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2005/01/01 日光山輪王寺門跡に菅原栄光氏が就任

栃木県の天台宗日光山輪王寺第83世門跡の鈴木常俊氏が、12月20日、健康上の理由から退任し、翌21日、菅原栄光醫王院住職が第84世門跡に就任した。菅原門跡は1月13日に滋賀・大津市の滋賀院で親授式に臨むことになっている。
鈴木門跡は平成7年以降9年間に亘り輪王寺門跡を務め、大護摩堂の落慶や「日光の社寺」の世界遺産登録、大猷院殿350回御忌などの諸事業を推進してきた。
しかし健康上の理由から今年11月24日に退任の遺志を表明。それを受けて12月13日に一山会議が催され、会議の結果、醫王院住職の菅原氏が新門跡として推薦された。
就任を受けて菅原新門跡は「諸先徳の築かれた大護摩堂を初めとする諸堂における宗教活動や、幼稚園、三楽園などの社会福祉活動を通じ、皆様が少しでも『心の安らぎと豊かさ』を持って頂けるよう更なる精進努力をして参る所存」とのコメントを発表している。
菅原門跡は大正13年3月生まれ。満80歳。大僧正。昭和20年に大正大学を卒業後、昭和27年に醫王院住職に就任。その後、天台宗宗会議員や輪王寺執事長、天台宗天台保育連盟理事長などの宗内要職を歴任し現在に至る。宗外でも社会福祉法人下野三楽園理事、栃木県保護司会会長などを務め、幼児教育に造詣の深いことでも知られている。

2005/01/01 ありがとう基金「倫理教育委」が5月に初会議

妙智會教団の「ありがとう基金」(総裁=宮本丈靖会長)は平成17年(05)5月に倫理教育委員会の第1回会議を都内で開催することを明らかにした。「地球倫理」を提唱しているドイツのハンス・キュング教授をはじめとする知識人や子どもの未来について取り組んでいる諸宗教者・国連代表などが参加する。
02年の国連子ども総会に出席した宮本総裁が国際的な倫理教育委員会を提唱。昨年スイスで開催したGNRC(子どものための宗教者ネットワーク)第2回フォーラムで正式に設立が発表された。グローバルな環境に合致した倫理観に基づき、子どもの豊かな精神性の発達を促そうという主旨で、地球の未来を構築するものとして期待されている。
倫理教育委員会委員には、名誉顧問にヨルダン王国のハッサン王子、委員にスリランカのサルボダヤ運動創立者であるアリヤラトネ博士、ノーベル平和賞受賞者のアドルフォ・ベレス・エスキヴェル氏、地球倫理財団会長のハンス・キュング氏、日本の梅原猛氏(国際日本文化研究センター顧問)などが加わっている。
5月の初会議にはキュング、エスキヴェル、アリヤラトネ3氏のほかクル・ゴータム氏(ユニセフ事務次長)、ハンス・ウコ氏(WCC諸宗教対話プログラム担当幹事)ら10人の出席が内定している。会議は同15日に都内のホテルで行われ、翌16日午後1時から国連大学を会場にシンポジウムを開く予定。

2005/01/01 仏教看護・ビハーラ学会が発足

仏教看護と仏教的ターミナルケアを組み合わせた「仏教看護・ビハーラ学会」の発会式が12月18日、東京・池袋の淑徳大学サテライトキャンパスで開かれた。現役の医師や看護師、仏教者など約百人が出席し、シンポジウムを通じて「いのち」を基調とする同学会の方向性に期待が集まった。同学会ではホームページを開設すると共に入会を呼びかけている。
「仏教看護・ビハーラ学会」は、現代看護学に仏教の知恵や方法を活かした「仏教看護論」を提唱している藤腹明子氏(前飯田女子短大教授)と、ターミナルケアの問題に仏教を活かした「ビハーラ」を実践している田宮仁氏が発起人代表となり、発会を準備。
趣意書では、冒頭に「多くの人々の利益のたるに、多くの人々の幸福のために」とのブッダの言葉を掲げている。
「仏教看護・ビハーラ学会」の第1回年次大会は8月26~28日、長野市の善光寺で開かれる。ホームページはhttp://www.jabnvs.gr.jp/。

2005/01/13 佛教大学次期学長に福原隆善氏

佛教大学(京都市北区)では、中井真孝学長の任期満了に伴う学長選挙が昨年12月15日に実施され、教職員による投票の結果、福原隆善文学部人文学科教授(63)が次期学長に選出された。任期は4月1日から4年間。
学長選挙は学長候補者推薦委員会(吉田富夫委員長)が文学部の福原教授、池見澄隆教授、藤本淨彦教授の3者を候補者として推薦。3者の中から選挙人である教職員320人が投票で選んだ。
投票の結果は福原教授が124票、藤本教授が73票、池見教授が62票を獲得。最初の投票で過半数を獲得した候補者が当選となるが、いずれも該当せず、規定に従って1位の福原教授と2位の藤本教授で決戦投票となり、藤本教授より得票数の多い福原教授が次期学長に決まった(福原教授142票、藤本教授111票)。
福原教授は1941年11月生まれ。龍谷大学卒。同大大学院博士課程満期退学。佛大専任講師、助教授を経て88年から教授。04年からは佛大附属幼稚園長に就任。専攻は仏教学・天台学。京都市上京区上善寺住職。

2005/01/13 スマトラ沖地震・津波被害の緊急支援広がる

昨年12月26日、インドネシアのスマトラ島沖で発生した大地震と大津波による死者は15万人を超え、さらに増える勢いを見せている。被害にあった関係国はインドネシアをはじめタイ、インド、スリランカ、モルジブ、バングラデシュなどインド洋周辺国に及んでいる。宗教界の緊急支援が本格化してきた。
シャンティ国際ボランティア会(SVA、東京)やれんげ国際ボランティア会(ARTIC、熊本)など被災以前から各国で支援活動を展開している仏教系NGOも現地スタッフによる緊急救援活動が始まっている。立正佼成会などで構成するJEN(東京)では、木山啓子事務局長等が先月30日にスリランカ入りし調査を開始。帰国後、報告会を予定している。

2005/01/13 親鸞聖人750年に向け門主が消息を発布

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)では9日午後、京都市下京区の本山で来る親鸞聖人750回大遠忌へ向けて大谷光真門主が消息を発布、また平成23年4月から翌24年1月までの遠忌法要修行を内外へ告知する高札の立札式を執り行い、実動へ一歩をしるした。
「親鸞聖人750回大遠忌についての消息」発布式は総御堂で行われ、範子裏方が臨席、不二川総長はじめ総務、宗会議員、総代など宗門要職を占める僧侶・門徒ら多数が参列して営まれた。
阿弥陀堂門前での高札立札式では、門主・裏方・総長・石上智康宗会議長がテープカット。また総務5人と門徒総代らが加わって高札を覆っていた幕を一斉に除幕した。
高札はステンレス製で高さ8・5㍍、幅2・7㍍。「平成二十三年四月より平成二十四年一月まで修行/親鸞聖人七百五十回大遠忌法要/本願寺」と記されている。文字の側面には橙色の発光ダイオードが取り付けられており、夜間でもくっきり文字が浮かび上がるように工夫されている。

2005/01/20 曹洞宗 内山愚童顕彰碑の文面確定

明治末期の大逆事件に連座して幸徳秋水らと共に明治44年(1911)1月24日、死刑にとなった曹洞宗僧侶、内山愚童(1874~1911)が住職をしていた神奈川・箱根の林泉寺に顕彰碑の建立をすすめている曹洞宗(有田恵宗宗務総長)では、祥月命日を前に碑文の内容を明らかにした。
〈其土地で死ぬ積で無ければ/其地の人をすくふことは出来ぬと思ひます〉という愚童が友人に語った「仏教者としての叫びの声」を冒頭に掲げ、続いて愚童の足跡を簡潔に紹介。曹洞宗が死刑前年に「宗内擯斥」処分として僧籍を剥奪したことや、戦時体制に協力したこと、そして平成5年に処分を取り消して名誉回復したことなども織り込まれている。
そして「最後まで僧侶としての誇りを失わず、理想世界を冀(こいねが)い、泰然として死に臨んだ愚童師に対し、その確固たる信念を永く顕彰し、宗門として『人権の確立・平和の維持・環境の保護』を啓発推進していくことを改めて誓願します」と結んでいる。期日は「二〇〇五年(平成十七)一月二十四日」。 顕彰碑は愚童のお墓の裏側で、今年3月の彼岸明け頃に法要が営まれる予定。

2005/01/20 阪神・淡路大震災から10年 全日仏青が慰霊行脚

阪神淡路大震災から丸10年、仏教青年が今年も全国から駆け付け、被災地神戸で犠牲者の追悼・慰霊を行った。全日本仏教青年会(全日仏青、羽生裕彦理事長)は神戸青年仏教徒会(神戸JBクラブ、高橋惠信理事長)と共に16日、逮夜法要を実施、また震災当日の17日には慰霊行脚した。地元神戸市8区の仏教会で組織する神戸市仏教連合会(池谷正信会長、加盟356カ寺)も同日、追悼法要を執行、スマトラ沖地震の被災者支援のため托鉢も行った。

2005/01/20 BDK「惠光センター」に独大統領が公式訪問

『仏教聖典』の翻訳・普及をはじめ、各種の仏教振興活動に取り組む(財)仏教伝伝道協会(沼田智秀会長)のドイツ「惠光」日本文化センター(デュッセルドルフ市)を6日、ケーラー・ドイツ大統領夫妻、シュタインブリュック・ノルトラインヴェストファーレン州政府首相夫妻、高島有終・駐独日本大使夫妻などが公式に訪問した。
同センターへの訪問は、今年4月から始まる「日本におけるドイツ年」を前に、日本文化に対する理解を深めたいとのケーラー大統領の意向を受けて実現したもの。
ドイツ大統領がキリスト教以外の宗教施設を公式訪問するのは極めて異例のことだが、同センターがヨーロッパで唯一、本格的な日本式寺院や日本庭園を備えた施設であることや、沼田会長を始めとする仏教伝道協会が、日独両国の文化交流に深く貢献していることなども考慮された。

2005/01/27 スマトラ沖地震・津波災害に真如苑が5千万円

真如苑(伊藤真聰苑主)では、スマトラ沖地震発生直後の12月30日に被災国であるタイ、スリランカに職員3名を派遣し、被災状況の把握と共に現地教徒とボランティア活動を展開した。しかし、被害があまりにも甚大なことから活動内容を大きく拡大し、中期的な復興ボランティア活動や義援金などの支援方針を決めた。
当面は日本からも真如苑職員を含め多数派遣し、現地教徒と共にタイ、スリランカ、インドネシア、インドなどの被災地で物資運搬、清掃活動、現地医師団と連携した被災者のメンタルケアなどを行う。
また義援金は、タイ、スリランカ、インドネシア、マレーシア、インドの被災国をはじめ、ユニセフ(国連児童基金)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、WFP(国連世界食料計画)などの国連機関、国際赤十字などへ総額5千万円の支援を決定した。なお、今後の状況に応じては義援金の追加支援をすることにしている。
そして支援活動と同時に、1月14日にはタイ、16日にはスリランカの教団施設で犠牲者に向ける衷心廻向法要が行われた。当日は現地教徒も参座し、犠牲になられた方々への追悼の祈りが向けられた。

2005/01/27 WCRPが世界大会に向け「歴史」刊行

(財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(白柳誠一理事長)の4月から始まる新年度予算案などを主な義案とする理事会・評議員会が25日、東京・杉並の立正佼成会法輪閣で開かれ、来年8月の第8回世界大会(京都)にむけて、日本語版と英語版からなる『WCRPの歴史』を刊行することが決まった。また出展が決まっている愛知万博では、ワークショップとして「祈りと瞑想の空間」が設けられることなどが報告された。

2005/01/27 WFB本部で地震・津波犠牲者の追悼法要

スマトラ沖地震とインド洋大津波による犠牲者を追悼する法要が23日、世界仏教徒連盟(WFB)の主催で本部のあるタイのバンコクで営まれた。同国のパン・ワナミティカイ会長はじめ被災地のスリランカなどからも参列し、タイ仏教界高僧らによる読経が会場に響きわたった。
全日本仏教会から壽山良光・国際文化部長が参列し、義援金として100万円をWFB本部に寄託。タイ国内の篤信家からも同本部に浄財を寄託していた。

2005/02/03 曹洞宗教誨師連合会が結成40周年大会を開催

曹洞宗教誨師連合会(会長=有田恵宗宗務総長、会員約150人)は1月27・28日の両日、東京・芝の宗務庁で、全国から約60人の教誨師が参加して結成40周年大会を開催した。
記念式典は28日に挙行され、有田会長を導師に記念法要と物故者追悼法要を執行。読経の中を永平寺・總持寺の両大本山代表、全国教誨師連盟の山田義俊理事長、東京矯正管区管内教誨師連盟の平野俊興会長らが焼香した。

2005/02/03 全日仏がWFB大会の受け入れ表明

(財)全日本仏教会(全日仏、里見達人理事長)は26日、都内のホテルで理事会評議員会を開き、新年度予算案や計画案を審議し、2年後の財団50周年事業の概要などが承認された。協議事項では、久しく日本での開催が遠ざかっているWFB(世界仏教徒会議)大会を受け入れることを表明。時期は今後検討されるが、早ければ財団50周年に併せて実施する可能性もでてきた。またスマトラ沖地震と津波被災に対して6団体に各100万円を寄託したことが報告された。

2005/02/03 スマトラ沖地震・津波でSVAが報告会

(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA・松永然道会長)は1月27日、東京・新宿区のSVA事務所で、タイから帰国した秦辰也・常務理事による、スマトラ島沖大地震と大津波で大規模な被害を受けたタイ南部の被災状況と緊急支援活動の報告会を開いた。
プーケットなどのリゾート地ではガレキはほぼ撤去されたが、タクアパ郡ナムケム村など、漁業を中心とする小さな村には重機が入れないなどの問題もあり、被災直後から状況はほとんど変わっていない。またこれらの地域にはタイ北部からの出稼ぎ者やミャンマーからの不法就労者、「海の漂白民」と呼ばれるモーケン族の人々らが多く、犠牲者数も把握できていない状態という。
リゾート地で被災した外国人の遺体も、身元確認ができないままになっているものが多いが、当初避難場所となったお寺の境内などは運び込まれる遺体でいっぱいとなってしまっている。そのため現在は、ある程度の期間の生活に耐えうるシェルターを必要としている。
今後は必要なところ・人に必要なものを届けるきめ細やかなケアと、ばらばらになったコミュニティの再建、無国籍の人や不法就労者、土地を持たない人をどのように助けていくかが課題だとした。
16日から視察に赴いたスリランカの様子も報告され、インフラ整備や仮設住宅建設で各国軍隊の活動が目立っていること、シンハラ人とタミール人の争いのある地域にはなかなか支援の手が届きにくいことなどを指摘。また海沿いの被災地域への物資が、内陸の貧しい地域へ消えてしまったり、政府から被災地への援助が、中間搾取にあい届かないことがあるとし、モニタリングの必要性を述べた。

2005/02/10 立正佼成会 大聖堂改修工事が本格化

東京・杉並区にある立正佼成会(庭野日鑛会長)の大聖堂が、今月4日から改修工事が完了するまでの期間、全面的に閉鎖されることになった。閉鎖は、「庭野日敬開祖生誕百年事業」の一貫として、平成15年10月から進められている大聖堂改修工事が2月から本格化することから決定。今後は工事が完了する来年2月末(予定)までの間、普門館で教団行事が行われることになる。
大聖堂は昭和39年に建設されて以来、教団の根本道場として、各種行事に使用されてきたシンボル的建築物。建設から約40年が経過し、施設が老朽化していることや、建築基準法が大幅に改正されたことなどを受け、平成14年から、「免震工事」や「バリアフリー」を中心とした改修案が検討されていた。
「免震工事」に関しては、地震の力を3分の1に減殺するという「基礎免震工法」が採用され、これまでの工事により、120カ所中、76カ所に免震装置を設置済み。残りに関しても3月10日までに取り付けが完了される見込みという。
館内閉鎖に伴い、内装工事も本格的するとの事で、今後はエスカレータやエレベーターの増設、大聖堂4階ホールの改修などが実施される模様。
各種工事と併せ、屋根の葺き替えや、大聖堂西側参道の整備、大聖堂外壁の補修なども行われる予定で、完成時には完全に生まれ変わった大聖堂が披露されることになりそうだ。

2005/02/10 総本山知恩院の吉田孝導執事長が辞任

浄土宗総本山知恩院の臨時顧問会(小林憲雄会長)が8日、京都市東山区の同院で開かれ、吉田孝導執事長が辞任、後任の執事長に顧問会副会長の佐藤諦学氏(同市山科区福應寺住職)が就任することが決まった。
昨年10月に軽い脳梗塞で入院し、その後福井県武生市の自坊で療養していた吉田執事長だが、この日顧問会に出席。体調が快復せず、執事長の職責を果たすことができなくなったため、辞任する旨表明、了承された。
その後、後任執事長を決めるため、顧問会は候補者3人を選出、その中から中村康隆門主が佐藤氏を指名し、本人が承諾して就任が決まった。
佐藤氏は大正14年(1925)7月生まれの79歳。前京都教区長で、教区長時代は同じ京都教区の宗門住職、小泉顕雄参議院議員の初出馬の際、先頭に立って応援し、当選に貢献した。
佐藤新執事長の就任は各部長選定後とのことで現在未定。任期は就任から4年となる。

2005/02/10 憲法9条の理念を歌声で表現

グローバル9mapキャンペーン(代表=大平一誠・浄土真宗本願寺派覚成寺副住職)は5日、東京・新宿の日蓮宗常円寺で、憲法第9条の理念を伝える歌「SMILE」の収録を実施。平仏集の僧侶をはじめ、呼びかけに応じた100人弱の参加者が歌声を響かせた。
9mapは平和運動の無関心層を巻き込む方法として大平代表が企画。「音楽で9条の気高さを表現したい」と呼びかけ、曲を提供したウチダトモヒロさんやレコーディングメンバーなどの仲間が集まった。
東京会場では初めて曲を聞く人が大半だったが、ウチダさんの歌唱指導で、大勢の声が、一つになっていく様子に、参加者も感動の様子。本番でOKが出た時には図らずも拍手が起こった。
同曲はすでに大垣、名古屋、大阪でも収録が行われ、できあがると400人を超すメンバーの声がつまったCDとなる。
CDは3月2日に発売。売り上げの一割がイラクの子ども達の医療支援として「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」に寄付される。

2005/02/17 大谷派 御影堂修復工事の瓦降ろし始式を挙行

真宗大谷派(熊谷宗惠宗務総長)の本山御影堂修復工事は伽藍を覆う素屋根が完成し屋根瓦葺き替え工事に入るにあたって9日午後、京都市下京区の工事現場で宗門・工事・行政関係者と近隣住民が参列して「瓦降ろし始式兼素屋根工事竣工式」を執り行い今後も一体となって工事を進めていくことを確認した。
熊谷宗務総長は、昨年3月の着工以来、素屋根竣工までの工事関係者の尽力、近隣住民の協力に謝意を述べ、今後の瓦降ろしについても「参集の方々のご加勢、応援をお願いしたい」と協力を求めた。また「獅子口を拝見すると、明治の先達の願い思いがひしひしと伝わってまいります。宗派としてはご門徒の方々、有縁の方々に視察していただいて明治の方々の熱き思いを是非受けとっていただき、この工事が単なる営繕ではなく信心回復の歩みである、御仏事であることをお伝えしてまいりたい」と改めて修復の意義を話した。
御影堂の屋根瓦約17万5千枚を降ろす作業は6月まで行われる。

2005/02/17 国柱会が世代交代 新賽主に田中勇一郎氏

国柱会(江戸川区一之江)は1月23日、緊急役員会で会長職に相当する「賽主」を田中暉丘氏(55)から子息の田中勇一郎氏(28)への交代を発表した。今月11日、理事長および理事を含めた新役員人事を明記した文書を関係者らに配布した。
国柱会は、近代を代表する仏教者の一人である田中智学によって創立(当時は立正安国会)され、昨年11月その創業120周年式典を挙行したばかりだが、かねてから暉丘氏は世代交代を訴えていた。同時に組織の若返りを本部から実行し、地方組織にも波及させたいという狙いと、仏教界の世代交代を促したいとの思いもある。
暉丘氏は、会長(賽主)だった田中香浦氏の逝去を受けて平成8年(1996)8月に就任。現在55歳だが、今回の引退で新賽主をバックアップしていく。また近代に誕生したとはいえ、教団トップが20代まで若返ることは極めて異例で、しかも先代が存命中に交代することも珍しい。
新賽主の勇一郎氏は昭和52年2月生まれの28歳。英国ボーマス大学経済学部卒業後、日本の民間会社に勤務。平成12年から教団本部に奉職し、昨年の120周年式典では、実行委員長という要職を務めた。剣道3段の腕前で、子どもたちにも定期的に稽古している。

2005/02/17 国内初!サラノキの花が三年連続の開花

滋賀県の読者、木村尚達さんから次のような情報をいただきました。
「滋賀県草津市にある水生植物園の温室で三年連続でサラノキが開花しました。これは日本で初めてであり、公開されている施設での開花の報告がないため、日本で今サラノキの花が見られるのはこの施設だけであります。
サラノキ(Shorea robusta)は、仏教三大聖樹の1つとされている「平家物語」冒頭の「沙羅双樹の花の色」としてよく知られているが、日本の寺院で沙羅双樹として観賞されているのは日本原産のツバキ科のナツツバキやメシャラもしくは、エゴノキ科のハクウンボクなどの植物で今回開花したサラノキとは、別の植物――以上の連絡を園長の多々良由利子さんから受けました。開花期間の関係上、取り急ぎご連絡いたしました」
早速、草津市立水生植物園「みずの森」に問い合わせて、開花した写真を送っていただきました。
直径2・5㌢㍍の小さな花が集まって咲きいていますが、2月11日日開花が確認されたそうです。奇しくも15日は涅槃会で、時期的にもぴったりあっています。昨年より1カ月早く、昨年12月の気温が高かったことが開花を早めたと推測されているようです。観賞できるのは果実を含めると1カ月ほどだそうです。
みずの森(草津市下物おろしも町1091、℡077―568―2332)。

2005/02/24 第22回庭野平和賞 ハンス・キュング博士に決定

庭野平和財団(庭野欽司郎理事長)は第22回庭野平和賞の受賞者として、カトリックの神学者でドイツ人のハンス・キュング博士(地球倫理財団会長)を選出。25日、京都の立正佼成会京都普門館で行われた記者会見で正式に発表した。キュング博士には同財団を通じ賞状と懸賞メダル、副賞2千万円が贈呈される。
キュング博士は第2バチカン公会議で公式アドバイザーを務め、エキュメニカル(キリスト教会間一致)運動の推進に尽力したことで知られる人物。キリスト教の枠を超え諸宗教に存在する共通の倫理から「地球倫理」の抽出することを長年のテーマにしており、93年にシカゴで開かれた「万国宗教会議」では、その構想をもとに、「地球倫理宣言」を起草し、宗教界など、多方面に強いインパクトを与えた。
授賞式は5月11日に日本プレスセンターで。授賞式後の5月13日には京都普門館で記念シンポも行われる予定になっている。

2005/02/24 臓器移植法改正で自民党に慎重な審議を要望

大本(島本邦彦本部長)は16日、自民党の「脳死・生命倫理および臓器移植調査会」(佐藤泰三会長)が本人の意思表示がなくても脳死者からの臓器摘出を可能にする臓器移植法改正案を今国会へ提出することを決めたことに対し、改正に反対する立場から慎重な審議を求める要望書を同調査会委員へ送った。
現行法は、死体からの臓器摘出を本人が生前に書面で意思表示し、かつ遺族が摘出を拒まない時に認め、脳死判定についても本人が書面で意思表示し遺族が拒まない時に認めている。
これに対し、改正案は臓器摘出のハードルを下げ、本人が生前に臓器摘出の可否について意思表示していない場合、遺族が書面で承諾すれば摘出可能とするもの。脳死判定については現行法の規定を削除し、医師が行いうるものとする。これによって民法上、遺言能力がないとされる15歳未満について、本人の意思表示が問われなくなるため、15歳未満の脳死者からの臓器摘出も遺族の承諾があれば可能となる。
大本は改正案を「一律に脳死を人の死とみなしたことになる」として、「脳死臨調答申(平成4年1月)を含めた同法成立までの論議の過程、今日の世論動向、多数の国民の意見と感情を全く無視した、暴挙であると言わざるをえない」と同調査会会長・顧問・委員へ要望を送った。
教団はこれまで一貫して脳死・臓器移植に反対。同調査会が改正案をまとめた昨年3月にも反対声明を発表した。

2005/02/24 別院真福寺問題の解決に向け10億円を借入

真言宗智山派の第98次定期教区代表会が22日、京都・東山の宗務庁で開幕した。今教区代表会では平成17年度一般会計予算案、平成16年度第2次補正予算案など22議案・1報告を上程。別院真福寺に関しても借入金返済資金借入などの重要議案が提出され、内局側から協力がよびかけられた。
また、注目が集まっていた真福寺の賃料については当初想定額を上回る坪単価1万9500円という条件で更新(事務所のみ、駐車場、住宅部分は据え置き)をしたと報告。また同寺の借入金約20億円の返済が4月に来ることから、返済を目的に約10億円の借入を行うと発表。金利面でのメリットなどを説明し、教区代表の理解を求めた。

2005/03/03 本願寺派平成17年度予算が経常部で22%の減

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)の第275回定期宗会(石上智康議長)が28日午後、京都市下京区の宗務所で幕を開けた。不二川総長は執務方針演説で、「750回遠忌基本計画」「賦課制度改正」の重要案件について4月にも実施される宗会議員選挙後の来年度に宗会に提案する考えを表明した。新年度宗派一般会計予算案は、厳しい経済状況と新年度に実動する遠忌募財の影響を踏まえ、経常部で約22%減の59億9500万円とした。

2005/03/03 大慈寺の円仁像が中国へ再訪

慈覚大師円仁(794―864)の木彫座像をゆかりの中国・大興光善寺へ奉納する計画が進んでいる。円仁が9歳から15歳まで修行した栃木県岩舟町の天台宗大慈寺(林慶仁住職)が中心となり、胎内に奉納する経典も受け付けている。今年5月に記念式典を挙行した後、6月に中国に渡る。実に入唐からおよそ1200年経ての再訪問となる。
昨年4月、大慈寺の林住職はじめ「円仁ツアー」で訪中したおり、大興善寺住職と面談。自覚大師像奉納の企画が持ち上がり、その大願を抱いて帰国したという。
帰国後、さっそく田沼町在住の仏師、中澤教伊(のりあき)氏に制作を依頼。埼玉産の樹齢200年のクスノキを入手し、モデルの絵は兵庫県・一乗寺蔵の円仁を参考としている。円仁座像は高さ180㌢という大きさ。数百万円とされる制作費や輸送費は檀信徒や賛同者が寄付を出し合ってあてる。
2005/03/03 浄土宗定宗 災害復興に向け総額8億円の予算案提出
浄土宗(水谷幸正宗務総長)は1日、第84次定期宗議会(稲岡康純議長)を京都市東山区の宗務庁に招集。水谷内局は、昨年10月の新潟県中越地震による被災寺院の復興支援のため平成30年3月までの復興計画案と総額8億880万円に上る総予算案を提出した。賛否のあった遠忌記念事業「フェスタ・デ・テンプル」は、議会直前の遠忌小委員会の審議結果に従い、予算計上を取り止めた。新年度の一般会計経常部予算案は前年比4%減の総額17億6909万円。通常・特別課金とも据え置いた。

2005/03/10 日蓮宗定宗で「立正安国お題目結縁運動」の骨子発表

日蓮宗(岩間湛正宗務総長)の第91定期宗会が8日、東京・池上の宗務院で開幕した。今次宗会では平成17年度経常部会計予算をはじめ、規程中改正案(13件)、規程廃止案(3件)など計9議案が上程。議会2日目に行われた岩間総長の姿勢方針演説では立教開宗750年以降の宗門運動として行われる「立正安国・お題目結縁運動」の骨子が発表され注目をあつめた。また昨年5月に行われた神奈川第2部の補欠選挙の結果、同心会が第1党になったことから、初日には正副議長の交替選挙も実施。議長に井村大祐氏、副議長に鶴田龍聖氏がそれぞれ選出された。

2005/03/10 全日仏が自民、民主の議員と朝食会

(財)全日本仏教会(里見達人理事長)は先月、国会近くのホテルで民主党と自民党の推薦議員を主流とした朝食会を開き、両党から代理を含め82議員が顔を見せた。全日仏からは里見理事長や常務理事らが出席した。
16日が民主党で仙石由人政調会調をはじめ26人が出席し、26日は自民党で安倍晋三幹事長代理はじめ56人が出席した。両日とも全日仏副会長の成田有恒氏(浄土宗大本山増上寺法主)が短い法話を行った後、懇談に入った。
政界からは、心やいのちの問題に関して仏教界に対しさらなる取り組みへの期待が寄せられた。全日仏からは宗教教育や公益法人制度改革の問題に対する要望などを伝えた。全日仏では年1回程度、こうした懇談を持ちたいとしている。

2005/03/10 日宗連が臓器移植問題に関するシンポ開催

(財)日本宗教連盟(庭野日鑛理事長)は2月22日、東京・和田のセレニティホールで第1回宗教と生命倫理シンポジウム「いま、臓器移植の行方を考える―臓器移植法の改正と生命科学研究の課題」を開催。推進派と反対・慎重派から招かれたパネリスト5人は、意見は異なるとはいえそれぞれに説得力を持ち、判断は宗教者をはじめとする参加者にそのまま投げかけられた。

2005/03/17 立正佼成会が臓器移植法改正案に提言

臓器移植法改正の動きがある中で立正佼成会(庭野日鑛会長)は11日、 山野井克典理事長名で「臓器移植に法改正案に対する提言」を発表した。「脳死は人の死」「家族のみの承諾だけで臓器摘出可能」といった自民党改正案に対し、慎重姿勢をみせている。「提言」は、自民党の「脳死・生命倫理および臓器移植調査会」の佐藤泰三会長に提出すると共に民主党にもおくられた。
脳死臓器移植議論が高まっていた平成4年、各界知識人からなる脳死臨調が最終答申を提出したが、反対論併記という見解が分かれていることを印象づけた。この後、いくつかの教団が見解を表明し、宗教界は総じて反対・慎重姿勢だった。立正佼成会は平成6年、外郭研究機関である中央学術研究所の「生命倫理問題研究会」が、「脳死を一律に人の死」とすることに反対していた。

2005/03/17 豊山派定宗 「危機管理体制」の充実を提言

真言宗豊山派(浅井侃雄宗務総長)は9日から11日までの期間、東京・大塚の宗務所で、第112次宗会通常会(木内一成議長)を開催した。今次宗会では平成17年度収入支出予算案や宗務支所規定の改正案など計5議案を上程。審議の結果、全案が可決・承認された。また浅井総長の施政方針では、頻発する自然災害に対する「危機管理体制」の充実が改めて呼びかけられ、重要データの保管など具体的な取り組みが報告された。

2005/03/17 仏教伝道文化賞 3氏が晴れの受賞

(財)仏教伝道協会(沼田智秀会長、信楽峻麿理事長)は11日、東京・芝の仏教伝道センタービルで第39回仏教伝道文化賞の贈呈式を挙行。地球環境問題に仏教学から研究を進めているドイツの仏教学者、ランベルト・シュミットハウゼン氏ら3人に賞状と記念品、副賞300万円が贈られた。会場には受賞者とゆかりの深い人も多数出席し祝福した。
今年度の仏教伝道文化賞受賞者は、A項(研究など)にドイツの仏教学者、ランベルト・シュミットハウゼン氏(65、ハンブルグ大学教授)、C項(伝道者など)に真宗大谷派僧侶の野田風雪氏(84、仏教談話会主宰)、功労賞に前田惠學氏(78、愛知学院大学名誉教授)。

2005/03/24 御影堂修復工事 瓦11万5千枚葺き替え完了

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)の本山御影堂(京都市下京区)修復工事は、11万5千枚の屋根瓦葺き替えが完了、16日、大谷光真門主・範子裏方臨席のもと、屋根工事終了式が工事現場の素屋根3階で営まれた。葺き替えは終わったが、今後しばらくは素屋根が掛かったまま内装工事などが続けられ、素屋根の解体は秋以降となる。
瓦葺き上げは平成15年8月に開始。1年7カ月を経て今年2月半ば、向拝の軒先両端に唐獅子の形をした留め蓋瓦2個を設置して完了した。式では、この留め蓋瓦を門主、不二川総長と総務5人が除幕し、屋根工事完了を祝った。(24-31合併号)

2005/03/24 講座や研修通じ、電話相談のノウハウを学習

全国青少年教化協議会(全青協、斎藤昭俊事務総長))と「てらネットEN」が主催し15・16日の両日、東京・築地本願寺で「青少年電話相談入門講座」が開催された。講座は電話相談の担当者や、開設希望者を対象に実施されたもので、僧侶を中心に約40人が参加。講演や実務研修を通じ、電話相談のノウハウを学んだ。(24-31合併号)

2005/03/24 WCRP新理事長に庭野日鑛氏

WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会は22日、大阪市大正区の金光教泉尾教会で第86回理事会・第83回評議員会を開き、任期満了に伴い役員を改選。白柳誠一理事長が31日で退任し、後任に庭野日鑛・常務理事(67、立正佼成会会長、新日本宗教団体連合会理事長)を選出した。また杉谷義純事務総長(元天台宗宗務総長)が退任することも決まった。庭野新理事長の任期は4月1日から3年間。(24-31合併号)

2005/04/07 天台宗が開宗1200年事業を発表

天台宗(西郊良光宗務総長)と比叡山延暦寺(森定慈芳執行)は3月28日午後、京都市内のホテルで会見を開き、今年営む「開宗1200年慶讃大法会」の諸行事を発表した。4月に「桓武天皇御忌1200年報恩法要」を営むのをはじめ、8月にアジアの仏教者を招いて「世界平和祈りの集い」を開催、10月には慶讃大法要、また4月から12月まで全国各地で特別授戒会を実施するなど、今年は行事が目白押し。西郊総長は慶讃事業の意義を「仏教復興運動、ないしは天台宗の復興運動だ」と強調した。

2005/04/07 大谷光道氏が内事を退去

真宗大谷派と争った内事建物等明渡し訴訟の和解にもとづいて同派前門首4男、大谷光道氏(大谷家当主)が3月31日、これまで拠点としてきた京都市下京区の同派内事建物を遂に退去した。同氏はこの日の出発式で右京区嵯峨鳥居本北代町に建立する新寺を「大谷本願寺」とすることを明らかにし、建立予定地で起工式も執り行った。

2005/04/07 大正大学の新校舎棟が竣工

東京・西巣鴨の大正大学(星野英紀学長)で3月29日、先頃完成した新教室棟(10号棟)の竣工式が挙行された。大正大学では創立70周年事業として、図書館や研究棟などの施設を建設していたが、教室棟の建設は昭和46年以来、36年ぶりのこと。竣工式には星野学長をはじめ、大学関係者が集い、新しい校舎の完成を祝した。新校舎は旧カフェテリアの位置に作られた鉄筋コンクリート造り5階建ての施設。1階にカフェテリアを配し、2階から5階までに60人~210の収納能力を持つ12の教室が設けられている。
各教室共にプロジェクターやプラズマテレビなどの本格的なAV機器が設置されており、視覚的な講義展開も可能なつくりとなっている。

2005/04/14 同宗連議長に安野兼司氏が就任

「『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議」は12日午後、静岡県熱海市のMOA瑞雲会館で第25回総会を開き、議長教団はじめ役員を改選。第13期(05・06年)の議長教団に世界救世教いづのめ教団(本部・熱海市)を全会一致で選出した。議長には同教団責任役員の安野兼司氏、事務局長には同じく山根憲次氏がそれぞれ就任した。この他、05年度の事業計画と予算案などを可決、また「人権侵害救済法案」の早期国会提出などを求める決議文を採択した。

2005/04/14 第29回正力松太郎賞受賞者に2氏が決定

(財)全国青少年教化協議会(全青協、齋藤昭俊事務総長)は第29回正力松太郎賞の受賞者を選出する選考委員会を3月31日に開催。審議の結果、静岡県富士市、曹洞宗永源寺の小島昭安住職(75歳、「子ども禅の集い」主宰)と、新潟県長岡市、真言宗豊山派千蔵院の諸橋精光副住職(51歳、画家、絵本・紙芝居作家)の2氏がそれぞれ受賞者に決定した。表彰式は5月23日、東京・文京区の東京ドームホテルで挙行される。

2005/04/14 金剛院仏教文化研が蘇州市仏教会と文化交流

八王子市仏教協会(大石皓二理事長)と中国・蘇州仏教協会(会長=明学法師)の仏教文化交流会が3月25・26日、蘇州市人民大会堂の会議室で開かれた。テーマは「中国・日本における仏教と民衆信仰について」。主に浄土教めぐって両国代表が発表し、それぞれの共通点や相違点などが提出された。また中国で地域レベルの仏教交流は珍しく、26日夕には蘇州市友好協会が夕食会が催すなど、仏教にかぎらず民間交流の面でも力をいれていた。
昨年4月に八王子市で開催された第1回に続いく文化交流は、蘇州市仏教協会や蘇州市当局などの招請により実現。八王子市仏教協会からは大石理事長(曹洞宗乾晨寺住職)や交流責任者の山田一眞・高野山真言宗金剛院住職(金剛院仏教文化研究所)、八王子市在住の中尾堯・立正大学名誉教授ら12人が訪中した。

2005/04/21 天台宗曼殊院 半田孝淳門跡が晋山

天台宗曼殊院門跡第41世に就任した半田孝淳門主(87)の晋山奉告法要が16日、京都市左京区の同院大書院で、また晋山祝賀会が東山区のホテルで盛大に執り行われた。宗内外の関係者、自坊・常楽寺(長野県上田市)の檀信徒はじめ半田門主を慕う人々が参列するなか、半田門主は「身命を投げ打って務めてまいりたい」と力強く決意を述べた。

2005/04/21 「宗教者九条の和」発足 宗派越え55人が呼びかけ

憲法九条を含めた憲法改正が現実味を帯びつつある中、仏教者やキリスト者らが結集して「宗教者九条の和」が発足した。15日午後には京都市上京区のホテルで記者会見を開き、九条改正反対をアピールした。
九条改正反対に関しては、すでに哲学者の梅原猛氏や作家の井上ひさし氏、大江健三郎氏ら著名人9人による「九条の会」があり、全国で同様の会が結成されているが、それを宗教界にも呼びかけていこうというのが発足の趣旨。「九条の和」の「呼びかけ人」は55人。伝統仏教から28人、キリスト教から24人、新宗教から3人で構成。
会見は、このうち16人が出席し、事務担当の一人、真宗大谷派僧侶の石川勇吉氏の司会のもと行われた。まず「九条の和」の「呼びかけ人世話役」の一人、大正大学元学長の村中祐生氏が日本の方向性について「国際社会からの不満や批判が募る中、日本はそのあり方を問われてきている。そういった中で私たちは今後”敵を作る文明”ではなく”和を作る文明”を方向としていきたい」とし、「それぞれの宗教が持っている共通の願いは平和である。和とは共存・共生・対話といった意味。現在の状況の中で宗教者が力を合わせ、心を一つにし、日本の国が誤らないための努力をお互いにしていかなければならない」と発足の意味を述べた。

2005/04/21 仏教伝道協会が設立40周年式典を挙行

(財)仏教伝道協会(沼田智秀会長、信楽峻麿理事長)は19日、東京・文京区の鎮山荘で仏教伝道協会設立40周年記念式典「釈尊を讃えて『伝道の集い』40年のあゆみ」を開催した。会場には仏教伝道協会と関係の深い仏教者、研究者、企業関係者など700人を超える参加者が来場。映像やアトラクションを通じ仏教伝道協会の40年間にわたる活動に思いをはせた。また当日は沼田会長や信楽理事長も「仏教こそが時代を救う鍵」「今後100年、200年にわたり仏教を広げて行きたい」と挨拶。今後の仏教伝道に向けた強い決意をアピールした。

2005/04/28 新撰組供養祭で土方歳三の位牌を開眼

真言宗豊山派寿徳寺(新井慧誉住職)と「近藤勇と新選組隊士の墓保存会」は24日、東京・板橋駅前の新選組隊士供養塔で、新選組隊士の墓前供養祭を厳修した。今年は新選組副長である土方歳三の137回忌にあたる事から、新井住職が新たに土方に戒名を授与。当日はその位牌の開眼も行われ関心を集めた。
供養祭では、まず新井住職が「持国院尚武歳誠居士」という戒名が刻まれた位牌を開眼。次いで読経の中を参列者順次が焼香し、志半ばで散った新選組隊士に思いを馳せた。
新井住職は「昨年は大河ドラマもあり盛り上がりを見せた。今年も余韻さめやらぬと感じる」と語り、「近藤、永倉、土方、隊士の位牌を揃えるという希望が実現した。ありがたいことです」と挨拶。
永倉新八の曾孫である杉村和紀さんも「素晴らしい慰霊祭を開いて頂き感謝している」と謝意を述べた。
また佐藤彦五郎(土方歳三の義兄)の子孫である佐藤福子さん(天然理心流佐藤道場16代目)も、土方歳三と佐藤家の関係を紹介し、「京都時代にも物心両面で支えたと聞いている」と紹介。土方歳三が多くの人に慰霊されていることへの感謝を改めて示した、
供養祭は大河ドラマ『新選組!』の影響もあり、女性を中心に多数が参列。中には隊士装束を纏い、熱心に手を合わせるファンもおり、今だ根強いブームの存在を実感させた。

2005/04/28 碑文谷創氏が「少子高齢化と葬儀」を講演

日蓮宗の在家出身僧侶で構成されるミトラサンガは22日、東京・大田区立池上会館で公開講座「少子高齢化と葬儀の行方」を開催した。当日はミトラサンガの関係者を中心に約40人が参加。講演を通じて、葬儀の現状を学んだ。
当日は雑誌『SOGI』編集長の碑文谷創氏が講師を務めて講演。碑文谷氏は「合計特殊出生率(女性が15~49歳の間に生む子どもの数)1・29人」という圧倒的な少子化時代を迎えたことで、「核家族や親戚関係などが解体・縮小し、死者と遺族の関係すら曖昧になってきている」と指摘。また「離婚の増加や晩婚化」、「世帯構造の変化」などにより、「従来の葬儀で行われてきた典型がなくなってきた」と主張。その傍証として「祭壇の売れ行きの激減」や、「葬儀における会葬者の減少」を挙げ、都内などでは既に「家族葬・直葬の実施率が10%を超える」との現実を明らかにした。
さらに講演では伝統仏教と葬儀の関係にも話題が及び、碑文谷氏は「寺が葬儀に対して力を失った原因」として、「亡くなった檀家との生前の関係が薄いからだ」と明言。その上で「死者本人のために行われない葬儀は遺族にも意味がない。事務処理的に行われる葬儀の意味を、原点に戻す必要があるのでは」とし、「(僧侶は)遺族へのサポートをいかに担うかが大事」と提言を行った。

2005/04/28 「宗内擯斥」から95年 内山愚童師の顕彰碑建立

明治期の「大逆事件」に連座して幸徳秋水らとともに死刑となった曹洞宗僧侶の内山愚童師(1874~1911)の顕彰碑除幕式と追悼法要が4月25日、愚童が住持していた神奈川県箱根町の林泉寺(木村正憲住職)で営まれた。事件と「宗内擯斥」から95年経て一つのけじめがつけられた。導師を務めた有惠宗宗務総長は「宗門の罪過を心より懺謝する」と改めて表明した。
「顕彰碑」の題字は、建立の趣旨と意義に賛同した宮崎奕保管長(大本山永平寺貫首)が揮毫。当日は曹洞宗内局から総長以下4部長、地元選出宗議会議員、神奈川第1・第2宗務所長、人権擁護推進本部関係者など宗門や檀信徒、そして内山家の親族、檀信徒など約100名が参列。最初の追悼法要は有田宗務総長を導師に本堂で執行。読経の中を全員が焼香し、愚童師を偲んだ。

2005/05/05 本願寺派特別総会 不二川公勝宗務総長が再選

浄土真宗本願寺派は4月27・28日の2日間、京都市下京区の宗務所で特別宗会を開催。議長に僧侶議員5期目の木下慶心議員(62、熊本教区勝明寺住職)、副議長に門徒議員4期目の上島弘議員(78、東京教区浄立寺所属)を選出、総長選では不二川公勝総長(68、備後教区明覚寺住職)を再選した。不二川総長は就任後、各会派から総務5人を選び、第2次不二川総局を発足させた。当面の課題である親鸞聖人750回遠忌基本計画策定について「秋までにやりたい」と話した。(5-12合併号)

2005/05/05 全日仏 タイで津波犠牲者追悼の法要を厳修

(財)全日本仏教会(全日仏、藤井日光会長・里見達人理事長)は今月8・9日の両日、タイ政府の要請を受けて昨年末の津波災害で大打撃を受けたタイ南部の観光地2カ所を訪れ、犠牲者追悼と復興を祈念する法要を厳修した。法要は会長出身宗派である日蓮宗で営まれ、地元に滞在する日本人も参列した。また全日仏と日蓮宗総本山身延山久遠寺が義援金としてタイ政府および世界仏教徒会議(WFB)に各100万円、総額400万円を寄託した。(5-12合併号)

2005/05/05 ハンス・キュング氏に庭野平和賞を贈呈

(財)庭野平和財団(庭野日鑛総裁、庭野欽司郎理事長)は11日、第22回庭野平和賞を受賞したドイツのカトリック神学者で「地球倫理財団」会長のハンス・キュング博士(77)を迎えて、東京・内幸町の日本プレスセンターで贈呈式を挙行。諸宗教が有している普遍的な倫理から「地球倫理」を提唱したキュング博士に相次いで賛辞が贈られた。キュング博士は記念講演で経済や情報のグローバル化と同時に「地球倫理」のグローバル化を訴えた。(5-12合併号)

2005/05/19 地域交流拠点「大正さろん」がオープン

大正大学(星野英紀学長)は15日、新たに設立した地域交流拠点「大正さろん」のオープニングセレモニーを開催した。「大正さろん」は地域住民と学生の世代間交流の場として、大学近くの「庚申塚商栄会」の一角に開設された施設。当日は運営にあたる大正大学のNPO法人「でもくらしぃ」(多田孝正理事長)の関係者をはじめ、地域住民、学生など約40人が集い、施設のオープンを祝った。
「大正さろん」は、「でもくらしぃ」に参加する大学院生らが中心となり企画。昨年の夏頃から地域住民や商店街などとミーティングを重ね、今年2月からは仮オープンを行っていた。活動内容は学生に一任されており、利用者の声をもとに柔軟に対応する方針。大正大学が開設した「ネクスト・コミュニケーション・コース(NCC)」での利用も計画されており、地元商店街からは「地域振興に一役買ってくれるのでは」との期待が高まっている。

2005/05/19 曹洞宗 反日デモ憂慮し中国政府に親書を手渡す

中国での反日デモが相次いだことを憂慮し、曹洞宗は有田惠宗宗務総を団長に曹洞宗平和友好訪中団が5月8日から10日まで北京を訪れ、中国政府首脳に永平寺・總持寺の両大本山禅師連名の親書を奉読し手渡した。曹洞宗側は事態沈静化と正常化に敬意を表すると共に、改めて友好継続を表明した。
4月の反日デモに対して事態改善のため親書を送付することも検討したが、2度にわたり中国政府に招かれて公式訪問するなど実績があることから直接訪問の道を探っていた。これまで同様、中国首脳部と強いパイプを持つ宗門寺院の徒弟で尾崎行雄記念財団理事の萩原直三氏が仲介し、特別随行として訪問団に加わった。

2005/05/19 倫理教育委員会実動へ 都内で第一回会議

妙智會教団のありがとう基金(総裁=宮本丈靖会長)は15・16日の両日、都内で宮本総裁が提唱した「倫理教育委員会」の第1回会議を行い、その必要性を再確認すると共に困難な状況下にある子どもたちのために地域社会での実施が急務だとするメッセージを発信した。16日には国連大学で倫理教育委員会の委員やをパネリストに公開シンポジウム「倫理教育と人類の未来」が開かれた。ヨルダン人である子ども代表からの取り組みのほか、30万人いる少年兵の問題などが提起された。

2005/05/26 真宗大谷派 親鸞聖人750回遠忌に向けテーマ発表

真宗大谷派(熊谷宗惠宗務総長)は20日午後、6年後の2011年に迎える宗祖親鸞聖人750回遠忌へ向けて京都市下京区の本山御影堂門横に遠忌を告知する高札を掲げ、また阿弥陀堂で「お待ち受け大会」を挙行した。大会では、遠忌法要日程(同年3月から5月までと11月の正当報恩講)と同テーマ《今、いのちがあなたを生きている》を発表。熊谷総長は、真宗同朋会運動の根幹となったという宗学者・曽我量深氏の言葉「信に死し願に生きよ」を引用しつつ、「私たちはこの言葉を原点として起ち上がろうではありませんか」と、参列した宗門関係機関の代表者800人と一般参拝者700人に呼び掛けた。

2005/05/26 全日仏のルンビニー事業が完結

全日本仏教会(全日仏)の懸案だったルンビニー園復興事業完結となるマヤ堂考古学調査報告書が完成し24日夕、都内のホテルで報告会とレセプションが催された。釈尊生誕の場所を特定するとされる「印石」発掘により、「歴史的・文献学的・宗教的な意義がある」(奈良康明氏)という評価もなされたが、25年経ての完了に関係者も安堵した様子だった。
全日仏が作成・刊行したマヤ堂の考古学調査に関する書籍は、学術的専門的な内容をもつ『マヤ堂考古学報告書』(一部英文)と、それを要約し事業の経過をまとめた一般向けの『ルンビニー園復興事業の歩み』の2冊。約100人の出席者には『歩み』が配布された。

2005/05/26 天台宗四国教区 別当大師像を製作・奉納

天台宗四国教区(関秀圓宗務所長)が、開宗1200年記念事業の一つとして、開祖である最澄に仕え、裏方として生涯を天台宗の経営と維持に捧げた光定法師(別当大師)の坐像を製作。総本山延暦寺(滋賀県大津市)に奉納し、慶讃大法会期間である2008年3月末まで境内大講堂で参拝者に一般公開している。
光定法師(779~858)は伊予の国風早郡(現=愛媛県松山市)に誕生。比叡山における大乗戒壇の公認と建立に尽力した。また円澄(寂光大師)を二代目座主に推挙、三代目座主の円仁(慈覚大師)の入唐を支援するなど常に縁の下の力持ちとして活躍した。
開宗1200年の節目に光定法師の功績を再認識しようという趣旨で、法師の生まれ故郷である四国教区が主体となり製作。製作者は松山市在住の仏師、石田嵩治・元治さん父子。像は高さ約75㌢のほぼ等身大で、厨子付き。素材は楠。
裏方に徹していたためか一般的な認知度は低く、一般参拝者の中には先々代の山田恵諦座主と間違える人も。同像は慶讃大法会終了と同時に、比叡山麓坂本の別当大師堂に移され、安置される予定。

2005/06/02 本願寺派 35年ぶりに賦課金制度を抜本改正

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)は5月25・26日の両日、京都市下京区の宗務所で第277回臨時宗会(木下慶心議長)を開催。不二川総局は、現行賦課制度を定めた「賦課基準規程」と「賦課手続規程」を廃止し、新賦課制度を制定する「賦課金規程」案と関連する今年度宗派予算追加案を提出し、可決された。新制度は今年度から適用されるが、共に採用されるはずだった新たな護持口数は未調整教区があるため見送られ、今年度に限り護持口数は現行のものを採用することにした。今年度の調査期日は7月1日とし、賦課金告知書は8月末までに送付、納付は前期が9月1日から10月末まで、後期が11月1日から12月末までとした。

2005/06/02 佛教大学四条センターで岩下哲士展

佛教大学四条センター(京都市下京区)で5月23日から28日まで6日間、水彩・パステル画家として国内外で幅広く活躍する岩下哲士(36)さんの絵画展「岩下哲士展―仏といのち―」が開催され、仏や生き物、風景画など33点の絵画が展示された。

2005/06/02 全仏婦会長に大谷貴代子東本願寺大裏方が就任

全日本仏教婦人連盟(全仏婦、島田喜久子理事長)は25日、東京・柴又の日蓮宗題経寺で、平成17年度の総会を開催した。総会では任期満了に伴う役員人事が行われ、二条恭仁子前会長(平成13年就任、元WCRP婦人部会長)の逝去により空席となっていた会長に大谷喜代子氏(東本願寺派大裏方)が、副会長に稲山霊芳氏(念法眞教燈主)ら3氏の就任がそれぞれ承認された。
総会では平成16年度活動報告、平成17年度事業予算案、役員人事の三議案を審議。林惠智子事務局長が中心となり、全仏婦が推進する「花の種運動」「里親運動」「文化交流」「負けないぞう(一本のタオル運動)」など事業報告や決算報告などを行った。
今総会の目玉である役員人事に関しては、前会長の死後、大賀副会長が代行していた会長職に注目が集まったが、昨年末の理事会で、「正式な会長の選出」に理解が示されたこともあり、新たに選出することを決定。
「会長・副会長は象徴的存在として推戴する」という規程に従い、事前に大谷喜代子裏方と稲山霊芳燈主への推戴がなされ、本人から内諾を得ていたこともあり、ほか2名の副会長(留任)とあわせて就任が承認された。
4代目となる大谷喜代子会長は、故大谷光紹・東本願寺(旧東京本願寺)法主の妻で、現在の光見法主の母親にあたる。故光紹法主の母が故大谷智子会長(当時東本願寺裏方)であることから、大谷家の2代にわたる会長就任となった。

2005/06/09 日光山輪王寺 菅原栄光第84世門跡の晋山式を挙行

静岡・清水市の日蓮宗本山龍水山海長寺は17日、小倉日浄第69世貫首と菅野日彰(啓淳)第70世貫首の法灯継承晋山式を挙行した。当日は岩間湛正宗務総長や井上瑞雄身延山総務、池上本門寺の酒井日慈池上本門寺貫首などの宗内重役をはじめ、宗会議員、法縁、双方寺院の檀信徒など約780人が列席。晋山式直前には、宗立谷中学寮の寮監だった菅野氏を慕う、学寮出身者が、晋山行脚行列を行い、両貫首に対して最大の敬意を表した。

2005/06/09 全日仏が「個人情報保護法」で研修会

(財)全日本仏教会(全日仏、里見達人理事長)は3日、東京・芝公園の大本山増上寺三縁ホールで、この4月に施行された「個人情報保護法」に関する研修会を開催。コンピュータやインターネットなどデジタル化社会にあって、寺院や教団の個人情報の保護や管理等について学んだ。
加盟団体から150人余が参加した研修会では、最初に里見理事長が趣旨を踏まえながら「個人情報に対し寺院や教団はより慎重に、より大切に管理していかなければと考えている」と挨拶。続いて4人の講師が法律や運用面から講演した。
全日仏顧問弁護士である長谷川正浩氏は、「個人情報保護に関する法律」を解説。5千人以上の個人情報を有している場合に「個人情報事業者」となるが、宗教活動に対しては適用されないものの、法律を遵守する義務があるとした。条文では「個人情報」とは「生存する個人に関する情報」で、氏名や生年月日などが相当し、コンピュータなどに入力された情報などが含まれる。
寺院においては、過去帳や現在帳など檀信徒の情報を抱えているが、「檀家さんの情報はお寺や宗門のものではなく、檀家さんのもの。お寺は檀家さんの情報を預かっているという意識を」と説いた。またこうした情報の利用目的を明確にすることや本人から問い合わせがあった場合には誠実に対応することの必要性も訴えた。

2005/06/09 京都・西山別院で第35回実践布教研究会

(財)仏教伝道協会(沼田智秀会長)は1日から3日まで、「第35回実践布教研究会」を京都市西京区の浄土真宗本願寺派西山別院で開催した。「布教伝道―普賢菩薩に学ぶ」と題した今年の研究会には各宗派の僧侶・尼僧・寺族・坊守ら総勢48人が参加。仏教の原点から現代の仏教教団の抱える問題などを学んだほか、テーマごとに班に分かれ議論する分科会などを行った。

2005/06/16 人類愛善会が「モンゴルセンター」を開設

昨年6月のモンゴル訪問を機に同国と交流を進めてきた大本の外郭団体・人類愛善会(会長=島本邦彦大本本部長)はこのほど首都ウランバートルに「モンゴルセンター」を開設、同会創立80周年となる6月9日、現地で発会式を挙行し、新たなスタートを切った。
同会は昨年6月、出口王仁三郎初代総裁の入蒙80周年記念の訪問を機にモンゴル仏教ガンダン寺や政府関係者と交流を進め、昨年11月には亀岡市でガンダン寺関係者らを招き交流を深めてきたところ。こうした縁からセンター開設の運びになった。同センターは、事務局長に就任したA・バドバヤル氏が経営する「エコ・トレード&トラベル社」に仮事務所を設置。今後はここを拠点に自然保護の啓発、低農薬・有機栽培などの農業技術指導、社会的弱者への食糧・医療・教育支援を実施していく方針だ。

2005/06/16 大谷派宗議会 内局不信任案を否決

真宗大谷派宗議会(藤田智賢議長)で10日、教学研究所長解任問題の責任を追及する無所属議員とグループ恒沙議員が内局不信任決議案を提出し、採決が行われた。結果は、与党・興法議員団の他、真和議員団の議員の多くが反対に回り、賛成20票に対し、反対44票で否決された。不信任決議案が出れば、興法議員団からも同調者が出るとの推測もあったが、結局賛成する議員は出なかった。ただ、同議員団のベテラン、調紀(しらべ・おさむ)議員はこの日欠席した。

2005/06/16 全日仏青 新理事長に坂本観泰氏が就任

全日本仏教青年会は10日、東京・芝公園の東京グランドホテルで定期理事会を開催。羽生裕彦前理事長に代わり、坂本観泰理事長(天台仏教青年連盟)の下の新体制が発足した。坂本新理事長は活動の指針として、2008年の世界仏教徒会議の受け入れ態勢の基盤づくりを強調。仏教青年会同士や全日本仏教会との関係強化を目標とした。

2005/06/23 本願寺派東京教区寺族連盟が結成10周年式典を挙行

浄土真宗本願寺派の東京教区寺族女性連盟は17日、東京の築地本願寺で、結成記念10周年記念行事を開催。都内をはじめ教区内の栃木、茨城、神奈川などから約180人が参加した。式典では全員が声を合わせて営んだ音楽法要の後、浅井成海氏が記念講演を行った。()23-29合併号)

2005/06/23 曹洞宗 多々良学園問題で再建支援プロジェクト発足

曹洞宗(有田恵宗宗務総長)は27日、東京・芝の宗務庁に第96回通常宗議会(佐藤良彦議長)を招集。昨年4月に全面移転した宗門関係学校の多々良学園(山口県防府市)について、「事業計画の資金繰りに厳しい状況が続いている」と説明すると共に、学園理事会の会議の結果、「仮称『再建支援プロジェクト』を発足させ、学校再建にむけ取り組んでいくとの報告を受けている」と、楽観視できない経営環境に直面していることを明らかにした。(23-29合併号)

2005/06/23 日韓仏教文化交流大会で日本の戦争責任を謝罪

日韓・韓日仏教文化交流大会の第26回大会が15日、韓国・忠清南道の曹渓宗徳修寺で開催された。当日は日韓仏教交流協議会(会長=宮林昭彦浄土宗大本山光明寺法主)、韓日仏教文化交流協議会(会長=金法長・曹渓宗宗務院長)から約300人が参加。「自然環境と生命倫理」をテーマした大会を通じ、両国仏教徒の連帯と、環境・生命倫理問題に向けた取り組みが呼びかけられた。また大会では宮林会長が日本の戦争責任について正式に謝罪。その様子は韓国メディアにも大々的に報道され、「これまでにない意義ある大会」との評価も聞かれた。(23-29合併号)

2005/07/07 ネパールにルンビニー事業の最終報告書を贈呈

釈尊生誕地であるルンビニー園マヤ堂の考古学調査を実施していた(財)全日本仏教会(全日仏)では、最終報告書『ルンビニーマヤ堂考古学調査1992―1995』(一部英文)が完成したのを受けて先月、職員ら3人がネパールを訪問。ルンビニー開発トラスト(LDT)やネパール政府考古局(DOA)関係者に報告書とその英文ダイジェストを贈呈した。
同国を訪れたのは全日仏ルンビニー委員会の渡邊宗徹副委員長、齋藤明聖事務総長、壽山良光国際文化部長の3人。6月21日、カトマンズ市内のホテルで報告書の刊行記念式典とレセプションを開いた。
ネパール側からはブッディ・ラジ・バジュラチャーリヤ文化観光航空大臣(LDT委員長)、オムカール・プラサド・ゴーチャンLDT副委員長、ゴビンダ・チトラカール事務総長、DOAや政府関係者およびマスコミが詰めかけた。駐ネパール日本大使館から平岡邁大使はじめ書記官、現地在住日本人が参席したほか、ユネスコ・カトマンズ事務所の菅野琴所長も出席した。

2005/07/07 金峯山寺で「修験道大結集」が結願

修験道の聖地・大峰山や大峯奥駈道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されたのを記念し、昨年7月から全国の修験道教団が奈良県吉野町の金峯山寺で執り行ってきた「修験道大結集・祈りの大護摩供」が6月31日に結願を迎え、同日、最後の大護摩供と記念式典が同寺蔵王堂前で執り行われた。記念式典では「平和の祈りメッセージ」を発信し、一年間の行事を締めくくった。

2005/07/07 花岡事件から60年 中国人殉難者を追悼

過酷な労働のなか飢えと虐待に抗して中国人労働者が一斉蜂起した「花岡事件」から60年を迎えた1日、地元の秋田県大館市花岡の曹洞宗信正寺(蔦谷達徳住職)で、「七月一日『花岡事件』慰霊供養の集い」が事件の検証作業を進めている有志らの手で開かれた。集いは実行委員会形式で開かれ、代表はルポライターの石飛仁氏。『花岡事件』(現代書館)『中国人強制連行の記録』(三一書房)といった関連書籍を上梓している。知人らと共に日本国内在住の花岡事件生存者や中国にわたっての聞き取り調査などを継続し、今なお不明な点が多い花岡事件の検証を進めている。
集いは午後4時半から本堂裏山の「中国人殉難者供養塔」に、中国の天津に安置されている名前の付いた207人分の納骨箱の写真を飾ることから始まった。心配された雨もこの時はやみ、全員で黙祷を捧げて追悼した。

2005/07/14 天台宗ニューヨーク別院の本堂が落慶

北米で唯一の天台宗寺院、天台宗ニューヨーク別院慈雲山天台寺(聞真・ポール・ネエモン住職)の本堂が完成し、6月25日、ニューヨーク州ケイナンにある同寺で落慶法要が営まれ、西郊良光宗総長はじめ日本から100人が参列、米国側信徒らを合わせて300人が完成を祝った。

2005/07/14 「人生にコールドなし」三宅高校野球部が初戦敗退

日蓮宗僧侶の山本政信監督(三宅島・善養寺住職)が率いる都立三宅高校野球部が2年ぶりに夏の全国高校野球・東京大会に復帰。12日、東京・江戸川球場で都立青山高校との初戦に臨んだ。試合は都立青山高校の猛攻を許し2対34のコールド負け(5回)となったが、三宅高校が陣取る一塁側スタンドからは「三宅島頑張れ」「楽しんでいけ」など、ナインを激励する声援が溢れた。

2005/07/14 WCRP事務総長代行に畠山友利氏が就任

(財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会は6日、東京・代々木の神社本庁で理事・評議員会を開き、庭野日鑛理事長(立正佼成会会長)は空席になっていた事務総長人事について畠山友利事務次長を事務総長代行として起用することを発表した。これにより来年8月京都で開かれる第8回世界大会の体制が固まった。また3期9年を務めた前理事長の白柳誠一氏(カトリック枢機卿)に名誉理事長の称号が贈られた。

2005/07/21 奈良宗教者フォーラムに仏教者72人が参加

「日本のこころと宗教の役割」をテーマに第2回「奈良県宗教者フォーラム」(主催・同フォーラム実行委員会=北河原公敬東大寺執事長)が16日午後、奈良市の東大寺で開かれ、参加した県内の仏教・神道・キリスト教・新宗教の宗教者ら72人が宗教情操教育などについて研修し、また親睦を深めた。
同フォームは昨年11月、「日本宗教のあけぼのの地」奈良から宗教の役割を考えようと東大寺・薬師寺・法隆寺・春日大社・橿原神宮など奈良を代表する寺社を含む各宗派・宗教の宗教者で設立。事務局は立正佼成会奈良教会に置いている。
第2回フォーラムでは東大寺大仏殿で森本公誠・同寺別当を導師に世界平和を祈る法要を執行。その後、同寺金鐘会館で学習会を行った。

2005/07/21 鉄舟忌法要に中曽根康弘元総理が参列

東京・谷中の臨済宗国泰寺派全生庵(平井正修住職)で19日、鉄舟忌が営まれた。鉄舟忌は同山開基である山岡鉄舟(1836―1888)の命日にあわせ、毎年行われている恒例の行事。当日は檀信徒を中心に約70人が参加し、法要や講話を通じて、その業績に思いを馳せた。
法要は平井住職が導師を務め厳修。国泰寺派妙音会による尺八演奏の後、参列者全員が読経・焼香を行い、山岡鉄舟に対し追悼の誠を示した。
平井住職は法要後の挨拶で「幕末から明治の転換期にかけて多くの人が活躍したが、没後100年を経て、これほどの法要を営んで貰えるのは山岡先生をおいて他にはない」と謝意を表明。
来賓として挨拶した中曽根康弘元首相も、「戦後60年が経過した今、この国の基礎を固めることが大事」と指摘し、「日本が主体性を持って行動していくためにも憲法改正が必要、それこそが鉄舟先生の意志のもとに我々がやることだ」と憲法改正の必要性を訴えた。

2005/07/21 憲法九条めぐり超宗派の討論集会を開催

宗派間の枠を超えた〈討論集会「いま平和を求めて」実行委員会〉は3度目となる討論集会を8日、東京・芝公園の大本山増上寺地下ホールで戦争放棄を規定した憲法第9条に対して宗教者の視点から議論。神道関係者は9条を問題としたほかは、現行憲法の意義と認めたが、宗教がもつ「理想」と国内外の政治に見られる「現実」の狭間で苦悩する宗教者の様子を浮かび出させた。
昨年3月と7月に続く今回のテーマは「国のかたちと憲法9条・宗教者としてどう見るか」。事前登録者を超える教団を含む40団体から80人余が参加し、パネルディスカッションとグループ討議(5分科会)、全体討議が相次いで開かれた。

2005/08/04 佛教大学が保健医療技術学部を開設

浄土宗の宗門大学、佛教大学(福原隆善学長、京都市北区)は25日午後記者会見を開き、06年4月に開設予定の保健医療技術学部(理学療法学科・作業療法学科)設置について説明した。
佛大の新学部設置は03年の社会福祉学部設置以来3年ぶりになる。現在は文科省に申請中で、認可が下りるのは早くて9月頃。
新学部では理学療法士と作業療法士を養成。卒業時には学士・学位と専門の国家試験受験資格が与えられる。京都府下で各療法士の養成校が不足していることの他、学生募集が開設の理由。
新学科の実習教育では、京都市内の複数の民間医療法人と協定を結び、講義を進めていく。定員は両学科ともに40人の計80人。教員18人は新規採用する予定。

2005/08/04 本願寺派 大遠忌に向け長期計画を決定

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)は7月27日から29日まで京都市下京区の宗務所で臨時宗会(木下慶心議長)を開き、親鸞聖人750回大遠忌の法要・記念事業を中心とする8月1日から平成29年3月末まで12年間の宗門長期振興計画の収支計画(総予算)を決めた。収支計画の総額は260億円。うち240億円は一般寺院等からの懇志で賄うとした。不二川総長は長期計画のコンセプトを「新たな始まり~明日の宗門の基盤作り」とし、その目標を「遠忌法要の修行」と「現代社会に応える教学・伝道態勢の構築とみ教えに生きる『人』の育成」であることを発表した。

2005/08/04 「幼保一元化」テーマに日仏保が夏季講習会

日本仏教保育協会(上村映雄理事長)は22・23日の両日、東京・港区の浄土宗大本山増上寺で、「第73回夏季保育講習会」を開催した。当日は仏教系幼稚園・保育園の教職員約200人が参加。講演やディスカッションを通じ、仏教保育のあり方について理解を深めた。
講習会は4月から始まった「幼保一体型総合施設」の試験運用や、「少子化と幼児教育」に絡む中教審の報告に焦点をあてて実施。歌や童話といった演習と併せ、「幼児教育における保護者のケア」といった、新しい課題についても講義がなされた。

2005/08/11 高野山大学で「医療と宗教」の寄付講座を開設

高野山大学(生井智紹学長)は医療に宗教がどう関わることができるかを探る寄附講座を開設するにあたり1日、両分野の専門家でつくる「21世紀高野山医療フォーラム」(柳田邦夫理事長)を立ち上げた。同フォーラムが主体となって11月以降、全国で講演会やシンポジウムを開催し、この分野の啓蒙活動に取り組む考えだ。
開設される寄付講座は医薬品の研究開発等を請け負う㈱新日本科学(本社・東京都千代田区)の永田良一社長が「人類に実在する苦痛からの解放に高野山がかかわれるのではないか」と、高野山大理事の池口恵観氏の紹介で同大に開設を申し出た。これを受けて同フォーラムを立ち上げた。
会合ではフォーラムの会則や今後講演会やシンポを開催することの他、理事長に柳田氏を選出。第1回シンポを11月3日(時間未定)、東京・有楽町の東京国際フォーラムで「医療とこころ」をテーマに開催することも決めた。寄付講座はこれを皮切りに5年間継続する予定。

2005/08/11 WCRP京都大会のテーマが決定

(財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(庭野日鑛理事長)は4日、東京・立正佼成会普門館国際会議場で来日中のウイリアム・ベンドレイ国際委員会事務総長を迎えて第8回WCRP(世界宗教者平和会議)京都大会にむけて学習会を開いた。ベンドレイ事務総長は大会テーマ「平和のために集う諸宗教(Religions for Peace):暴力に向かい、共通の安全を促進するために」を発表し、その内容などを話した。
京都大会は来年8月26日から4日間にわたって行われる。

2005/08/11 「宗教は平和の架け橋に」比叡山で祈りの集い

天台宗(西郊良光宗務総長)と比叡山延暦寺(森定慈芳執行)の主催する「世界平和祈りの集い」が今年はアジアの仏教者を招いて3、4日、東山区のホテルと大津市の比叡山延暦寺で開催された。「平和の架け橋を求めて―アジア仏教者との対話集会」をテーマに2日間にわたって記念講演やシンポジウム、「平和の祈り式典」が開かれ、同式典では国内の宗教指導者や信徒、またアジア仏教者11人を含む海外宗教者13人を加えた総勢約1000人が参集し、未だ紛争の止まない世界の平和実現を祈った。

2005/08/18 京都・宗教系大学院連合が発足

京都にある宗教系の5つの大学・大学院と高野山大学大学院が7月31日、「京都・宗教系大学院連合」(以下、「連合」)の設立に合意、06年4月から大学院間の単位認定制度を開始するなど学生・院生・研究者の交流を一層進める。
「連合」設立に合意したのは、大谷大学大学院(文学研究科)、同志社大学大学院(神学研究科)、佛教大学大学院(文学研究科)、龍谷大学大学院(文学研究科)の4大学院と種智院大学(仏教学部)、そして高野山大学大学院(文学研究科)。
宗教系の大学院や教育研究機関がネットワークを構築・公開して研究活動を活性化し、また院生らが自らの宗教伝統だけでなく他宗教について認識を深めることで、次世代の研究者・宗教指導者の養成に貢献することなどを目指す。
加盟大学院間の単位認定制度を来年4月から開始。種智院大学の学生も加盟大学院で学部と大学院の両方に設置されている科目を履修でき、逆に加盟大学院院生が種智院大の講義を履修もできるようになる。
この他、学術情報の交換、国内外の研究者との交流、講演会・シンポジウムの共同開催など交流を進める。

2005/08/18 終戦60年迎え千鳥ヶ淵墓苑で慰霊の式典・法要

終戦60年となる8月15日をはさんでの追悼・平和祈願行事が東京・国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で相次いで営まれた。小泉純一郎首相は15日、日本武道館での政府式典に先立ち千鳥ヶ淵墓苑を訪れ献花した。また前日の14日夕刻から新日本宗教団体連合会(新宗連)による式典、翌15日には炎天下のもと日蓮宗主催の法要が営まれた。

2005/08/18 浄真寺で3年に一度の「お面かぶり」を厳修

東京・世田谷区の浄土宗浄真寺(清水英碩住職)で16日、3年に一度の「二十五菩薩来迎会」(お面かぶり)が厳修された。悪天候にも関わらず近隣住民や檀信徒など約千人が参詣。境内も「お面かぶり」を一目見ようと集う大勢の家族連れで賑わいを見せた。当日は清水住職を導師にし、午前11時と午後5時の2回にわたり「お面かぶり」を実施。中でも午前の部では上品堂と本堂を繋ぐ橋の周囲に大勢の信徒が集結。「観世音菩薩」から始まる25菩薩の登場と同時に、大きな歓声が上がった。
当日は清水住職を導師にし、午前11時と午後5時の2回にわたり「お面かぶり」を実施。中でも午前の部では上品堂と本堂を繋ぐ橋の周囲に大勢の信徒が集結。「観世音菩薩」から始まる25菩薩の登場と同時に、大きな歓声が上がった。

2005/08/25 仏教看護・ビハーラ学会が長野で第一回大会

昨年12月に発足した仏教看護・ビハーラ学会(藤腹明子会長)は19日から21日まで、長野・善光寺で第一回目となる年次大会を開催した。「宗派意識を超えて、仏教的な看護、ケアを学ぶ」という趣旨を踏まえ、超宗派の善光寺で実施。ターミナルケアやビハーラ活動に関わる医療者や僧侶、研究者など約100人が参加し、シンポジウムなどを通じて、仏教的なケアのあり方を学んだ。
なお、同学会は今後も寺院を中心に開催していく方針。次回は来年8月、大阪・四天王寺で開かれる見込み。

2005/08/25 仏教伝道協会がカンボジアに学校を建設

(財)仏教伝道協会(沼田智秀会長)が昨年9月、カンボジア・タケオ省の「Sok An 1st May高校」に寄付した校舎が先頃、無事に完成した。
校舎建設は昨年9月に行われた「第21次国際文化交流カンボジア王国訪問団」の派遣に伴い、カンボジア政府から依頼されたもの。仏教伝道協会では、これを受け、贈呈式当日に『仏教聖典』(和英対照版5千冊、カンボジア語版5千冊)、カンボジア仏教学院用のパソコン(5台)と共に、学校建設費用3万ドルを贈呈していた。
工事は昨年10月に開始され、今年7月に完成。仏教伝道協会の従来の活動とは一線を画す、異例の支援事業となったが、現地では既に授業も開始されており、「送られてきた写真からも学生の授業に伴う真剣な眼差しが伝わってくる」と関係者を喜ばせている。

2005/08/25 アンコールワットでアジア子ども文化祭

(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA、松永然道会長)は今年12月16日から20日まで、カンボジアの世界遺産であるアンコールワットで第10回アジア子ども文化祭を開催する。日本を含む7カ国の子どもたちが交流すると共に伝統舞踊などを披露する。アフガニスタンが初参加する。
日本からは昨年の中越地震で被害を受けた新潟県十日町市の中学生8人による和太鼓グループの参加が決まった。

2005/09/01 世界仏教徒会議日本大会は2008年に決定

(財)全日本仏教会(全日仏、里見達人理事長)は30日、京都市のホテルで、寄附行為や事務総局規程を変更する「改革推進委員会答申」と記念式典などを実施する「財団創立50周年記念事業」を議案とする理事会・評議員会を開き、全会一致でこれを承認した。WFB(世界仏教徒連盟)世界仏教徒会議日本大会が2008年に東京で開催されることも正式に決定した。この他、9月11日の衆議院議員選挙の対応に関しては、すでに自民党、民主党の複数の候補者に推薦状を出したことが報告された。

2005/09/01 佐賀曹青「緑陰禅の集い」に車椅子の参加者も

佐賀県曹洞宗青年会(関元峰会長)は27・28日、市内の広厳寺(大宅弘海住職)で夏期恒例の一泊坐禅会「緑蔭禅の集い」を開催。20代から70代まで21人が参加し、坐禅のほか写経や精進料理、法要などを通じて曹洞宗の禅風に触れた。
今年で38回目となる集いの開講式では、終戦60年法要と平和を祈念する法要を併せて執行した。オリエンテーションなどを経て、会場を提供している大宅住職が参加者に歓迎の挨拶。2年続けての開催だが、昨年も好評だった温泉を改めてピーアールした。

2005/09/01 新宗連憲法研が「9条改定」問題で政党に意識調査

(財)新日本宗教団体連合会(新宗連)の憲法研究会(力久隆積座長)は26日、憲法9条と20条に関する各政党アンケートの回答を公表した。9条に関して自民党は自衛軍保持を明確にするとし、民主党も「自衛権」を憲法に位置づけるとしている。宗教関連団体が独自に行った質問に対する回答を公にするのは異例のことで、憲法改正論議への関心を高める効果を狙ったものとみられる。

2005/09/08 西本願寺阿弥陀堂に男が乱入 本堂内に灯油を散布

2日午前、京都市下京区の浄土真宗本願寺派本山総御堂(阿弥陀堂)に刃物をもった男が侵入、内・外陣などに灯油を撒く事件が起きた。異変に気づいた宗務員が110番通報、男は駆けつけた警察官に銃刀法違反と建造物侵入容疑で現行犯逮捕された。男は、首相・閣僚の靖国参拝に反対する同派の姿勢への不満から犯行に及んだ模様だ。
現在京都府警による捜査の段階で犯行の具体的様態や動機は明らかになっていないが、一般紙の報道や同派広報担当者の話によると、逮捕された男は、大阪府堺市の自称右翼団体構成員(28)。男は同日午前10時40分頃、阿弥陀堂北側から堂内に侵入、本尊前の内陣や外陣、また本尊に向かって左側の御真影が仮安置されている須弥壇前にも灯油を撒いた。犯行時は、閣僚の靖国参拝に反対する同派の姿勢へ不満を口にし、また靖国問題で同派を批判するB4判の声明文を所持していたという。

2005/09/08 曹洞宗が「カトリーナ」被害で日赤に500万円を寄託

米国南東部で猛威をふるったハリケーン「カトリーナ」の被害に対して曹洞宗(有田恵宗宗務総長)は5日、有田総長はじめ葦原正憲教学部長、乙川暎元総務部長ほか職員含む5人が都内の日本赤十字社を訪れ、大塚義治副社長に500万円を寄託した。

2005/09/08 「全国日蓮宗女性教師の会」が発会奉告式を厳修

全国日蓮宗女性教師の会(伊藤美妙会長)は30日、東京・池上の宗務院で、第1回総会を開催した。発足後初となる総会には、管区、教区の代表者をはじめ約80人の女性教師が参加。伊藤会長、田端義宏伝道部長などが挨拶し、同会の今後に向けた抱負や期待を語った。
総会後には会場を池上本門寺に移し発会奉告式も執行。散華、読経に続き伊藤会長が奉告文を奉読し、「会員一丸となって立正安国の精神を広め、世界平和の実現に努める」との決意を確認した。
全国日蓮宗女性教師の会の参加者は8月30日現在で196人。日蓮宗女性教師(1001人)の約2割が同会への参加を表明したことになる。

2005/09/15 日蓮宗 戦後60年を機に宗門の戦争責任を討議

日蓮宗現代宗教研究所(田澤元泰所長)は7・8日の両日、東京・池上の宗務院で第38回中央教化研究会議を開催した。会議には日蓮宗教師約100人が参加。「日蓮宗の教化学を考える―教団の歴史から考える戦争と平和」をテーマに日蓮宗の戦争責任や皇道仏教問題について討議した。
会議は「戦後60年の節目に、日蓮宗の総括をしたい」との目的で企画され、今後に向けた具体的提案が期待されたが、現実と理想の折り合いがつかないままに終了。翌日の全体会議では「日蓮宗として今後も平和問題を考えていくべき」との提言もなされたが、「今後の検討課題にしたい」との回答に留まった。(15-22合併号)

2005/09/15 全日仏推薦候補が80人当選

第44回総選挙で(財)全日本仏教会(全日仏)では、推薦候補98人のうち80人が当選した。当選したのは自民党56人、民主党21人、無所属3人。加盟団体を通じての推薦だが、推薦に際しては全日仏の活動を理解していることのほか、誓約書添付が条件となった。
当選者の中には「比例は公明」と叫んだ候補者も含まれる。全日仏は政教分離の観点から公明党の政権与党入りを批判してきた経緯があり、今後の国政選挙で推薦基準の在り方など対応が迫られそうだ。
また今回の総選挙では、自民党が圧勝したが、同じ与党である公明党は3議席減らし31議席になった。比例区の得票数をみると、公明党は過去最高の898万票を獲得。しかし総得票数の増加に比して前回より25万票増にとどまった。公明党候補のいない小選挙区では自民党候補者のみならず、無所属でも「比例は公明」と叫ぶ候補者がいたが、全体的な投票率のアップもあって、議席維持には結びつかなかった。(15-22合併号)

2005/09/15 高野山大がスピリチュアルケア学科を創設

高野山大学(生井智紹学長、和歌山県高野町)は10日、密教をベースにして現代人の心のケアに取り組む人材を育成する「スピリチュアルケア学科」を平成18年度から開設すると発表した。同学科開設は日本で初めて。新学科開設に伴い既設の日本文化学科と社会福祉・社会学科は募集停止とし、同大は3学科体制から密教学科との2学科体制(文学部)となる。
「スピリチュアルケア学科」開設は、少子化による志願者数の減少を乗り切るため「高野山でなければできないものをやらなければ」(生井学長)との認識のもと構想。「密教の精神を現代社会へ生かす」との観点から、難病による苦しみや親近者の自死による悲しみなどを抱える「現代人の病める魂のケア」に関わる人材を育成する同学科を立ち上げた。(15-22合併号)

2005/09/29大谷派宗議会議員選挙で興法が過半数を維持

真宗大谷派宗議会議員選挙は選挙戦に突入した13教区で17日に投票、18日までに開票が行われ、結果が判明した。与党・興法議員団が過半数(33議席以上)を維持できるか否かが今選挙の最大の焦点だったが、同議員団は37議席を獲得、与党の座を維持した。これに対し野党側は、グループ恒沙が現有11議席のまま、真和議員団が5議席減らして4議席、興法を退団した無所属議員グループは4議席伸ばして11議席、それ以外の無所属議員は2議席となった。昨年の選挙条例改正で、今回教師として立候補した坊守の旦保立子氏(東京)と望月慶子氏(山陽)、また前住職の岩坂賢龍氏(熊本)の3人は当選した。坊守の2人は宗議会初の女性議員となる。先の宗議会で問題となった教研所長解任問題の当事者、前教研所長の玉光順正氏(山陽)も当選を果たした。

2005/09/29 高野山宗会 開創1200年の記念事業立案へ

高野山真言宗(土生川正道宗務総長)は14・15日の両日、第126次秋季宗会(中津公雄議長)を和歌山県高野町の宗務所で開催。10年後の平成27年に迎える高野山開創1200年の記念事業などを立案する企画委員会設置規程案や、総務部内に「災害対策課」を設置する金剛峯寺規程改正案など全13議案を可決した。

2005/09/29 本願寺派が千鳥ヶ淵墓苑で全戦没者を追悼

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)は18日、東京・九段の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で第25回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要を営んだ。戦後60年の節目となる今回の法要には国会議員、大使館関係者、宗教者、門信徒など約2800人が参集。大谷光真門主も「近代兵器に文明を求めるのではなく、アジアに根ざす穏やかな伝統の良さを見つけ出し、それぞれの文化を大事にする視点を養いたい」と語り、世界平和に向けた姿勢を改めてアピールした。

2005/10/06 大阪高裁が小泉首相の靖国参拝を「違憲」と認定

「小泉純一郎首相の靖国神社参拝が政教分離を定めた憲法に違反する」とし、宗教者や旧日本軍の軍人など188人が首相と国、靖国神社に損害賠償を求めた訴訟の判決が9月30日、大阪高等裁判所(大谷正治裁判長)であった。判決において大谷裁判長は「参拝は憲法が禁止する宗教活動と認められる」と指摘。小泉首相の参拝が違憲との判断を示した。
靖国神社参拝を巡る裁判は全国6地裁で実施されており、大阪、松江、福岡、千葉などで判決済み。いずれも原告側の請求は棄却されているが、福岡地裁では「参拝によって靖国神社を、援助、助長、促進するような効果をもたらした」とし違憲認定を行っている。
高等裁判所では今年7月の大阪高裁(別の原告団)と、9月29日の東京高裁で判決が下されているが、共に原告側が敗訴。高裁レベルで違憲判決が示されたのは今回が初めてとなる。
判決では①参拝が首相就任前の公約の実行としてなされた、②参拝を私的なものと明言せず、公的立場での参拝を否定していない、③首相の発言などから参拝の動機、目的が政治的と判断できる――等の点を指摘。その上で「(参拝は)総理大臣の職務としてなされたものと認めるのが相当」との認識を示した。
また損害賠償請求を棄却。原告側も「実質勝訴」との判断から上告しない方針を固めている。

2005/10/06 天台宗開宗1200年法要が始まる

天台宗(西郊良光宗務総長)は1日、開宗1200年慶讃大法要を滋賀県大津市の総本山延暦寺で開始した。慶讃法要は31日まで1カ月にわたって執り行われ、宗門内団体はじめ伝統各宗派や有縁の新宗教教団が上山して法要を厳修する。
この日比叡山上は好天候に恵まれた。開闢法要はまず宗門僧侶300人が根本中堂までお練り。渡辺惠進座主が大導師、全国各教区の僧侶100人が式衆を務めて「百僧百味供養」を厳修した。
「百味奉納」では延暦寺一山を皮切りに檀信徒が100種類の野菜や果物を奉納。式衆が散華、渡辺座主が表白を行った後、堂内全員で法華経神力品を読誦した。
法要には、半田孝淳曼殊院門主、小堀光詮三千院門主、奥村慶淳宗議会議長、神原玄應宗務所長会会長をはじめ僧侶200人が参列した。

2005/10/06 駒澤大学が北京大学と学術交流協定の締結へ

曹洞宗の宗門校、駒澤大学(東京都世田谷区)は先月19日から22日まで、大谷哲夫学長を団長とする「学術・教育交流団訪中代表団」を派遣、北京大学と学術交流に関する協定書の締結に合意した。北京大学と大学本体同士の協定は、日本では東京大学に続く2校目だが、私学では駒澤大学が最初となる。道元禅師が入宋し如浄禅師に学んでから800年近い歴史をもち、同時に近年の曹洞宗と中国政府との友好親善交流がこれを促進させた。他の仏教系大学にも刺激を与えそうだ。

2005/10/13 第12回仏教系大学会議 建学理念の具現化を探る

仏教系大学会議(68大学)の第12回会議が6・7日にわたり東京・大崎の立正大学で開かれ、加盟大学学長や担当教員に100人が出席。2年後の平成19年(2007)に迎える「大学全入時代」を前に、「建学の精神の具体化への取り組み」をメインテーマに研修し、21世紀の心の時代を担う仏教系大学としての使命を改めて確認した。
平成6年(94)、仏教を建学の精神(理念)とする大学・短期大学に呼びかけて組織された「仏教・哲学系大学会議」(平成15年に「仏教系大学会議」に改称)では、加盟大学を会場に毎年研修を重ねてきた。

2005/10/13 東方研究会 木村清孝氏に「中村元賞」を贈呈

(財)東方研究会(中村洛子理事長)は10日夕、東京・九段のインド大使館で第15回中村元東方学術賞を受賞した木村清孝・国際仏教学大学院大学学長(東大名誉教授)への授賞式を開催。同時にこの日が故中村元博士の7回忌にあることから、出席者全員で黙祷し追悼した。
選考委員長審査報告は委員長の前田常務理事が行い、華厳思想の解明に努め、さらに東アジアの倫理思想にまで広げて展開した木村学長の研究業績を発表。数多い論考のなかから、特に『初期中国華厳思想の研究』(春秋社)『中国華厳思想』(平楽寺書店)『東アジア仏教思想の基礎構造』(春秋社)の3点についてその内容の先進性を紹介し「中国華厳のみならず、東アジアの研究にも新局面を開かれた功績は大である」とした。

2005/10/13 パキスタン地震で曹洞宗・大本が300万円を支援

パキスタン北部で8日発生した大規模地震で死者は3万人を超えるとみられているが、各教団・NGOなどで緊急支援に動き出した。
曹洞宗は11日午後、有田惠宗宗務総長、葦原正憲教学部長、乙川暎元総務部長と職員の6人が東京・元麻布のパキスタン大使館を訪れ、カムラン・ニアズ大使にお見舞いを申しあげると共に300万円を寄託。同大使は緊急支援に謝意を述べると共に、山岳地帯で起きた地震のため壊滅状態にあり、道路も寸断され被災実態が把握しにくいと報告。死者が3万人を超えたことを憂慮した。
大本(島本邦彦本部長)と外郭団体の人類愛善会(会長=島本本部長)は11日までに救援活動を実施しているユニセフ(国連児童基金)へ総額300万円を贈呈することを決めた。

2005/10/20 大谷派臨宗 熊谷宗惠総長を再選

真宗大谷派は13・14の両日、京都市下京区の宗務所に、任期満了に伴う宗議会議員選挙後初の宗会・臨時会を招集。宗務総長に選挙で過半数の議席を獲得した興法議員団の熊谷宗惠代表を再選した。総長選に先立つ13日の宗議会では議長に同議員団の調紀(しらべ・おさむ)議員、副議長に黒川紘紀議員をそれぞれ選出した。

2005/10/20 「般若心経によるカンタータ」を初上演

清林寺さんがの会(難波光定代表)は10日、東京・千代田区のよみうりホールで、毎年恒例となっている「講演の夕べ」を開催した。イベントは清林寺が編集した『英語訳般若心経』の改訂版発行を記念して企画。当日は約700人が参加し、「般若心経」をテーマにした講演や、クラッシック音楽のコンサートを楽しんだ。
イベントで発表されたオーケストラ版「般若心経によるカンタータ」は今回が初演。演奏が終了すると、参加者からは万雷の拍手上がった。

2005/10/20 埼玉県仏教会が本庄市で仏教徒大会

(財)埼玉県佛教会(酒井文雄会長)は14日、埼玉・本庄市民文化会館で、第28回埼玉県佛教徒大会を開催した。大会には埼玉県全域から約500人の信徒が参集。講演や雅楽公演を通じて仏教的な癒しや報恩感謝の精神を学んだ。本庄市での大会は14年ぶり、2回目のこと。
大会では参加者に向け、募金の要請も行われ、終了時には9万8730円が寄せられたとの報告も。同募金は本庄市の社会福祉協議会を通じて有効活用される予定。

2005/10/27 大谷光淳新門が婚約を発表

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)は20日、大谷光真門主の長男・光淳新門(28)が18日に同派宮崎教区(宮崎県都農町)信楽寺衆徒の古川流豆美さん(29)と婚約したことを発表した。結婚は来春になるという。
光淳新門は1977年6月生まれ。法政大学法学部卒。龍谷大学文学研究科(真宗学専攻)博士課程単位取得退学。古川さんは1976年9月生まれ。相愛大学人文学部卒。龍谷大学大学院文学研究科(真宗学専攻)修士課程修了。

2005/10/27 三豊山惠光寺が本堂落成20周年を祝う

(財)仏教伝道協会の創設者である故沼田惠範氏が開いた栃木・宇都宮市の三豊山惠光寺(浄土真宗本願寺派)で23日、本堂落成20周年記念法要が厳修された。会場には仏教伝道協会の沼田智秀会長をはじめ、関係者、檀信徒など約300人が参列。法要や記念講演を通じて沼田惠範氏の業績に改めて思いを馳せた。

2005/10/27曹洞宗婦人会が創立30周年の記念式典を挙行

「広げよう、信じよう美しい心のふれあい」をスローガンに曹洞宗婦人会(萩野頼子会長)の創立30周年を記念して20日、横浜市鶴見区の大本山総持寺(大道晃仙貫首)で「創立30周年記念大会」を開催。全国から約2千人の会員が参集し広い大祖堂を埋めつくした。記念法要・式典・アトラクションが行われ、その中でSVA(シャンティ国際ボランティア会)を通じてカンボジアに絵本2千冊が贈られた。

2005/11/03 不審者乱入は「一大痛恨事」と大谷光真門主

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)の第279回定期宗会(木下慶心議長)が10月26日、京都市下京区の宗務所で始まった。開会式で大谷光真門主は9月2日の「不審者乱入事件」に言及、「一大痛恨事」とした上、「宗教が紛争の原因ではないかと目が向けられている中、宗教界にとっても残念なこと」と述べた。不二川総長は未然に事件を防げなかったことに「お詫び」を表明。武田昭英総務は11月1日から「本山巡回奉仕員」を募集して警備強化にあたる考えなどを明らかにした。

2005/11/03 日蓮宗大荒行が始まる

寒100日間にわたる日蓮宗加行所(大荒行)の入行式が秋晴れの1日、千葉・大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で行われた。入行する僧侶は151人。白い清浄衣にきれいな剃髪姿で祖師堂に入堂し、読経とお題目を唱和した。また遠寿院の14人も荒行堂に入行した。成満は来年2月10日。

2005/11/03 多々良学園が民意再生法適用の申し立て

曹洞宗(有田恵宗宗務総長)の関係校である山口県防府市の学校法人「多々良学園」(中村見自理事長)は先月26日、東京地方裁判所に民事再生法適用の申し立てを行った。同地裁はこれを受理し、保全命令を出した。負債総額は71億円にのぼった。同学園は昨年4月、現在地に全面移転したが、宗門はこの移転事業に多額の補助をしており、各方面に波紋が広がっている。

2005/11/10 埼玉仏青が世界平和祈願し柴燈護摩供を奉修

埼玉県仏教青年会(井川仁水会長)は6日、埼玉・川口市の真言宗豊山派大徳寺で世界平和祈願柴燈護摩供を厳修した。埼玉県仏教青年会創立30周年、終戦60年を記念して企画された今回の法要には高野山真言宗、真言宗智山派、同豊山派、天台宗などの僧侶が出仕。会場には多数の檀信徒が訪れ、青年僧侶による柴燈護摩供や湯加持の様子を熱心に見守った。
当日は坂本観泰・全日本仏教青年会理事長や萩野映明・埼玉県仏教会専務理事なども来賓として参列。祝賀会では両者から、埼玉仏青の30年の活動に対し、惜しみない讃辞も贈られた。

2005/11/10 SVA絵本コンクールに日本・タイの2作品入賞

シャンティ国際ボランティア会(SVA)は4日、東京・芝の東京グランドホテルで、第2回絵本コンクール「世界にとどけ 絵本は友だち」の表彰式を行った。入賞作品は静岡県の小学2年生の大瀧光君の『地きゅうのれきし いのちのたび』とタイ在住のフィリピン人、シュリー・プゥア・アフリカさん親子の『ハンプティ・ダンプティのほんとうのお話』が選ばれた。この他奨励賞3作品も選ばれた。
今年は「ひとつの地球 ひとつの命」をテーマに国内132件、海外から97件の合計229作品の応募があり、昨年を上回った。松永然道SVA会長は挨拶の中で「大きな励ましになる」と多くの応募に感謝した。

2005/11/10 「宗教者九条の和」が第一回のシンポ

仏教、キリスト教、新宗教の宗教者有志によって今年4月に結成された「宗教者九条の和」が5日、東京・千代田区の聖イグナチオ教会で公開シンポジウム「輝かせたい憲法第9条」を開催した。結成以来、初となる今回のシンポには宗教者を中心に約270人が参加。平和を訴える巡礼行進や、「宗教と九条」をテーマにした講演などを通じ、平和に向けた宗教者間の連帯と、憲法9条護持に向けた強い決意が改めてアピールされた。

2005/11/17 真言宗豊山派 新議長に伊久間正雄氏を選出

真言宗豊山派(浅井侃雄宗務総長)は9・10日の両日、東京・大塚の宗務所に第113次宗会通常会を招集した。議会では平成16年度収入支出決算、平成17年度収入支出補正予算案など4議案1報告を審議し、全案が可決・承認された。また10日には木内一成議長の辞任に伴う議長選挙が実施され、伊久間正雄氏(一新系)が新議長に選出された。

2005/11/17 大阪府仏が自民党の総選挙大勝を徹底討論

大阪府仏教会(増田貞圓会長)と大阪府仏教青年会(関本照彦会長)は8日午後、大阪市中央区のホテルで第40回大阪府仏教徒大会を開催。この中で、先の総選挙での自民党圧勝を受けて「自民党大勝と宗教界のあり方を問う」をテーマにしたシンポジウムを開き、公明党・創価学会が支え衆院で3分の2の議席を獲得した自公政権の行く末を危ぶみ、伝統教団の奮起を促した。
シンポは増田会長を司会に、『公明党・創価学会の真実』『公明党・創価学会と日本』(いずれも講談社)を6月に上梓した元参院議員の平野貞夫氏、元NHK政治部長の川崎泰資氏、前衆院議員の辻恵氏(この翌日大阪市長選へ出馬表明)の3者が小泉政治や自公政権についての意見を交換した。

2005/11/17 大国インドの本質めぐり公開シンポジウム開催

国際仏教興隆協会(安田暎胤理事長)は11日、東京・千代田区の学士会館で、公開シンポジウム「インドはどこに行くのか」を開催した。シンポには研究者や宗教関係者など約120人が参加。基調講演やパネルディスカッションを通じて、大国インドの本質に迫った。
シンポは多様な発展を遂げるインドの本質を考える目的で実施されたが、「インドはどこにもいかない」(辛島氏)との意見が支配的に。佐藤氏も「ITの浸透や政治状況の変化など、物質文明の変容は大きい」と認めつつも「基本的な部分に変化はない」とし、「インドの精神文化を変えるには数百年はかかる」と説いた。

2005/11/24 日蓮宗宗会議員選挙 明和会が過半数を獲得

日蓮宗宗会議員選挙は、選挙戦に突入した8選挙区で投票が実施され、17日午後にその結果が判明した。日蓮宗の議会構成は22(明和会)対21(同心会)と拮抗していることから、選挙によって勢力がどのように変化するかに注目が集まったが、結果的に明和会23議席、同心会20議席、無所属2議席と、明和会が過半数を占める結果に終わった。なお議員改選に伴う特別宗会は12月中旬に開催される模様。

2005/11/24 仏教伝道協会が仏教音楽の公開審査会を開催

(財)仏教伝道協会(沼田智秀会長・信楽峻麿理事長)は18日夕、東京・五反田のゆうぽうで第13回「釈尊を讃えて」を開催。今年は伝道協会設立40周年を記念し、仏教音楽を公募したことから「音楽作品公開演奏による審査会」として行われた。最終選考に残った10作品が次々と演奏・紹介され、審査員のみならず千人を超える聴衆も静かに聞き入った。最優秀の第1位には長洲忠彦氏作詞作曲「いつくしみ―ふりそそぐ光」が選ばれた。

2005/11/24 全日本仏教徒会議滋賀大会に2千人が参集

全日本仏教会(全日仏・藤井日光会長)と滋賀県仏教会(山本孝圓会長)は16・17日の2日間にわたり大津プリスホテル、滋賀県立劇場びわ湖ホールで「第39回全日本仏教徒会議・滋賀大会」を開催した。テーマは「出会い縁を生き、伝える我ら」。両日ともに2000名を超える仏教徒が参集。「慈悲と共生のこころを現代に生きる人達に伝え」「信念に満ちた活動を実践していく」と大会宣言を選択した。滋賀県での大会は第4回大会以来、49年ぶり2度目。

2005/12/01 天台宗次期宗務総長に濱中光礼氏が当選

西郊良光宗務総長の任期満了に伴う天台宗宗務総長選挙は25日午前、投票が締め切られ、同日午後開票が行われた。その結果、前宗議会議員の濱中光礼氏(66、滋賀県秦荘町金剛輪寺住職)が次期総長に当選した。得票数は公表されないが、関係者の話では投票総数2240票中、濱中氏は過半数に迫る1013票を獲得した。任期は12月12日から4年間。
今回の宗務総長選挙は濱中氏の他、現総長の西郊良光氏、東海教区宗務所長の村上圓竜氏が立候補して28年ぶりの選挙戦に。新成会(佐藤俊順会長)と道興会(秋吉文隆会長)、2つの宗議会会派の推薦を受け東西にわたって幅広く活動した濱中氏が戦いを制した。
当選した濱中氏は「元の天台宗になるよう地道にやっていく」とコメント。今後は選挙時に訴えた「総登山の推進」「困窮寺院の救済」等に努めていく方針だ。先の宗議会で議論がなされた「宗教サミット」については「湯水のようにお金を使うのではなく、今後は経費節約を」と公約通り見直す考えであることも話した。

2005/12/01 全日仏婦 大谷新会長を迎え初の大会を開催

(社)全日本仏教婦人連盟(大谷貴代子会長)は19日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで第52回大会を開催した。全国から来賓、会員合せて約150名が参集。今年5月に大谷会長が誕生し、新体制となる婦人連盟は今後のさらなる飛躍を誓った。
大会中では全日本仏教会が呼びかけている「パキスタン大地震救済の救援基金」の募金も行われ集まった20万5000円がその場で里見理事長に贈呈された。この他、前日に行われた静岡県仏教婦人会大会で集められた募金も神戸にある被災地NGO協働センターの村井雅清代表に贈呈された。

2005/12/01西新井大師總持寺で濱野堅眞貫首が晋山

東京・足立区の真言宗豊山派西新井大師總持寺で、昨年11月18日に遷化した故濱野堅照貫首(真言宗豊山派第28世管長・総本山長谷寺第82世化主)にかわり、第45世貫首に就任した濱野堅眞貫首の晋山奉告法要が厳修された。故堅照貫首の遷化から1年を経て営まれた晋山奉告法要には僧侶や檀信徒など約500人が参列。当日は浅井侃雄宗務総長や林亮弘事務長、鴨下一郎衆議員議員、鈴木恒年足立区長なども列席し、新貫首の晴れの晋山を祝した。

2005/12/08 曹洞宗が東アジア出身者の遺骨調査に着手

曹洞宗(有田恵宗宗務総長)は、東アジア出身者の遺骨調査に着手することことを決め、12月1日付けの宗報を通じて全寺院に通知。これに先立ち徴用者が働いていた事業所自治体に存在する宗門寺院1400か寺に対し11月22日に調査要項や調査用紙などを発送した。先月28日の共同取材で明らかにした。
今夏、日本政府から全日本仏教会(全日仏)を通じて加盟団体に対し「朝鮮半島出身の旧民間人徴用者等の遺骨についての情報提供のお願い」と題する要請文が送られた。曹洞宗ではその内容を検討した結果、「単なる調査のための調査ではなく、本宗および日本の戦争責任・戦後責任の取り組みの一環として散り組む方針」を決定し、独自に着手することになった。(8-15合併号)

2005/12/08 宗教者が臓器移植法改正について意見交換

(財)日本宗教連盟(里見達人理事長)は30日、東京・中央区の浄土真宗本願寺派築地別院で第2回「宗教と生命倫理シンポジウム」を開催。「いま、臓器移植法改正問題を考える」をテーマに6人の宗教者と学識者が議論を交わした。(8-15合併号)

2005/12/08 世連大阪大会 「宗教間対話の推進」を宣言

世界連邦日本宗教委員会(委員長=廣瀬静水大本総長)は11月29日、「人類に平和を―世界連邦実現への道」をテーマに第27回「世界連邦平和促進・全国宗教者大阪大会」を大阪市大正区の金光教泉尾教会で開催した。大会ではバチカン諸宗教対話評議会副議長のフェリックス・マチャード氏が宗教間対話の重要性について講演。またパネル討論などが行われ、「宗教間の対話と連帯を推進する」との大会宣言文が採択された。大会には宗教者や信徒約500人が参加した。(8-15合併号)