で開催された。テーマは「法然上人と今、すべてのいのち」。浄土宗西山禅林寺派(鬼頭誠英宗務総長)が主催した。大殿には約500人の檀信徒が参集。記念特別法要や法話、創作琵琶『法然上人物語』で宗祖の遺徳を偲んだ。
法話は、近藤玄城氏(名古屋市櫻誓願寺住職)と中西玄禮氏(姫路市大覚寺住職)が行なった。

2007/10/18 坪井俊映浄土門主・総本山知恩院門跡が晋山

今年3月25日に上任した坪井俊映浄土門主・総本山知恩院門跡の晋山奉告法要が11日、京都市の同院御影堂で営まれ、宗内外から約1000人が参列。坪井門主は「八百年大遠忌を前にして法然上人の存在価値と念仏による安堵せる生活について巡教によってひろく大衆に説きあかしたい」と決意を新たにした。

2007/10/18 日蒙僧侶が出仕し「元寇」戦没者慰霊祭

神奈川県鎌倉市の臨済宗大本山円覚寺(足立大進管長)で12日、モンゴル・ハラホリン市のエルデネ・ゾー寺院のハンドスレン・バーサスレン住職ら3人の僧侶が訪問。初となる「元寇」戦没者合同慰霊祭が営まれた。
慰霊祭は初めにモンゴル人僧侶3人が読経。その後、足立管長が香語を唱え、読経をあげて元寇戦没者を供養した。
鎌倉市とハラホリン市は800年前の同時期に当時の首都が置かれた地。この2都市間での姉妹都市提携を目指し、交流事業が行われている。今回の慰霊祭もこうした事業の一環であり、元寇の殉教者を敵味方の区別なく弔うために建立された円覚寺で執り行われた。

2007/10/18 第3回GNRCフォーラムに向け国連事務総長を表敬訪問

来年5月、広島での第3回GNRC(子どものための宗教者ネットワーク)フォーラム開催に向けて、主催団体であるありがとう基金の宮本けいし代表(妙智會教団理事長)は今月2日から7日まで米国ニューヨークを訪れ、国連機関の代表とフォーラムについて意見交換と出席を要請した。
3日午後には潘基文(バン・ギブン)国連事務総長を表敬訪問。宮本代表はGNRCと国連機関のパートナーシップにより、子どもたちをめぐる環境改善が図られていることなど活動について報告した。そして潘事務総長に来年5月24日のフォーラム開会式への出席を要請した。

2007/10/25 真宗大谷派 竹中彰元氏を復権・顕彰

日中戦争最中の昭和12年「戦争は罪悪である」などと発言し、流言飛語罪で国の有罪判決を受け、宗門からも「軽停班3年」・布教師資格剥奪の処分を受けた真宗大谷派僧侶・竹中彰元氏(岐阜県垂井町明泉寺元住職)の復権顕彰大会が19日午後、同寺で執り行われた。熊谷宗惠宗務総長は処分を「宗派が犯した大きな過ち」として処分の取り消しを発表し、「師の念仏者としての歩みを顕彰し(略)今生きる私たち一人ひとりの歩みを確かめる取り組みをすすめてまいります」との宗派声明を発表した。

2007/10/25 真言宗智山派 阿部龍文管長が晋山

日中戦争最中の昭和12年「戦争は罪悪である」などと発言し、流言飛語罪で国の有罪判決を受け、宗門からも「軽停班3年」・布教師資格剥奪の処分を受けた真宗大谷派僧侶・竹中彰元氏(岐阜県垂井町明泉寺元住職)の復権顕彰大会が19日午後、同寺で執り行われた。熊谷宗惠宗務総長は処分を「宗派が犯した大きな過ち」として処分の取り消しを発表し、「師の念仏者としての歩みを顕彰し(略)今生きる私たち一人ひとりの歩みを確かめる取り組みをすすめてまいります」との宗派声明を発表した。

2007/10/25 「自殺」テーマに社会参加型仏教の可能性を探る

自殺問題を通じて日本におけるエンゲージドブディズム(社会と関わる仏教)の可能性を探ろうと22日、横浜の孝道教団(岡野正純統理)を会場に「自殺問題について考えるシンポジウム」が、独自の自殺対策を実践している僧侶を迎えて開かれた。僧侶や教団研究機関、研究者など僧俗160人が認識を深めた。主催は孝道教団の外郭組織・(財)国際仏教交流センター。(財)全国青少年教化会議(全青協)が共催。

2007/11/01 「いつ決めたのか」参院選宗門支援で異議

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)の第285回定期宗会(木下慶心議長)が10月23日から30日まで京都市の宗務所で開かれた。一般質問では夏の参院選で同派僧侶藤谷光信氏らを宗門挙げて支援した件、予算計上していないにもかかわらず2500万円を費やして広報紙『安穏~京都からのメッセージ』を発行した件などを議員が追及。親鸞聖人750回大遠忌記念事業として昨年制作された聖人肖像画と「鏡の御影」模写の作者上村淳之画伯に制作費が未払いであることも明らかにされ、その契約についても質疑があった。

2007/11/01 真言宗智山派 別院真福寺借入金一括返済へ

真言宗智山派(島秀隆宗務総長)の第104次定期教区代表会(上杉照延議長)が23日から25日まで、京都・東山区の宗務庁に招集された。平成18年度決算、平成19年度補正予算案など計19議案を上程。審議の結果、全案が可決・承認された。今議会では平成27年4月に完済予定だった別院真福寺借入金(残金7億5千万円)を一括返済する議案も承認。宗内に向け財政改善の成果がアピールされた。

2007/11/01 『最期のサムライ山岡鉄舟』の出版を祝う

東京・谷中の臨済宗国泰寺派全生庵(平井正修住職)の開基・山岡鉄舟(1836―1888)の120年忌追善として出版された『最後のサムライ山岡鉄舟』(教育評論社)の出版記念会が19日、都内ホテルで開かれた。歌舞伎役者の片岡我當氏や俳優の滝田栄氏など各界から関係者が訪れ、出版を祝った。

2007/11/08 大阪府仏教会 「自公政権を問う」徹底討論

大阪府仏教会(増田貞圓会長)と大阪府仏教青年会(松家宣崇会長)が共催する第42回大阪府仏教徒大会が6日、大阪市内のホテルで開かれた。今回も「宗教と政治」をテーマに「徹底討論」。与党が惨敗した参院選での公明党・創価学会の動きや公益法人改革に絡む政治への対応などについてジャーナリストと弁護士が意見を交わした。(8-15合併号)

2007/11/08 WCRP日本委 「G8諸宗教サミット」の主催を承認

(財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(庭野日鑛理事長)は2日、東京・杉並の立正佼成会施設で臨時理事会・評議員会を開き、来年洞爺湖で行われるG8(主要国首脳会議)サミット(洞爺湖サミット)に併せて、G8諸宗教サミットを主催することを承認した。環境や貧困などがテーマとなる模様だが、具体的な内容は来年1月末の理事・評議員会で明らかにされる予定だ。

2007/11/08 日蓮宗加行所に150人入行 寒百日荒行スタート

日蓮宗加行所(佐野前暁伝師)と遠寿院荒行堂(戸田日晨伝師)の入行会が1日、千葉・市川市の中山法華経寺(新井日湛貫首)と遠寿院で、それぞれ厳修された。今年度は日蓮宗加行所に150人(参籠3人、五行4人、四行6人、三行23人、再行57人、初行57人)が入行。遠寿院荒行堂も10人(参籠1人、三行2人、再行2人、初行5人)が入行し、寒100日の修業に入った。
入行僧は入行会の終了と共に瑞門をくぐり荒行堂に入堂。緊張の面持ちで荒行堂に進む僧侶に対し、見送りの檀信徒からも「いってらっしゃい」「頑張れ!」といった励ましの声があがった。
荒行の成満は2月10日。その間、入行僧は1日7回の水行と、日課の読経を繰り返し行う過酷な行を行うことになっている。(8-15合併号)

2007/11/22 浄土宗臨宗 稲岡康純宗務総長を再選

任期満了に伴う先の宗議会議員選挙を受けて浄土宗第92次臨時宗議会が20・21日、京都市の宗務庁に招集された。宗務総長選挙では稲岡康純宗務総長が再選された。任期は4年。浄土宗は稲岡総長で大遠忌を迎えることになる。
稲岡総長は昭和7年7月生まれ、75歳。関西大卒。東近江市善哲院住職。平成7年宗議初当選、4期目。同15年から3年間議長。昨年12月、辞任した水谷前総長の後を受け総長に就任した。

2007/11/22 天皇皇后両陛下が比叡山延暦寺に行幸啓

天皇・皇后両陛下が13日午前、大津市の天台宗総本山比叡山延暦寺を訪れた。同市で10・11日に開かれた「全国豊かな海づくり大会」に出席したのに併せて訪問したもの。比叡山への両陛下伴っての行幸啓は史上初めてで、これに半田孝淳座主はじめ一山住職、同宗宗議会議員、宗務所長、また一般信徒ら総勢500人で奉迎した。
両陛下が10時20分ごろ車で一隅を照らす会館前に到着すると、比叡山幼稚園児らが日の丸の小旗を振って歓迎。大書院では、半田座主や清原恵光執行らが出迎えた。
両陛下はこの後、根本中堂を拝観。入り口前では高僧らの奉迎を受け、森川宏映探題の案内で堂内の秘仏・薬師瑠璃光如来などを拝観。引き続き国宝殿に移り、小林隆彰長﨟の案内で国宝・伝教大師筆「天台法華年分縁起」などを見学した。
拝観後は再び書院に戻り、到着から約1時間40分後の正午ごろ、同会館前で見送る天台宗・延暦寺関係者へ車の中から手を振りつつ、比叡山を後にした。

2007/11/22 全日仏 ダライ・ラマ法王招き盛大に神奈川大会を開催

「地域の縁、アジアの縁―共生をめざして」をメインテーマとする「第40回全日本仏教徒会議 神奈川大会」(主催=全日本仏教会・神奈川県仏教会)が19・20の両日、横浜・桜木町のパシフィコ横浜で開催された。2日目にはチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世法王が「信ずる心と平和」と題して特別講演。約5千人を前に、これからの21世紀をどう生きていけばよいのか、じっくりと語った。

2007/11/29 曼殊院門主に藤光賢氏

天台宗(濱中光礼宗務総長)は27日、空席となっていた曼殊院門跡(京都市左京区)の門主に「門跡寺住職推薦委員会」で推薦された元宗務総長の藤光賢氏(佐賀県吉野ヶ里町・金乗院)を選任することを決めた。任期は7年。
同門跡はことし2月1日、半田孝淳門主が第256世天台座主に上任され、濱中宗務総長が代務者を務めていた。今回の推薦委員会で決定した。今後、住職任命の手続きを経て、晋山の運びとなる予定。
藤氏は昭和7年1月生まれ(75歳)。昭和25年得度受戒(法臈57年)。大正大学卒業。南福岡工業高校教諭(昭和37~43年)。宗内では、昭和54年から宗議会議員を5期にわたって務め、副議長(1期)、議長(2期)を経て平成9年12月から宗務総長に。また天台宗海外伝道事業団理事長、同教学財団理事、日中友好天台宗協会理事などを歴任。現在は宗機顧問・一隅を照らす運動顧問などを務める。大僧正。

2007/11/29 「法然共生」ロゴは佐藤忠敏氏の作品に決定

浄土宗(稲岡康純宗務総長)は21日、京都の宗務庁で宗祖法然上人800年大遠忌のメッセージシンボル「法然共生(ほうねんともいき)」のロゴマークを発表した。ロゴは、東京のグラフィックデザイナー佐藤忠敏さん(株式会社ザ・デザイン・アソシエイツ代表取締役)の作品で今後、遠忌事業の様々な局面で掲示される他、宗務庁職員の名刺や封筒などに印刷して使われる。

2007/11/29 炎天寺一茶まつりに12万千人が応募

東京・足立区の炎天寺(真言宗豊山派、吉野秀彦住職)で23日、第46回一茶まつり「全国小中学生俳句大会表彰式」が執り行われた。全国各地から見事入賞を果たした小中学生が出席し、境内に佇む一茶像や相撲に興じる蛙たちと対面した。
今年も海外を含む約12万4千人が応募。栄えある大賞に輝いたのは、「幼虫はりっぱな虫を 目指してる」(北海道札幌市立東川下小6年・柴田紗綾さん)と「空蝉の目の玉になお力あり」(広島県廿日市市立四季が丘中2年・國弘遥さん)だった。

2007/12/06 立正佼成会新理事長に渡邊恭位氏が決定

立正佼成会(庭野日鑛会長)は1日、教団新役員人事を発表。山野井克典理事長が退任し、渡邊恭位氏(62、布教本部長)が新理事長に就任した。山野井氏は顧問に就いた。同時に布教組織も改編され、全国19教区を7教区19ブロックとした。布教環境の整備計画にそったもの。また海外にある3支部が教会に昇格した。
渡邊新理事長は、昭和44年学林本科6期生として入職。青年本部を経て、茨城教会長、教育部教育課長、大阪教会長、関西四国教区長、多摩教区長などを歴任。平成17年、布教の充実するために新設された布教本部長に就任。今後も同職を兼務する。来年3月に迎える創立70周年を担当することになる。

2007/12/06 天台宗が全国一斉托鉢を実施

天台宗(濱中光礼宗務総長)は1日、全国一斉托鉢を全国29カ所で実施。比叡山山麓の大津市坂本では半田孝淳座主、森川宏映探題はじめ宗務庁・延暦寺の内局・職員100人が行脚した。
坂本では網代笠に直綴や素絹をまとった僧侶ら一行が生源寺で勤行した後、托鉢に出発。法螺貝を吹き鳴らしながら半田座主が先頭になって進んで行くと、毎年恒例とあって軒先で待ち受けていた住民が、半田座主の頭陀袋にお布施を入れていった。半田座主は合掌して感謝の意を示した。
20分ほど坂本の商店街を行脚した後は、5班に分かれて托鉢。地元の家々を回るとともに、JR比叡山坂本駅や堅田駅前、京阪坂本駅前で浄財を募った。
この日集まった浄財はNHK歳末たすけあい運動などに寄託される。全国一斉托鉢は、昭和61年に始まり今年で22回目。2月頃までに全国61カ所で行われる予定。

2007/12/06 15カ国300人が参集し9条アジア宗教者会議

憲法9条とアジアの平和を考える国際イベント「9条アジア宗教者会議」が、11月29日から3日間、東京・千代田区の在日本韓国YMCAで開かれた。「平和をつくる宗教者ネット」や「宗教者9条の和」などでつくる実行委員会が主催。アジアを中心とする15カ国から宗教者ら延べ300人が出席し、憲法9条が世界平和の鍵になることを再確認した。最終日には9条の意義を訴えて周辺を行進した。

2007/12/13 曹洞宗 「不戦」に向け宗務総長談話を発表

曹洞宗(渕英徳宗務総長)は現行憲法改について「あえて戦争のできるよう改変する積極的理由は認められない」と憲法擁護の姿勢をと「不戦の誓い」を示した「曹洞宗宗務総長談話」を12月8日付けで発表した。宗報12月号で公式に明らかにした。こうした総長談話は初めて。

2007/12/13 第3回国際宗教研究所賞に西村明氏

国際宗教研究所が主宰する第3回「(財)国際宗教研究所賞(2007年度)」の受賞式が8日、東京・西巣鴨の大正大学で挙行され、受賞者の西村明氏(鹿児島大学准教授)に同賞が贈られた。
受賞対象となった業績は『戦後日本と戦争死者慰霊―シズメとフルイのダイナミズム』(有志舎刊)。日本における戦死者慰霊や原爆慰霊などの構造を、「シズメ」と「フルイ」といった独自の対概念を用いて考察している点が特徴で、選評においても「慰霊研究の新たな地平を切り開くもの」として高く評価されている。

2007/12/13 超宗派の僧侶有志が自死者を追悼

9年連続で年間自殺者3万人超という事態を受けて今年5月、首都圏在住の僧侶有志が結成した「自殺対策に取り組む僧侶の会」(代表=藤澤克己・本願寺派安楽寺副住職)。同会は「いのちの日」である1日、東京・大田区の日蓮宗永寿院(吉田尚英住職)で、超宗派による初めての「自死者追悼法要」を厳修した。8人の遺族が参列した。
法要のテーマは「いのちの日 いのちの時間」。篠原鋭一副代表(曹洞宗長寿院住職)は、「今日の法要は、私たち僧侶だからこそできる〝供養の集い〟です。遺族の悲しみ、辛い日々を受け止め、そこからの新しい出発をお手伝いする日です」と語った。