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2006/01/01 日蓮宗宗務総長に小松浄慎氏が就任

日蓮宗は12月20日、東京・池上の宗務院に第93臨時宗会を招集した。臨時宗会は岩間湛正宗務総長が「健康上の問題」を理由に12月14日に辞任したことを受け、後任総長を選出する目的で開催。当日は岩間総長をのぞく44議員が選挙に臨み、結果、明和会会長の小松浄慎氏が過半数の23票を獲得し新総長に決定した。

2006/01/01 朝鮮半島遺骨返還問題で連絡協議会を設置

(財)全日本仏教会(里見達人理事長)は12月13日、東京都内のホテルで平成17年度の理事会を開催した。今回は平成18年度の事業計画や収支予算大綱、第27期会長・副会長推戴候補者の承認など3議案が提出され、審議の結果、全案が承認された。また席上では外務省、厚生労働省などが中心となって進める「朝鮮半島出身旧軍人・軍属並びに旧民間徴用者等の遺骨返還」についても取り上げられ、政府関係者から、関連寺院の調査実施に向けた協力要請もなされた。
なお、理事会後の記者会見では遺骨問題に関して遺骨保有教団の関係者を中心とする連絡協議会を1月にも発足する方針を発表。連絡協議会には政府関係者も参加し、調査・返還に向けた具体的な意見交換を行う模様だ。

2006/01/01 WCRP京都大会に向け受け入れ事務局が発足

今年8月、京都で世界宗教者平和会議(WCRP)の8回目となる世界大会が開かれる。1999年のアンマン大会以来7年ぶりとなり、今世紀最初の世界大会となる。テーマはじめ日程もほぼ確定した。12月には日本側の受け入れ事務局も整い、責任者となる事務局長には宮本けいし氏(妙智會教団理事長)が就任した。

2006/01/12 立正佼成会 開祖生誕100年に向け「和氣」を提唱

立正佼成会(庭野日鑛会長)は7日、東京・杉並区の普門館で、毎年恒例となっている「御親教式典」を開催した。式典では庭野会長、山野井克典理事長がそれぞれ年頭の挨拶を実施。今年が庭野日敬開祖の生誕100年という記念すべき年に当たることから、内外の活動に向けた会員の団結が新たに呼びかけられた。
特に庭野会長は「天地一日も和氣なかるべからず」という『菜根譚』の一節を繙き、今年の言葉として「和氣」を提唱。「和氣」が暖かな家族関係や国(国旗)を大事にする気持ちにも通じると解説し、「今年一年、一乗大らかに、和気をもって精進させて頂きたい」と説いた。
今年の御親教式典には約4千人が参集。終了後には会場入り口で七草粥の接待も行われ、多くの会員が暖かな粥に舌鼓をうつ姿も見られた。

2006/01/12 本願寺派臨宗 特養ホーム建設で同意

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)の第280回臨時宗会(木下慶心議長)が12月20・21日の2日間開かれ、親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画の一環として新たに社会福祉法人を設立し、京都府城陽市の同派所有地(城陽グラウンド)に介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)を建設することが決まった。

2006/01/12 SVAがアンコールワットでアジア子ども文化祭

創立25周年記念事業の一つとして(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA、松永然道会長)主催による第10回アジア子ども文化祭は12月16日から21日までカンボジアのアンコールワットとその周辺で開かれた。7カ国8チーム72人がそれぞれの民族舞踊などを披露した。日本からは新潟中越地震の被災地である十日町市の中学生7人による和太鼓チームが参加し、力強い音色を轟かせた。期間中、現地で交流キャンプが実施され、参加者同士が友好を深めた。

2006/01/19 遺骨返還問題めぐり全日仏が初の連絡協議会

昨年夏に政府が(財)全日本仏教会(全日仏)を通じて朝鮮半島出身者の遺骨に関する情報提供を求めていたが、今月11日、都内で加盟団体上位10宗派の担当者等が出席して初の連絡協議会が開かれた。会合には政府の担当者も出席。日韓の外交にからむ問題のなかで、遺骨調査や返還のあり方をめぐって政府側の方針や手順が見えないことに仏教界側からは要望が相次いだ。

2006/01/19 第一回国際宗教研究所賞に近藤光博氏

(財)国際宗教研究所(脇本平也理事長)は14日、東京・西巣鴨の大正大学で、第1回国際宗教研究所賞に選ばれた近藤光博氏(東京大学東洋文化研究所非常勤講師)への授賞式を挙行した。同賞は宗教研究に携わる若手研究者、ジャーナリストなどを対象にした賞。当日は関係者ら多数が参加し、近藤氏の授賞を祝した。
受賞作となった「宗教・ナショナリズム・暴力―ヒンドゥー・ナショナリスト運動のイデオロギーに関する研究」は近藤氏が2004年に東京大学に提出した博士論文。選評では、「ヒンドゥー・ナショナリスト・イデオロギーの特質を包括的、体系的に明らかにしようとした前例のない試み」「現代インドの政治・宗教・社会研究の進展に寄与するところ大」と高く評価されている。
近藤氏は1967年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。文学博士。在インド日本大使館政務専門調査員、日本学術振興会特別研究員などを経て、現在は東京大学東洋文化研究所非常勤講師を務める。専門は現代宗教論、南アジア近現代史。

2006/01/19 坂東報恩寺で新春恒例の俎開き

東京・台東区の真宗大谷派・坂東報恩寺(禿信敬代務住職)で12日、新春恒例の「俎板(まないた)開き」が行われた。当日は天気にも恵まれ約100人の参拝客が訪れ、包丁式の行われる本堂をいっぱいにした。
儀式では平安時代の宮中の料理様式を伝える、四条流の師範が古式にのっとった「包丁式」で鯉をさばく。鯉の切形には40種以上あると言われている。「俎板開き」では最初にお清めの意味を持つ「洗鯉」、続いて鯉が滝を登り龍になる姿を表す「龍門の鯉」が披露された。
包丁人は刃渡り約33㌢の包丁と真名箸と呼ばれる長い鉄の箸(40㌢)を使いながら、鯉には一切手を触れず、約60㌢の鯉を切り分けていく。箸で鯉を押さえ、長い包丁を回転させながら流れるような動作で鯉をさばく包丁人の技を参拝客もかたずをのんで見守った。
包丁式の後には、さばかれた鯉がこいこくなどに調理され、参拝客に振る舞われた。

2006/01/26 多々良学園が調査委員会の報告書を発表

民事再生法による再建を目指している曹洞宗関係学校の学校法人「多々良学園」(山口県防府市)は18日、調査委員会の報告書を発表。学園破綻に至った移転事業の不正行為や違法性については「可能性は低い」としながらも、資金調達や借入金の手順などに疑問を呈している。報告書は再建案と共に13日、裁判所に提出された。
同学園は昨年11月元検事や弁護士等7人の委員からなる調査委員会設置。宗門人は加わっていない。調査対象は、資金計画及び資金調達の妥当性など。当初は年末までに報告書をまとめる予定だったが、今月にずれ込んだ模様だ。
報告書は13日、民事再生法による再建の一環として裁判所に提出された。17日に理事会で報告され、翌18日、発表された。この報告書に対して同日、中村見自理事長(宗議会議員)は「厳粛に受け止める」とするコメントをだした。

2006/01/26 高野山東京別院が「祈りの苑」を落慶開眼

東京・港区の高野山東京別院で21日、初大師御影供大法要が資延敏雄管長を導師に営まれた。首都圏では朝から雪が降り、寒さ厳しい1日となったが、約100人の信徒が参詣し今年1年の安寧を祈願した。
また初大師法要に先がけて、新たに東京別院内に建立された「祈りの苑」の落慶開眼法要も執り行われた。
「祈りの苑」は中央に永代供養のための納骨墓である円融塔を置き、右側には幼い御霊の供養仏・幼霊供養尊、左側には写経を納める写経塚を配置している。
東京別院はこれら三位一体の施設を多くの人が集える祈りの空間として開放。「『御供養』や『祈り』に依り人心に安心をあたえ、苦を乗り越えていく力を養っていく総合医療センターとしての役割をはたせる寺院を目標につとめていく」としている。

2006/01/26 仏教伝道文化賞に海野大徹氏・青山俊董氏が決定

(財)仏教伝道協会(沼田智秀会長)は19日、仏教伝道文化賞選定委員会(金光寿郎委員長)を開き、第40回仏教伝道文化賞の受賞者を決定した。その結果、A項(研究・論文など)に米国・スミスカレッジの海野大徹名誉教授、仏教伝道功労賞に曹洞宗愛知専門尼僧堂の青山俊董堂長がそれぞれ選出された。贈呈式は3月15日、東京・港区の仏教伝道協会で挙行される予定。受賞者には賞状と記念品、賞金300万円が贈られることになっている。

2006/02/02 多々良学園問題で曹洞宗が調査委員会設置

関係学校の多々良学園(山口県防府市)が調査報告書を発表したことを受け、曹洞宗(有田恵宗宗務総長)は18日、庁議(責任役員会議)で第三者による調査機関の設置を決めた。多々良学園が破綻に到った最大要因であるキャンパス移転事業に宗門がどのように関わったのかを関係者への聞き取りなどを実施する。調査報告書は早ければ2月末までに提出される模様だ。
調査報告書の発表方法は明らかにされていないが、宗門不信を払拭するため、早い段階で公表されるみられる。

2006/02/02 京都大会に向けベントレー国際事務総長が協力要請

(財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(庭野日鑛理事長)は1月29日、東京・杉並区の立正佼成会法輪閣で第89回理事会、第86回評議員会を開催した。今年初となる理事会・評議員会では平成18年度事業計画や予算案、日本委員会の人事などを上程。審議の結果、全案が承認された。また席上では今年8月に開かれるWCRP第8回世界大会の準備状況も報告され、ウィリアム・ベンドレー国際事務総長からも「心を一つにして(京都大会に向け)協力することが大事」との呼びかけがなされた。

2006/02/02 "力作揃い?"教幼児画展に多数の家族連れ

埼玉県仏教保育協会は1月28・29日の両日、埼玉・さいたま市のコルソホールで第21回埼玉県仏教幼児画展を開催した。今年度は県内15の幼稚園・保育園から寄せられた417展の作品を展示。会場には我が子の力作を一目見ようと、父兄や関係者など多数が会場を訪れた。
同展は埼玉県仏教協会が毎年開催している恒例の行事。県内の仏教系幼稚園・保育園の協力を仰ぎつつ、完全な自主運営で行っており、近隣の地域住民などからも高い評価を得ている。
「(作品の)応募では特にテーマを設定していない」とのことだが、展示された絵は「みほとけさま」や「ののさま」、「おじぞうさま」といった仏教系のモチーフが中心。中には「花祭り」や「涅槃会」といった宗教行事をテーマにした作品もあり「御仏に見守られながらの幼稚園・保育園生活」がにじみ出るようなほのぼのした展覧会となっていた。
運営に携わるスタッフも「どの作品も園ごとのカラーが出た力作ばかり」と笑顔。「今年は会場をかえたこともあり、一般の入場者も多い。展覧会が子どもと家族との積極的な触れあいの場になれば」と期待を語っていた。
展覧会では作品の優劣を決めず、出展した園児全員に賞状を授与。会場では我が子の作品の前で記念撮影をする中睦まじい家族の姿も見られた。

2006/02/09 『浄土』通巻800号祝い記念講演会を開催

法然上人鑽仰会(真野龍海会長)は31日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで同会が発行する月刊誌『浄土』の通巻800号を記念して『浄土』表紙展、記念講演会、祝賀会を開いた。
『浄土』は昭和9(1934)年に浄土宗の有志で発足した法然上人鑽仰会が翌10年5月に創刊。戦時中を含む数回の休刊を経ながら今年の2・3月合併号で通巻800号目を迎えた。
会場には『浄土』第1号から800号まで全て展示。名立たる文化人の執筆や、戦時中の雰囲気を伝える貴重な資料に参加者も熱心に見入った。記念講演後には祝賀会も催され、約70年にわたる『浄土』の歴史が讃えられた。

2006/02/09 「諸宗教対話実践研究会」が設立に向け初会合

国際永久平和祈念記念祭典協議会(小林隆彰理事長)が計画を進める「諸宗教対話」実践研究会(仮称)の設立準備初会合が1月31日、大阪・太閤園で開催された。当日は増田貞圓大阪府宗教連盟理事長や久住謙是身延山久遠寺法務部長など約40人が参加。「諸宗教対話の可能性」や「研究会の方向性」について活発な意見交換がなされた。
「『諸宗教対話』実践研究会」は当面の間、大阪を中心に活動する方針。初会合後、速やかに参加者を募集し、2月中には事務局等の組織を整えたいとしている。同会は遅くとも今年秋頃には正式に発足する見込み。

2006/02/09 開教120年に向け記念事業発表

2012年に開教120年を迎える大本(出口紅教主)は3日、綾部市の本部でその記念事業を発表した。新大本会館や大道場講堂、宿泊棟の建設、東京本部の再建などで総事業費は100億円。同日の節分大祭で出口教主が発表し、6年後へ向け事業をスタートさせた。
開教120年記念事業は、3日の全国信徒大会で承認されたのを受け、発表された。

2006/02/16 全日仏婦が恒例の新年修正会

(社)全日本仏教婦人連盟(大谷貴代子会長)は8日、東京・港区のホテルオークラで恒例の新年修正会を開催。昨年5月に大谷会長が就任してから初の修正会に全国各地から会員や来賓、約150人が参集し、今年1年の活動へ向け決意を新たにした。
また当日に会場で集められた心の募金、17万円が被災地NGO協働センターの村井雅清氏に手渡された。

2006/02/16 宗教法人情報開示問題裁判で鳥取県に開示取り消しを命令

鳥取県が県情報公開条例に基づいて宗教法人情報を公開したことに対し、当該宗教法人である鳥取市の日蓮正宗日香寺(山田貴道住職)が県を相手取り開示決定の一部取り消しを求めていた裁判の判決が七日、鳥取地裁であった。古賀輝郎裁判長は寺側の主張を認め、県に開示取り消しを命じた。

2006/02/16 寒百日荒行を160人が成満

千葉・市川市の日蓮宗中山法華経寺(新井日湛貫首)と遠寿院(戸田日晨住職)で行われていた寒百日荒行の成満会が10日、両寺で厳修された。今年は例年にない記録的な寒さに見舞われたことから、厳しい環境下での修行となったが中山法華経寺も148人(3人退堂)が成満。遠寿院も12人(2人退堂)が無事荒行を乗り切った。
今年度の荒行では日蓮宗加行所から3人、遠寿院から2人の退堂者が出た。日蓮宗加行所については退堂理由が明示されていないが、遠寿院側の2人については「体調不良が原因」とされている。

2006/02/23 第23回庭野平和賞 ユダヤ教聖職者団体が受賞

(財)庭野平和財団(庭野日鑛総裁)は、第22回の庭野平和賞の受賞者として、イスラエルのユダヤ教聖職者団体「ラバイズ・フォー・ヒャーマンライツ」(マリク・アッシャーマン理事長)を選出。21日、京都・東山区の立正佼成会京都普門館で行われた記者会見で正式に発表した。イスラエルの団体の受賞は2度目。ユダヤ教の団体としては初の受賞となる。

2006/02/23 有田総長が多々良問題「全容解明」を明言

曹洞宗(有田惠宗宗務総長)は20日、東京・芝の宗務庁に第97回通常宗議会(佐藤良彦議長)を招集。最重要課題である多々良学園問題について有田総長は、学園側の調査結果報告を受けて1月18日、僧侶を除いた法律家と公認会計士などを中心に調査委員会を設置したことを報告し、「宗門としても全容解明に取り組む責務を痛感している」と表明した。

2006/02/23 成田山総門地鎮祭で朝青龍が「地固め」

真言宗智山派大本山成田山新勝寺(橋本照稔貫首)は19日、同寺・境内で総門建立の地鎮祭を厳修した。総門建立は成田山開基1070年祭(平成20年)の記念事業として計画されたもの。当日は約1万人の参詣者が見守る中、横綱・朝青龍関が手数入り(土俵入り)を奉納し、工事に向けての「地固め」を行った。成田山で手数入りが行われるのは昭和56年の大塔建立(輪島関、北の湖関、二代目若乃花関)以来、25年ぶりとなる。

2006/03/02 韓国「真相究明」委員会が全日仏に遺骨返還の協力要請

韓国の「日帝強占下強制動員被害真相究明委員会」の全基浩(チョン・ギホ)委員長ら委員会メンバー4人と在京韓国大使館員ならびに日本の外務省と文化庁の担当者が2月24日、東京・芝公園の全日本仏教会(全日仏)を訪れ、斎藤明聖事務総長に朝鮮半島出身者の遺骨返還と調査などに関して協力を要請した。

2006/03/02 浄土宗総合研究所が生命倫理テーマにシンポ

浄土宗総合研究所(石上善應所長)は2月23日、東京・港区の梅窓院祖師堂で公開シンポジウム「これからの生命倫理」を開催した。当日は宗教者や研究者を中心に約100人が参加。基調講演やパネルディスカッションを通じて、生命倫理問題の現状や課題を学んだ。
シンポは昨年行われた生命倫理に関するシンポ(「臓器移植をめぐる現況と問題点」)を敷衍する形で展開。浄土宗総合研究所では「今回の成果をもとにさらなる研究を進めたい」としている。

2006/03/02 高野山春季宗会 開創1200年議案を提出

高野山真言宗の第127次春季宗会(中津公雄議長)が2月28日、和歌山県高野町の宗務所で開幕した。土生川内局は高野山開創1200年に当たる平成27年(2015)に50日間大法会を執行することや、記念事業の総予算案、特別賦課金等を定める規則案など関係議案5件を提出。土生川正道宗務総長にとって今宗会が任期最後の議会で1200年へ道筋をつけて花道とする。

2006/03/09 法華経漢訳1600年に合わせ諦性法師が来日

鳩摩羅什が法華経を漢訳した場所として知られる中国・艸堂寺の釈諦性法師(陜西省仏教会副会長)が来日し、3日、東京・池上の日蓮宗宗務院を表敬訪問した。諦性法師は日蓮宗に対し法華経漢訳1600年を記念する合同法要への参加を要請。これを受けて小松浄慎宗務総長も今年6月に第12次訪中団を組織し、艸堂寺へ参詣することを約束した。

2006/03/09 多々良学園再建に1企業、1法人が合意

曹洞宗(有田惠宗宗務総長)の関係学校である学校法人「多々良学園」(山口県防府市)は3日、学園再建のスポンサー候補者の1社1法人を発表し、「当学園の民事再生手続きにおける再生計画認可決定等を条件とする支援に関する基本合意を締結」したと報告した。
スポンサー候補者は、多々良学園高等学校については株式会社「タカガワ」(高川晶社長)。資本金1億8100万円で、四国・徳島市に所在。高知県を除く3県と兵庫県に予備校を持つ。附属幼稚園については防府市内の学校法人「中央学院」(井本浩二理事長)で、同法人は医療や美容の専門学校を運営している。

2006/03/09 立正佼成会 リニューアルした大聖堂で68周年式典

立正佼成会(庭野日鑛会長)は創立記念日にあたる3月5日、東京・杉並の大聖堂で68周年の記念式典を挙行。併せて今月20日に68歳となる庭野会長の誕生日を一足先に祝した。
庭野日敬開祖生誕100周年事業の一環として改修が進められていた大聖堂はリニューアル。緞帳が開くと以前より一歩前進した本尊並びに同時に天井から舞った散華に参列した3400人の会員から一斉に歓声が沸き起こった。
読経供養は庭野光祥次代会長に営まれた後、庭野会長が入場し創立の原点を確認する啓白文を読み上げた。また山野井克典理事長は前日の遷仏式の模様を報告し、「(ご本尊が前に出たように)私たちも前に出て教えを伝えると庭野会長はご指導された」とその意義を伝えた。
庭野会長は「佼成会ではやることが多いが、創立記念日を迎えるにあたり、何に取り組むのか、何が大事かをしっかりとみつめていかなければならない」と呼びかけた。

2006/03/16 日蓮宗が「過疎地域寺院活性化委員会」を設立

東京・池上の日蓮宗宗務院に招集されていた第94定期宗会が10日、閉幕した。今次定宗では平成18年度予算案や規程中改正案など20議案を上程。その内16議案が原案通り可決・承認。残る4議案は修正可決された。
議会では、小松浄慎総長が就任後初となる施政方針演説を実施。「過疎地域寺院活性化委員会」の設立や、宗祖の三大聖日を見越した「長期的財政計画」の構想など、今後に向けた様々な方向性を語った。しかし間近に迫った「立正安国お題目結縁運動」や「宗立学寮の建設」については具体的言及がなされず、その後の代表質問でも多くの疑問が提出された。

2006/03/16 醍醐寺で重源上人800年遠忌法要を厳修

総本山醍醐寺金堂(京都市伏見区)で9日午前、同寺で得度・修行し、鎌倉時代に東大寺を再建した重源上人の800年荘厳法要が営まれた。法要には真言宗各山山主と東大寺幹部も参列し、偉大な「勧進聖」の遺徳を偲んだ。
法要では、醍醐寺と縁のあるスイス人、S・ギャニール旭西氏(大阪学院大学教授)が琵琶で「安宅」を演奏して奉納。その後、仲田順和総長が「私たちは上人の後に続くべく心を新たに法要を厳修させていただきたい」と述べて、麻生文雄座主導師のもと、同寺僧侶が出仕して念仏法要を厳修した。

2006/03/16 坂詰秀一教授の古稀を祝い記念論文集を献呈

立正大学元学長で仏教考古学の第一人者として知られる坂詰秀一氏の古稀祝賀会が11日、都内のホテルで挙行された。当日は立正大学関係者や教え子など250人が出席。祝賀会を通じて日本考古学会をリードしてきた坂詰氏の古稀を祝した。
祝賀会ではこの日に合わせて編集された古稀記念論文集『考古学の諸相Ⅱ』を献呈。さらに教え子からも花束が贈られた。

2006/03/23 公益法人改革3法案を政府が国会に提出

政府は10日、公益法人改革に関する3法案を国会に提出した。財団法人・社団法人の設立を規定する現行民法34条について当初、「祭祀」「宗教」が外され宗教系財社団法人の存続が危ぶまれたが、宗教界からの強い存続要請が功を奏して残ることになった。(23-30合併号)

2006/03/23 身延山五重塔の地鎮式を挙行

藤井日光法主が発願し注目を集めていた身延山五重塔の地鎮式が17日、日蓮宗総本山身延山久遠寺で盛大に厳修された。地鎮式には小松浄慎宗務総長、平井照山宗会議長、持田日勇藻原寺貫首など関係者約300人が参列。井上瑞雄身延山久遠寺総務も法要後の挨拶で「再建される五重塔こそは人々を法華経に導く、燦然と輝く宝塔になること間違いなしと確信している」と再建への期待を示した。五重塔完成は2年後の平成20年の予定。(23-30合併号)

2006/03/23 総本山知恩院で移築した白寿庵を披露

総本山知恩院(中村康隆門跡、京都市東山区)は、山内庭園・友禅苑に移築していた茶室「白寿庵」が昨年末竣工したのを受け15日、関係者を招いて落成報告法要を執り行うとともに、裏千家による茶会も開いて新装した白寿庵を披露した。
白寿庵は昭和5年、山下現有第79世門跡の白寿(99歳)を記念し、現在の浄土宗宗務庁の裏側に建立。が、70年余りを経て建物の老朽化が進み平成16年に中村門跡が白寿を迎えたことの記念事業として友禅苑内に移築した。
移築された建物は元の建物より規模を縮小し、4畳半の茶室と8畳の広間等からなる木造平屋建て。茶室は裏千家の茶室「又隠(ゆういん)」の写しで円窓を取り付け本来の形を少し崩している。着工は平成16年12月15日、同17年12月15日に竣工。総工費は4900万円。(23-30合併号)

2006/04/06 本願寺派 大谷光淳新門が結婚

浄土真宗本願寺派の門主継承者、大谷光淳新門(28)と同派宮崎教区信楽寺衆徒の古川流豆美(るずみ)さん(29)の婚儀式が3月25日午後、京都市下京区の本山総御堂で執り行われ、親族と宗門役職者ら約700人が参列して両人の門出を祝った。光淳新門と流豆美さんは「浄土真宗の御教えが広く伝わるよう努めてまいります」と誓い、大谷光真門主は「阿弥陀如来の智慧と慈悲の中、辛いことを受け容れ、嬉しいことを分かち合い、共に歩む人生の始まりです」との言葉を贈った。
光淳新門は昭和52年6月まれ。流豆美さんは同51年9月生まれ。光淳新門は法政大学法学部を経、流豆美さんは相愛大学人文学部を経て進学した龍谷大学大学院(修士課程)で出会って交際。昨年10月に同派から婚約が発表された。

2006/04/06 智山伝法院の全研究員が辞職

智山伝法院の研究員全員が3月31日の段階で、辞職または再任拒否をしていたことが判明した。吉田宏晢院長も任期満了で解任となることから、吉田体制下の全員(職員は除く)が伝法院を去るという前代未聞の決着となった。島内局でも里見秀明教学部長が3月31日付けで辞任。堀井隆栄氏(福井・圓福寺住職)が後任として事態収拾にあたることになっている。

2006/04/06 全日仏新理事長に安原晃氏が就任

(財)全日本仏教会(東京都港区)は28日、都内のホテルで理事会・評議員会を開き、4月から始まる第27期人事などを承認した。新会長には曹洞宗の大道晃仙管長(大本山總持寺貫首)が就任し、曹洞宗からは第14期の秦慧玉管長以来24年ぶりとなる。運営面の責任者である理事長には真宗大谷派前参務の安原晃氏が就いた。安原新理事長は里見達人前理事長が敷いた広報関連の充実・強化に意欲を見せた。新執行部は来年の財団創立50周年記念事業などを担うことになる。

2006/04/13 第30回正力松太郎賞に1個人1団体が決定

第30回正力松太郎賞(全国青少年教化協議会主催)の選考委員会が3月1日に開催され、「了見寺日曜学校」(真宗大谷派、井口文雄住職主宰)と三輪照峰氏(東京・北区、真言宗智山派地福寺住職)が受賞者として決定した。また正力松太郎賞奨励賞についても野坂法行氏(日蓮宗妙厳寺住職)、特定非営利法人「インドマイトリの会(理事長=水野梅秀・曹洞宗大宝寺住職)」など、1団体4個人を選出した。授賞式は5月8日、東京ドームホテルで挙行される。

2006/04/13 大正大学と種智院大学が学術交流協定を締結

天台宗・浄土宗・智山派・豊山派の4宗派が経営する大正大学(星野英紀学長、東京都豊島区)と真言宗14本山が経営する種智院大学(頼富本宏学長、京都市伏見区)は3月31日午前、京都市内のホテルで学術交流協定に調印し、平成18年度以降、教員の交流や学生の単位互換などを進めていくこととした。

2006/04/13 曹洞宗関東管区檀信徒大会に巨大マンダラ

曹洞宗関東管区(新見昌道管区長)は4日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで4500人が参集し「曹洞宗関東管区檀信徒大会」を開催。「一仏両祖の教えを永遠に」をテーマに法要や法話、椅子坐禅を通して信仰の原点に立ち返った。今大会は全国に先駆けた初の管区単位の檀信徒大会となる。
当日はNPO法人M21ネットワークが作成した世界最大のパッチワークマンダラが掲げられ、参列者を圧倒。このパッチワークマンダラは縦70㍍(名古屋城の高さと同じ)、横50㍍で総量が20㌧以上という驚愕の大きさ。1枚は縦7・7㍍、横5・5㍍の生地81枚を特殊ファスナーで繋いでいる。制作には世界16カ国、1万人を超えるボランティアが参加した。
大会では大きさ・重量から全体の約5分の1が掲げられた。それでも畳に換算すれば約400畳分というサイズだ。

2006/04/20 沼田惠範師の13回忌を営む

世界的な計測機器メーカー、㈱ミツトヨ創業者で財仏教伝道協会発願者である沼田惠範師(1897~1994)の13回忌法要が14日夕、東京・港区の仏教伝道センターで開かれた。故人の人柄を示すかのように前半の音楽法要は厳粛に、後半のお斎は和やかに行われ、それぞれ故人を偲んだ。
沼田智秀会長は「月日が経つのは本当に早いものです」と胸中を吐露。「最近、父に仏さまを見る思いがする」と続け、仏さまの手伝いをするために誕生し、粉骨砕身精進し仏さまの世界に帰っていったに違いない、と父である惠範師を偲んだ。

2006/04/20 教育基本法改正 全日仏の要請は含まれず

教育基本法正にむけた与党案が13日、発表された。「愛国心」をどう盛り込むかが与党の焦点となった。一方で財全日本仏教会(全日仏)は、宗教教育を規定した同法9条の見直しを与野党に働きかけてきた。改正案では「宗教に関する一般的な教養」が付加されたが、全日仏が要望している宗教的な伝統の重視や宗教的感性の涵養は含まれていない。今回の与党案に全日仏は明確な態度を示していない。

2006/04/20 葛飾北斎顕彰碑・近松門左衛門供養費を建立

東京・墨田区の日蓮宗法性寺(鈴木日意住職)で16日、境内に建立された「葛飾北斎辰政翁顕彰碑」と「近松門左衛門供養碑」の除幕式が挙行された。式典には近松門左衛門の出生地とも言われる山口・萩市の関係者をはじめ、約100人が出席。法要や除幕式を通じ、葛飾北斎、近松門左衛門の功績を偲んだ。
再建された「近松門左衛門供養碑」は、文政11年のものと同様に、根府川石を用いて建立。「葛飾北斎辰正翁顕彰碑」については法性寺を描いた作品を刻んだ石碑とペアで新たに建立された。

2006/04/27 立正佼成会 開祖100年事業の墓所整備が完了

庭野日敬開祖生誕100年事業を推進している立正佼成会(庭野日鑛会長)は、その一環である「開祖さまご墓所関連整備計画」の建墓式を13日、東京・東大和市の佼成霊園で執行。庭野家親族はじめ工事関係者、教団代表らが330人が参拝し、除幕したばかりの多宝塔などに焼香した。
「開祖さまご墓所関連整備計画」として構想された生誕100年事業は、記念事業の基本方針として掲げられている「開祖顕彰」「信仰新生」の意味を持つ。平成12年(2000)に開祖の埋葬式が佼成霊園で営まれているが、今計画で多宝塔の開祖墓所、長沼妙佼脇祖の法号「脇祖妙佼慈道菩薩」刻字、万霊供養塔再建などが主たる工事となった。

2006/04/27 大谷派 「宗門を開く会」を発足

04年8月に真宗興法議員団を退団した無所属議員と昨年の選挙で当選した新人議員が宗政調査会開催中の20日、宗会事務局へ院内会派「宗門を開く会」の届出を行った。「開かれた軟らかい宗門を目指そう」と理念も合わせて発表した。
「宗門を開く会」に所属するのは、代表の前宗務総長・三浦崇氏(三重)、幹事長の木全和博氏(名古屋)のほか、大澤秀麿(北海道)、旦保立子(東京)、福田元道(高岡)、能邨英士(小松)、赤松範昭(京都)、本多一壽(大阪)、玉光順正(山陽)、大城雅史(熊本)の各氏(括弧内は教区)。

2006/04/27 第23回WFB台湾大会が開催

第23回WFB(世界仏教徒連盟)台湾大会が19日から23日まで台湾南部の都市、高雄の仏光山で開かれた。財全日本仏教会(全日仏)からは約50人が出席。開会式では、長年にわたるルンビニー園復興事業が昨年、考古学調査報告書が刊行されたのをうけて、WFBから記念の盾が贈られた。閉会式では次回開催国となる日本に仏旗が手渡された。日本大会は2年後の平成20年(2008)後半に開かれる。

2006/05/11 日蓮宗新管長に酒井日慈氏が就任

藤井日光管長の辞任(4月12日)を受け、日蓮宗は4月21・26日の両日、管長推戴委員会(永倉嘉文委員長)を開催。酒井日慈氏(池上本門寺貫首)を第51代管長として推戴することを決定した。これを受け5月9日には東京・池上の宗務院で管長就任式を挙行。酒井氏が新管長として正式に就任を果たした。池上本門寺からの管長選出は田中日淳管長(第48代)以来、11年ぶりのこととなる。

2006/05/11 八王子に日本初の上座部戒壇が誕生

日本史上初となるテーラワーダ(上座)仏教の伝統に基づいた「戒壇」認定式が29日、東京・八王子の2カ寺で執行された。スリランカのテーラワーダ仏教シャム派総本山アスギリヤ大寺の ブッダラッキタ大長老(管長)が来日し、「戒壇」を認定した。
戒壇と言っても建物があるわけではない。一定の広さを持った場所が上座仏教の戒壇と公に認定されたことで、日本でも上座仏教の戒律に基づく重要法事が可能になった。例えば、出家希望者に具足戒(比丘戒)を授ける儀式、毎月2回の戒律儀式(布薩)などである。
雲龍寺、禅東院ともかねてからスリランカ仏教や日本テーラワーダ仏教協会と交流があった。特に雲龍寺は系列寺院の正山寺にスリランカ人僧侶を招聘しており、同寺は在日スリランカ人のコミュニケーションの場になっている。数年来、日本でも上座仏教の普及によって戒壇設置の要望が高まり、これをうけて2カ寺が敷地を提供した。

2006/05/11 高野山真言宗宗務総長に庄野光昭氏が当選

先月26日に公示された高野山真言宗宗務総長(総本山金剛峯寺執行長)選挙は、候補者辞退届出期限の8日までに候補者の真田有範氏(同宗前総務部長、横浜市磯子区金蔵院住職)が辞退し、もう一方の候補者、庄野光昭氏(同宗宗会議員、徳島県小松島市立江寺住職)の無投票当選が事実上決まった。選挙期日の今月26日に選挙会が開かれ、庄野氏の当選が正式に決定される。

2006/05/18 開祖生誕100年記念し大聖堂が改修落慶

本年11月の庭野日敬開祖生誕100年にむけて記念事業を推進している立正佼成会(庭野日鑛会長)は14日、その中核とも言える東京・杉並の大聖堂改修工事を終え14日、盛大に大聖堂改修落慶式を厳修。建物の免震化が図られるとともに内部と周辺が大幅に整備された。また隣接する法輪閣1階に建設が進められてきた開祖の足跡を顕彰する「開祖記念館」のテープカットが落慶式に引き続いて行われた。

2006/05/18 本願寺派 第三次不二川内局が発足

浄土真宗本願寺派(不二川公勝総長)は12日、総務5人を入れ替える人事を発令、第3次不二川総局が発足した。退任したのは武田昭英、桑羽隆慈、宮崎憲之、後藤壽邦、橘正信の各氏。新たに就任したのは石上智康氏を筆頭に菅義成、涌水邦英、山田智之、田中郁朗の各氏。いずれも宗会議員。昨年4月28日、選挙後の特別宗会で不二川総長が再選され、第2次不二川総局が発足してからほぼ1年を経ての総局改造となる。ちなみに不二川総長は03年11月10日の就任から2年6カ月余りの在任。

2006/05/18 九条兼実公の800回忌法要を厳修

浄土宗総本山知恩院(中村康隆門跡、京都市東山区)は12日午前、5年後に迎える元祖法然上人800年大遠忌のお待ち受けとして、上人の外護者で上人に『選択本願念仏集』の著述を要請したとされる関白九条兼実公(1149~1207)の800回忌法要を厳修した。法要には兼実公の末裔、平安神宮宮司の九条道弘氏も参列、遠近各地から僧侶・信徒ら700人が参拝した。

2006/05/25 「新たな要請行動はせず」教基法改正に絡み

教育基本法改正案が今国会に4月末に提出され、今月16日から審議入りし、衆院には40人からなる「教育基本法に関する特別委員会」が設置された。全日本仏教会(全日仏)は宗教教育を規定する同法第9条の見直しを要請していたが、対案として発表された民主党案が全日仏案に近い内容となっている。民主党が対案を提出した23日、全日仏は宗教教育特別委員会を開き、これまでの経過を確認。同時に国会審議を見守り、新たな要請行動はとらない方針を固めた。

2006/05/25 今出川内局が総辞職 山口組組長法要の責任取り

天台宗総本山比叡山延暦寺の今出川行雲執行はじめ内局部長陣が18日、4月下旬に指定暴力団山口組歴代組長の回向法要を行ったことの責任を取って総辞職することを決めた。

2006/05/25 長野・善光寺で第27回日韓仏教文化交流大会

日韓・韓日仏教文化交流大会が17日~19日まで、長野・善光寺を主会場に開催された。大会には日韓両国の仏教者約260人が参加。大会を通じて両国の友好と連帯が改めて確認された。
大会では鷹司誓玉大本願法主と小松玄澄大勧進貫首が大導師を務め、世界平和祈願法要を厳修。表白では宮林昭彦・日韓仏教交流協議会会長、李智冠・韓日仏教文化交流協議会会長ともに、両国の関係発展と、遺骨問題の早期解決を祈願した。

2006/06/01 日韓仏教徒が第2次大戦殉難者を慰霊

浄土宗祐天寺で10日、日韓両国仏教徒による第2次大戦殉難者慰霊法要が厳修された。法要には第27回日韓・韓日仏教文化交流大会善光寺大会に参加した韓日仏教文化交流協議会(会長=李智冠・曹渓宗總務院長)と日韓仏教交流協議会(会長=宮林昭彦・浄土宗光明寺法主)の関係者ら多数が参列。60年以上に亘り同寺で眠り続ける韓国・朝鮮籍の軍人・軍属に対し哀悼の誠を捧げた。

2006/06/01 山口組法要問題 渡辺座主も遺憾を表明

天台宗宗議会議員選挙で新議員が決まったのを受けて同宗臨時宗議会が25・26日、大津市の宗務庁で開かれた。通常なら、正副議長や各種常任委員を決めるのみのはずが、審議は延暦寺が4月に指定暴力団山口組歴代組長の回向法要を執行した問題に終始。渡辺惠信座主も遺憾の意を表明し、宗議会は「反社会的行為排除」の決議を採択して、この問題への姿勢を示した。

2006/06/01 ジャワ中部地震 各宗で緊急救援始まる

5月27日早朝、インドネシアのジャワ島中部で発生した大地震による被害は連日拡大し、犠牲者は5千人を超えた。近くには世界遺産に登録されている仏教遺跡ボロブドゥールやヒンズー教寺院プランバナンがあり、プランバナンに被害が出ている。一方、日本宗教界も支援を検討しているが、曹洞宗(有田恵宗宗務総長)はいち早く600万円の拠出を決め、全日本仏教会も400万円を寄託した。
立正佼成会(庭野日鑛総裁)の一食平和基金も緊急支援として200万円を被災地にある「インターフィディ」におくることを決めた。同組織は第6回アジア宗教者平和会議(ACRP)で現地の受け入れ役を務めた。

2006/06/08 大谷派 遠忌記念し『親鸞の世界』出版を計画

真宗大谷派宗議会(調紀議長)が1日、京都市の宗務所で開幕した。熊谷宗惠宗務総長は、目下進めている宗祖750回遠忌記念事業の一環として門徒や一般を対象に親鸞聖人の教えを分かりやすく伝える『親鸞の世界』全10巻の出版と『真宗本廟造営史』の刊行を新たに発表、御影堂修復用の仮設素屋根をその後の阿弥陀堂修復にスライドして使用する工事計画の変更も発表した。遠忌特別会計総額を4億円増額する変更案など議案29件が提出され、審議に入った。

2006/06/08 全国教誨師連盟が50周年大会

(財)全国教誨師連盟(総裁=大谷光真・浄土真宗本願寺派門主、山田義俊理事長)は1、2日にわたり都内のホテルで「時代に応え、宗教教誨の原点をみつめて―新たな時代への第一歩を踏み出すために」をテーマに創立50周年大会と記念式典を挙行した。超宗派の教誨師と来賓など1千人が出席した。

2006/06/08 伝法院問題は「宗門最大の危機」

智山勧学会は26・27日の両日、東京・愛宕の別院真福寺で第50回智山教学大会を開催した。今大会には智山派所属の研究者や大正大学の学生など多数が参加。初日には智山勧学会や伝法院問題に関するシンポジウムも行われ、宮坂宥勝管長も「(伝法院崩壊は)宗団にとって最大の危機と認識せねばならない」などと発言し注目を集めた。

2006/06/15 全日仏が「黒い法要問題」で文書を発表

(財)全日本仏教会(安原晃理事長)は今月1日、比叡山延暦寺阿弥陀堂での山口組歴代組長の法要に対し、「黒い法要に対する仏教会の姿勢について」た題する文書を報道機関に送付した。
同文書では、今回の問題が「仏教界全体に関わる問題」との認識を示している。さらに昭和51年の全日本仏教徒会議三重大会で決議された「(暴力団による)威力誇示や資金集めに利用される恐れのある葬儀法要等は拒否しよう」を提示し、今回の法要に「遺憾」を表明した。近く開かれる理事会・評議員会でも諮り、加盟団体に周知徹底するとしている。

2006/06/15 高野山真言宗 庄野内局部長陣決まる

先の選挙で次期高野山真言宗宗務総長(金剛峯寺執行長)に庄野光昭氏が当選したのを受けて8日午前、庄野内局を構成する部長(執行)5人と企画室長1人が発表された。発表は総務部長となる永島龍弘氏(現耆宿議員)が和歌山県高野町の同宗宗務所で行った。任期は7月5日から4年。

2006/06/15 孝道教団 岡野正純新統理が誕生

孝道教団(横浜市神奈川区鳥越)は11日、岡野正貫統理(第二世)から法嗣である岡野正純氏に法統を伝える「第三世統理伝法相承式」と「開顕七十周年記念大法要」を孝道山本仏殿で執り行った。第三世となった正純新統理は初代、二世両統理の教えや「国宝の育成」の継承を表明。さらに「同事」精神による真の協力を強調した。

2006/06/22 日蓮宗瑞輪寺 由緒寺院昇格祝い慶讃法要

東京・谷中の日蓮宗瑞輪寺(内野日總貫首)は12日、同寺本堂で瑞輪寺由緒寺院顕彰慶讃音楽大法要を厳修した。当日は小松浄慎宗務総長、井上瑞雄身延山久遠寺総務、石川日命誕生寺貫首など、関係者を中心に多数が列席。法要では由緒寺院昇格の喜びと共に、「二階建て大客殿の建立」といった新たな伽藍整備の計画も発表された。(22-29合併号)

2006/06/22 浄土宗職員が積立金7億円を使い込み

浄土宗(水谷幸正宗務総長)の積立金約7億円が使途不明になっていることが16日、明らかになった。同宗財務局出納係の男性職員(50)が無断で商品先物取引につぎ込んでいたと見られ、またこの職員は使い込みを認めているという。宗務当局は目下事実関係を調査中。現段階でどの程度の損失になるかは明らかでないが、来年度以降の予算編成に支障をきたす恐れがあり、水谷内局の責任問題に発展するのは必至と見られる。(22-29合併号)

2006/06/22 WCRP京都大会に向け第2回実行委員会開催

(財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(庭野日鑛理事長)は23日、都内で2か月後に迫った第8回WCRP京都大会(WCRPⅧ)に向けた第2回実行委員会を開いた。今大会大会は約80カ国500人の海外宗教者など2000人の参加が予定されている。国際委員会の指名により日本からは正式代表を含め19人が招待者に決まった。WCRPの役職には就いていないが浄土真宗本願寺派の大谷光真門主と渡邊恵進・天台座主も参加する方向で調整を進めている模様。(22-29合併号)

2006/07/06 真宗大谷派 竹中彰元氏の処分撤回へ

日中戦争が始まった1937年に「戦争は罪悪」と唱えて禁固刑を受け、それがもとで真宗大谷派から「軽停班3年」(衣の色や法会の席次を最下位とする)の処分を受けた同派僧侶、竹中彰元氏(当時=岐阜県垂井町明泉寺住職)の処分が今年中にも撤回される模様だ。
先月6月の宗議会で岐阜教区の篠田譲議員(グループ恒沙)が紹介議員となって岐阜県内の僧侶ら5人が竹中氏の処分撤回を求める請願を提出。請願は、結局取り下げられたが、熊谷内局が処分撤回を約束したということで、今年中の撤回が期待されている。

2006/07/06 多々良学園調査報告を条件付き開示

曹洞宗(有田惠宗宗務総長)の第99回通常宗議会は30日、会期を1日延長して提出案件をすべて承認し閉会した。会期延長は懸案の多々良学園問題に関し宗議会が設置した調査委員会(千葉省三委員長)の調査報告書の取り扱いをめぐって有道会と總和会の調整が暗礁に乗り上げたためだ。しかし最終日に委員長報告が行われたほか、調査委設置を次の通常宗議会(来年2月)まで継続することも決まった。報告書は全面開示まではいかなかったが、議員には報告され、一定の説明責任を果たした。

2006/07/06 身延山久遠寺新法主に内野日總氏が決定

日蓮宗総本山身延山久遠寺の藤井日光法主(第91世)が高齢を理由に引退することを発表。これを受けて6月27日、久遠寺内で参与会が開催され、第92世法主として内野日總氏(本山瑞輪寺貫首)が正式に選出された。内野新法主の仮入山は7月31日になる予定。藤井法主の退山式は今月1日に挙行された。
内野日總法主は大正15年生まれ。80歳。立正大学文学部仏教学科卒業。昭和21年に山梨・清水房の住職に就任し、以後、身延山久遠寺副総務、身延山一老職、七面山別当等の要職を歴任した。平成10年からは東京・谷中の本山瑞輪寺貫首に就任。現在は身延山祖山常置会常任議員も務めている。

2006/07/13 念法眞教が2度目の長崎原爆慰霊

念法眞教(稲山霊芳燈主)は9日午前、長崎市松山町の原爆落下中心地公園で教団として昨年から始めた「長崎原爆殉難者慰霊法要」を今年も執行、原爆が原因で死亡した市民ら13万4千人余りの冥福を祈り、世界の平和を祈願した。
立教80周年を機に法要が始まった昨年はあいにくの雨となったが、今年は九州地方に接近していた台風3号が大陸方面へ逸れ、梅雨前線も九州南部に停滞して快晴。そのもと、法要は桶屋良祐教務総長が導師、各地の住職・副住職16人が式衆を務め、九州地方の信徒を中心に300人が参拝した。

2006/07/13 多々良学園が高川学園高校に校名変更

民事再生途上にある曹洞宗関係校、学校法人「多々良学園」(山口県防府市)の債権者集会が4日、東京地裁で開かれ、再生計画案が認可された。これにより9月1日から法人名は「山口高川学園」となり、校名も「高川学園高校」となる。

2006/07/13 法華経漢訳1600年記念し訪中団を派遣

日蓮宗(小松浄慎宗務総長)は6月23日から29日までの期間、第12次日蓮宗中国訪問使節団を派遣した。今回の訪中使節団は鳩摩羅什の法華経漢訳1600年を記念して企画されたもの。26日には中国・草堂寺(釈諦性住職)で「鳩摩羅什法華経漢訳1600年慶讃法要」も営まれ、法華経信仰を共にする日中仏教徒の連帯が確認された。
訪中使節団は、小松総長が団長、平井照山宗会議長が副団長を務めて実施。期間中には約40人の団員が北京の中国仏教協会や西安の陜西省仏教協会をそれぞれ表敬訪問した。

2006/07/20 日本仏教鑽仰会が東京お盆まつり

(財)日本仏教鑽仰会(中山静麿理事長)は4日、東京・千代田区のイイノホールで恒例の東京お盆まつりを開催した。会場には有縁の老人ホームの入居者や、一般都民など約550人が参加し、亡き人を偲んだ。
今年は川崎大師平間寺の髙橋隆天貫首を導師に法要を厳修。日中戦争で亡くなった犠牲者を追悼するため「怨心平等」の仏教精神から始めた東京お盆まつりの縁起を紐解き、参加者の先祖や、有縁・無縁の亡き人々を追悼した。

2006/07/20 智山伝法院 3ヶ月ぶりに研究体制整う

智山伝法院(佐藤隆賢院長)の新しい研究員が13日、正式に発令された。新たに発表されたのは副院長職務代行職員以下、常勤教授、非常勤教授など13人。吉田宏晢前院長の退任から約3カ月のブランクを経て、伝法院はようやくその再建への第1歩を進んだことになる。
新しい研究員の陣容は以下の通り。
▽院長=佐藤隆賢(智山勧学会元理事長)▽副院長職務代行職員=廣橋義敬(宗務出張所長)▽常勤教授=森口光俊(大正大学非常勤講師)▽非常勤教授=宮坂宥洪(名古屋大学講師)、児玉義隆(種智院大学講師)種村隆元(東京大学大学院人文社会系研究科助手)▽非常勤講師=田中悠文(専修学院講師)▽客員講師=野口圭也(豊山派、種智院大学客員教授)▽非常勤研究員=原隆政(伝法院非常勤研究員)▽嘱託研究員=原豊寿(伝法院嘱託研究員)、松本峰哲(御室派、種智院大学専任講師)、スダン・シャキャ(善通寺派、種智院大学非常勤講師)、岡本秀憲(総務部書記)、田村宗英(教学部雇員)。

2006/07/20 松ヶ岡文庫が没後40年の大拙忌法要

神奈川県・鎌倉市の(財)松ヶ岡文庫(井上正道理事長)で文庫の創設者で近代を代表する仏教者・鈴木大拙(1870~1966)の「大拙忌法要」が命日にあたる12日に営まれた。
今年は大拙没後40年、松ヶ岡文庫が正式に認可されて60年という節目の年にあたる。法要には研究者や大拙ゆかりの文化人、仏教者など約20人が参列し、鈴木大拙との交流や松ヶ岡文庫の思い出を語り合い、鈴木大拙を偲んだ。

2006/07/27 川崎大師に2万4千個の風鈴が勢ぞろい

神奈川県川崎市の真言宗智山派大本山川崎大師平間寺(髙橋隆天貫首)で19日から23日までの5日間、恒例の風鈴市が開かれた。悪天候に見舞われたため、平日の人出は例年に比べて少なかったが、雨が止んだ週末にはたくさんの人で賑わいをみせた。
期間中には全国から760種類、2万4千個の風鈴が勢ぞろい。中でも人気を集めているのが、だるまの顔が描かれた川崎大師オリジナルの「厄除けだるま風鈴」。またプラチナ製(43万)、十八金製(30万)の超高級風鈴も登場した。

2006/07/27 臨済宗全生庵で山岡鉄舟忌を厳修

東京・谷中の臨済宗国泰寺派全生庵(平井正修住職)で19日、鉄舟忌が営まれた。鉄舟忌は全生庵開基である山岡鉄舟(1863―1888)の命日にあわせた恒例行事。当日は檀信徒を中心に約80人が参列した。
法要は平井住職を導師に厳修。国泰寺派妙音会による尺八の演奏後、参加者全員で読経・焼香が行われ、鉄舟を偲んだ。
来賓代表の挨拶では中曽根康弘元首相が「鉄舟忌に来ると心が洗われる。そのために参上している」と吐露。「世界は大きく転換しつつあり、明治維新の時と同じ状況にある」と鉄舟が活躍した時代と重ねあわせ「憲法改正、教育の改革、財政問題という国の基本問題に取り組み、日本の精神的基盤を整えないといけない」と述べた。

2006/07/27 WCRP京都大会にイラン前大統領ら出席

WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会(庭野日鑛理事長)は8月下旬の第8回世界大会を1カ月後に控えた25日午後、京都市内のホテルで記者会見を開き、大会概要を発表した。海外からイラン前大統領のムハンマド・ハタミ氏やノルウェー前首相のケール・マグネ・ボンデヴィック氏、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のアン・ヴェネマン氏らの要人が参加するほか、パレスチナやイラクなど紛争が続いている地域の宗教指導者が参加して期間中に解決へ向け交渉することなど、これまでにない会議をもつことを明らかにした。

2006/08/03 韓国の強制動員遺族招き曹洞宗で追悼会

韓国・朝鮮から強制動員されて日本で死亡した人の遺族を招いて全国約30カ所で集会を開く「韓国・朝鮮の遺族とともに―遺骨問題の解決へ2006夏」の最初の行事となる追悼会が28日午前、東京・曹洞宗檀信徒会館(東京グランドホテル)で、曹洞宗による法要と韓国・朝鮮の儀礼で先祖を供養する「チェサ」で営まれた。また院内集会や東京集会で、東西本願寺が遺骨調査に着手することが報告された。

2006/08/03 浄土宗元職員が4千万円返還

浄土宗財務局の元職員が共済制度の積立金など7億4500万円を使い込んだとされる問題で、同宗宗議会の議員懇談会が7月28日午後、京都市の宗務庁で開かれ、元職員が4000万円を返金していたことなど新事実が明らかになった。懇談会後には、有志議員が損失補填などについて審議する臨時宗議会の招集を求める「決議文」を水谷幸正宗務総長へ提出、補填策の提示など早急な対応を求めた。

2006/08/03 チベット僧が大本山護国寺で砂曼荼羅を制作

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所が主催、真言宗豊山派大本山護国寺、日印芸術研究所などが後援し7月22日から30日まで、護国寺桂昌殿でチベット砂曼荼羅ライブパフォーマンスが開催された。
会場では一週間にかけて、チベット・ギュト寺の僧侶が砂曼陀羅などを制作。特にツンブー(模様を描くための道具)を用いて模様を描いていく「観世音菩薩砂曼陀羅」のパフォーマンスは人気が高く、多くの来場者がその周囲に集まっていた。
護国寺の小林大康執事長も「リピーターが多くてびっくりした」と笑顔。「同じ仏教徒として良い交流が出来た」とし、「今後もこういう機会があれば是非協力していきたい」と語っていた。

2006/08/10 増上寺で30回目の鋏供養を厳修

東京・港区の浄土宗大本山増上寺(成田有恒法主)で3日、「ハサミ供養」が営まれた。ハサミ供養は8月3日午後3時というハサミの語呂にあわせて行われる恒例行事。午後3時からの供養法要は境内の聖鋏観世音菩薩を安置したハサミ塚の前で石田祐寛・増上寺執事を導師に厳修。読経のなか、始めに山野愛子ジェーン・山野学苑理事が焼香、続いて生徒ら参加者全員も焼香し、日頃の感謝の意を表した。
また今年は30回という節目にあたることから法要後には山野学苑が実践する「美容福祉」の一環として美容福祉結婚式が成田有恒法主を戒師に本堂で行われた。

2006/08/10 八王子で日中仏教者が文化交流

東京金剛院仏教文化研究所、中国仏学院蘇州霊岩山分院、蘇州西園戒憧律寺仏学研究所、蘇州寒山寺寒山書院の共催で4・5日の両日、東京・八王子の高野山真言宗別格本山金剛院(山田一眞貫首)で第3回日中仏教文化交流大会が開催された。今大会には中国側から僧侶や宗教行政担当者など5人が来日。学術交流などを通して、両国仏教の現代的課題を改めて問い直した。

2006/08/10 各教宗派の宗教者集い比叡山上で平和の祈り

「世界平和祈りの集い」(主催=天台宗・延暦寺)が4日午後、今年も大津市の比叡山上で執り行われ、仏教・神道・キリスト教など宗教者が集い、紛争止まない世界の平和を真摯に祈った。87年の「比叡山宗教サミット」から19周年となる今回は、各教宗派から来賓100人の他、毎年この時期に実施される比叡山青少年研修会に参加した中学生や一般参拝者を含め約800人が参加した。

2006/08/17 真言宗智山派蓮花寺に仏教研究所が発足

東京・大田区の真言宗智山派蓮花寺(遠藤祐純住職)に9月から、「蓮花寺仏教研究所」が開設されることが判明した。研究所は智山教学を学ぶ若手研究者に研究の場を提供するというのが狙い。現時点で智山伝法院から離脱した旧研究員6人の参加が決定しており、関係者の間でその活動に期待が高まっている。
研究所の陣容は以下の通り(継承略)。▽代表=遠藤祐純(蓮花寺住職、大正大学名誉教授)、▽常勤研究員=山野智恵(元智山伝法員常勤研究員)、▽非常勤研究員=小林崇仁(同常勤研究員)、高橋秀城(同常勤研究員)、山本匠一郎(同常勤研究員)、遠藤純祐(同常勤研究員)、遠藤祐介(同常勤研究員)。(17-24合併号)

2006/08/17 多々良学園移転問題で曹洞宗を提訴

曹洞宗(有田惠宗宗務総長)の関係する学校法人「多々良学園」(山口県防府市)の校舎移転事業に起因する経営破綻問題で、事業に融資した地元の2つの信用金庫が、曹洞宗に対して約12億円の損害賠償を求めて山口地方裁判所に提訴していたことが明らかになった。15日、担当弁護士が地元で会見した。
訴えたのは山口信用金庫と防府信用金庫。校舎移転事業にあたり、2信金は17億円を融資した。昨年10月、民事再生法適用を申請し、学園側は借入金の一部を返済した。学園の実質的な運営は曹洞宗であるとの認識から、曹洞宗選任の理事経験者10数名を含む曹洞宗を提訴するに到った。8月8日まで当事者に訴状を送ったという。(17-24合併号)

2006/08/17 高野山真言宗次期座主に松長有慶氏が決定

高野山真言宗総本山金剛峯寺の第412世座主に元高野山大学学長の松長有慶氏(補陀洛院住職)が就任することが17日、決まった。座主は同宗管長を兼ねる。就任は11月15日、任期は4年。
資延敏雄座主の任期満了に伴い次期座主推戴期日が7月18日に公示され同月24日の座主候補者推薦届出締切までに松長氏のみが推薦された。候補者が一人のため宗会議員や宗務支所長など推戴委員による投票は行われず、期日の17日に推戴管理会が開かれて、正式に松長氏を推戴することが決まった。(17-24合併号)

2006/08/31 本願寺派北山別院問題 元輪番と和解成立

浄土真宗本願寺派北山別院の元輪番が門主の認許を得ずに債務保証し損害を受けたとして、同別院が元輪番を相手取り1億円の賠償などを求めていた裁判の控訴審は8月21日、元輪番が責任を認め、3500万円を同別院に支払うことで和解が成立した。

2006/08/31 浄土宗 門主代行に坪井俊映法主

浄土宗(水谷幸正宗務総長)は23日、中村康隆門主が3カ月以上執務できないため、規定に基づき浄土門主代行として大本山金戒光明寺の坪井俊映法主を推挙した。知恩院では佐藤諦学執事長がその職務を代行する。
関係者によると、中村門主は8月中旬に京都市内の病院に通常の検査入院。この時、主治医から3カ月ほどの静養が必要だといわれ、今回の措置になったという。

2006/08/31 京都でWCRP世界大会を開催

第8回世界宗教者平和会議(WCRP)世界大会が約100の国と地域から800人を超える宗教指導者が集い、8月26日から4日間、京都国際会館で開かれた。大会では、全体会議や研究部会、地域会議などを通じて諸宗教協力による平和構築や貧困問題などへの取り組みが討論された。また開会式では大会テーマとは別に「宗教は平和への道」を合い言葉に、諸宗教の子どもたちが「道」をアピールした。最終日(29日)に、1970年に続く新たな「京都宣言」が採択された。

2006/09/07 「他力本願でいこう2006」に千人の人出

浄土真宗本願寺派・本願寺首都圏センター(松原功人所長)は2日、東京・中央区の築地本願寺で本願寺LIVE「他力本願でいこう!2006」を開催。約千人が集まり音楽LIVEに加え、法話、法要を通してお寺や仏教に親しんだ。
今年のLIVEの入場券は当日午前10時からと「築地本願寺の晨朝勤行(午前7時から)に参加した人」に無料配布された。晨朝勤行には約500人が参加。予想以上の反応で普段はお寺に行かない人からも「読経は抑揚があり面白い」などの声が聞かれた。

2006/09/07 曹洞宗臨宗 多々良問題訴訟が焦点に

曹洞宗(有田惠宗宗務総長)は4日、東京・芝の宗務庁に第100回臨時宗議会(佐藤良彦議長)を招集。多々良学園校舎移転に融資していた2金融機関が先月、曹洞宗と元理事を相手取り損害賠償請求を起こしたことに有田総長は「この問題に全身全霊を傾けることこそが、宗務担当者が取るべき肝要事」として、事実上、全面的に争う姿勢を明らかにした。このための弁護士費用も補正計上した。また同学園の経営母体が他法人に移行したことから、宗制も変更された。

2006/09/07 「密教文化」テーマに高野山国際密教学術大会

高野山大学(生井智紹学長、和歌山県高野町)で5日、「密教文化の歴史と展望」をテーマに国内外の密教研究者130人余りが研究発表をおこなう「高野山国際密教学術大会」が幕を開けた。同大学の創立120周年記念の大会で8日まで4日間開催される。同大でのこうした規模の国際学術大会は初めてだという。
期間中は93題の研究発表の他、「変化する世界における宗教―宗教間対話に向けて」や「日本的スピリチュアルケアの課題」など7つのパネル討論も予定されている。
海外の研究者は英国、ドイツ、オーストリア、米国、サウジアラビア、ネパール、マレーシア、タイ、バングラデシュ、台湾、中国、韓国から参加した。

2006/09/14 日本宗教連盟が創立60周年の式典

今年の6月で創立60周年を迎えた財日本宗教連盟(日宗連、山北宣久理事長)は7日、都内のホテルで傘下の5団体代表や政界、学界関係者が参席して記念式典を挙行。日宗連が掲げる信教の自由と政教分離の精神を再確認した。
日本宗教連盟は昭和21年6月2日、教派神道連合会、仏教連合会(全日本仏教会の前身)、日本キリスト教連合会、神社本庁の4団体で設立された。後に新日本宗教団体連合会(新宗連)が加わり5団体で構成。信教の自由と政教分離を寄付行為の中で掲げている。宗教教誨や税制シンポなどに取り組んでいる。また日宗連加盟ではないが、21都府県に宗教連盟や協議会などが組織されている。

2006/09/14 高野槇の「お印」採用に喜びの声

高野山真言宗は今月6日に誕生した秋篠宮悠仁親王の「お印」(身の回りのものに名前の代わりに付けるもの)として「高野槇」が選ばれたことを受けて12日、喜びのコメントを発表した。
「高野槇」は和歌山県高野山に多いことから命名された日本特産種の常緑高木。成長すると、高さ40㍍、太さ1・5㍍の巨木になることで知られており、悠仁親王殿下にも「大きく、まっすぐ育ってほしい」との願いから「お印」に選ばれた。
これに対し、高野山真言宗では「親王殿下のお印として『高野槇』にお決めになられましたこと、高野山総本山金剛峯寺・高野山真言宗としては、大変喜ばしいことであり、名誉なことと存じます」と喜びを表明。「親王殿下におかれましては『高野槇』のようにまっすぐすくすくとご成長されますことをお祈り申し上げます」とする資延敏雄管長名のコメントを発表した。

2006/09/14 千葉・那古寺で奈良時代の古写経を発見

千葉・館山市の真言宗智山派那古寺(石川良泰住職)で奈良時代の古写経2点が発見されたことが5日、同寺と館山市立博物館の発表で判明した。奈良時代の古写経が一度に複数発見されるのは極めて珍しいとのこと。調査に関わった専門家からも「重要文化財級の資料」と注目が集まっている。
発見された「観世音経」は縦26・2㌢、横175・8㌢の巻物。紙は楮紙(こうぞを原料とした紙)を用いたもので、字姿などから奈良時代前期と判定された。「孔雀王咒経」(伝弘法大師筆)のほうは縦27㌢、横88㌢のサイズ。こちらは奈良時代後期のもので、寄進記録などから1565年に関東足利氏(古河公方の一族の足利家国)が寄進したものとされている。
共に奈良時代の古写経となるが、中でも「観世音経」は国内にも数点しか現存例がない貴重なもの。全文が残っている写経としては最古級のものであり、「経典末尾に偈頌(四字からなる詩句)がない」など、鳩摩羅什訳「妙法蓮華経」の古態を残している点も関心を集めている。

2006/09/21 日蓮宗 宗門運動の議論が第2段階に移行

日蓮宗の中央伝道企画会議で検討が進められていた『立正安国・お題目結縁運動』の議論が制度研究委員会に移った。現在は宗祖の3大聖日(降誕、遠忌、立教開宗)を軸にした長期計画についても検討が進められている模様。また宗務総長の私的諮問機関として「宗門財政懇談会」、「祖山総登詣懇談会」なども発足し、幅広い視点から計画の具体化が検討されることになった。

2006/09/21 高野山秋季宗会 庄野総長が公約実現へ努力約束

高野山真言宗の第129次秋季宗会(中津公雄議長)が13・14日の2日間、和歌山県高野町の同宗宗務所で開かれた。7月5日に就任した庄野光昭宗務総長(金剛峯寺執行長)は初めて臨んだ今宗会で、執行長選挙で掲げた「公約」の実現へ向けて努力することを約束。また「基本方針」で示した「求心力のある本山」「帰属していることに夢と誇りを持てる宗団」を目指していくことを改めて表明した。

2006/09/21 印仏学会 梵文維摩経のテーマにシンポ

日本印度学仏教学会(木村清孝理事長)は12・13日の両日、東京・西巣鴨の大正大学で、第57回学術大会を開催した。大会では10部会にわかれ約250人の研究者が発表。2日目には大正大学がチベット・ポタラ宮で発見した梵文『維摩経』に関するパネルディスカッションも行われ注目を集めた。

2006/09/28 中村元東方学術賞に末木文美士氏が決定

(財)東方研究会(中村洛子理事長)がインド大使館と共同で主催している中村元東方学術賞の第16回目の受賞者が仏教学者の末木文美士氏(東京大学大学院教授)に決定した。
受賞した末木氏は日本仏教を専門とする研究者。受賞理由においても同氏がこれまでに行ってきた日本仏教研究の成果が高く評価されている。

2006/09/28 「日韓の架け橋に」 遺骨返還で曹洞宗にエール

曹洞宗(有田恵宗宗務総長)は27日午後、東京・芝の曹洞宗宗務庁で全国人権擁護推進主事研修会を開いた。最初の講師である上杉聰氏(関西大学講師)は朝鮮半島出身者の遺骨返還に関して、宗教界で先鞭を付けた曹洞宗の取り組みを評価し、「日韓の架け橋となるようもう一踏ん張りしていただきたい」とエールを送った。

2006/09/28 NECソフトがSVAの運動に協力

NECソフト株式会社は20日、(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA)の「絵本を届ける運動」に協力するため、東京・新木場のNECソフト本社ビルほかで社員が集り、絵本の訳語シールの貼り付け作業を実施した。
参加者はSVAスタッフの報告を受けながら作業。「現地の様子を聞き、子どもたちのことを思い浮かべながらできました」といった感想が聞かれた。また「手先を使った細かい作業で気分転換になる」「違う部署の人との交流にもなる」など、副次的な効果も得られたようだ。
SVAの「絵本を届ける運動」は訳語シールを絵本に貼り付け、子ども向けの教材や出版物が少ない地域の子どもたちへ届けている。NECソフトでは2002年から社員やその家族がこの運動に参加。5年間で750冊の絵本が作成された。

2006/10/05 次期毘沙門堂門跡門主に叡南覚範氏

天台宗(濱中光礼宗務総長)は9月21日、今年11月18日で任期満了となる毘沙門堂門跡(京都市山科区)の森川宏映門主に代わる後任として叡南覚範氏(79、延暦寺一山建立院住職)の就任を発表した。門跡寺院推薦委員会で全会一致で推薦されたもので、任期は11月19日から7年となる。

2006/10/05 浄土宗定宗 水谷総長が辞職を表明

浄土宗第88次定期宗議会(稲岡康純議長)が9月28日から30日まで京都市の宗務庁で開かれ、水谷幸正宗務総長が同宗元職員による7億4500万円不正流用事件の責任を取って辞職することを表明した。3期議員らが不信任決議案を提出したが、総長が辞職の時期を「11月初旬」と明確にしたことで同案採決は避けられた。12月にも臨宗が招集され、次の総長を選出する運びだ。

2006/10/05 日蓮宗 内野日總身延山久遠寺法主が入山

日蓮宗総本山身延山久遠寺の第92世法主に就任した内野日総法主の入山奉告式が3日、山梨・身延町の同寺で盛大に営まれた。入山奉告式には酒井日慈日蓮宗管長、小松浄慎宗務総長をはじめ、各本山の貫首、宗会議員、有縁の檀信徒など約3000人が参列。内野法主も挨拶の中で、「僧侶、信徒一人一人が異体同心に身延山の隆昌をはかり、祖山として全国の信徒に慕われる霊地にして参りたい」と語り、身延山発展に向けた決意を示した。

2006/10/12 全日仏 北朝鮮の核実験に抗議の声明

(財)全日本仏教会(全日仏、安原晃理事長)は9日に行われた北朝鮮の核実験に対し11日、理事長名で抗議声明を発表した。
声明では、全日仏の目的を掲げながら現在、「朝鮮半島出身の民間徴用者の遺骨返還」を展開していることを説明。そして「この度の核実験は、わが国をはじめアジア諸国の緊張と不安を高めるものである。平和を希求する私ども仏教とは、核実験を行った北朝鮮に対し、厳重に抗議いたします」としている。

2006/10/12 芝学園で創立100周年を祝う

浄土宗の宗門校として知られる芝学園(東京・港区、助川幸彦校長)で7日、創立100周年を祝う記念式典が挙行された。式典には関係者を中心に約600人が参列。助川校長も挨拶の中で「これからも『遵法自治』の校訓を受け継ぎ、『自利利他』の精神をもった生徒を育てていきたい」と意欲を示した。

2006/10/12『見仏記』コンビが仏像の魅力をアピール

東京・台東区の東京国立博物館・平成館大講堂で10月7日、みうらじゅん氏といとうせいこう氏の「仏像トークショー」が開かれた。このイベントは現在行われている仏像展「一木に込められた祈り」の関連イベントとして企画されたもの。
トークショーでは『見仏記』などの著者で知られる仏像好きの両氏が展示中の作品やこれまで2人が出会った仏像たちをスライドで紹介。
「木っていうと地味な感じがするけど『神木から彫り出しているっていうスピリッツを買いたい』」(みうら氏)と同展をPR。11月7日から公開される滋賀・向源寺の国宝『十一面観音菩薩立像』がスライドに映し出されると「個人的にまたこの方に会いに来ないと」(いとう氏)と再会を熱望していた。

2006/10/19 曹洞宗特別宗議会 新宗務総長に渕英徳氏

曹洞宗は宗議会議員改選(72名)に伴う特別宗議会を17日、東京・芝の宗務庁に招集。有田惠宗氏に代わる新宗務総長に元教学部長で前有道会幹事長の渕英徳氏を選出した。渕新総長は就任挨拶で前有田内局の施策を継承することを表明すると共に「宗務機構の整備にも取り組まなければならない」と機構改革を口にした。懸案の多々良学園問題については「前内局において対応がはかられた次第」とのべるにとどまった。議長には元出版部長の国安格典氏(有道会)、副議長には前人事部長の荒井源空氏が就任した。

2006/10/19 川崎大師平間寺貫首に藤田隆乗氏が就任

真言宗智山派大本山・川崎大師平間寺(川崎市川崎区大師町4―48)で10日、高橋隆天貫首の逝去に伴い藤田隆乗氏が第45世・中興第2世貫首に就任した。
藤田貫首は昭和30年生まれ。53年に大正大学文学部哲学科を卒業、57年には同大学大学院文学研究科修士課程真言学を修了した。同年4月より平間寺に入寺、60年には大正大学大学院文学研究科博士課程仏教学専攻・真言学を修了。同年9月より智山派宗学研究生としてハワイ大学に留学、平成2年5月に帰国した。平成16年平間寺副執事、17年執事に就任した。

2006/10/19 第3回世界サンガ大会に4500人が参集

立正佼成会(庭野日鑛会長)は14日、東京・杉並区の普門館で3回目の世界サンガ結集大会を開催した。開祖生誕100年にあたる今年は、海外・在日外国人会員1500名を含む約4500人の会員が参加し、世界 各地の教会にもインターネット中継された。
式典ではキャンドルサービスによる平和の祈りとビデオ「国際布教の歴史」上映の後、ブラジル・ニューヨーク・スリランカの各教会と同時中継し現地の様子を伝えた。

2006/10/26 智山派教区代表会 総長不信任案を巡り空転

真言宗智山派(島秀隆総長)の第101次定期教区代表会が24日、京都・東山区の宗務庁に召集された。今回は現在の教区代表による最後の議会。初日には平成17年度決算、平成18年度第1次補正予算案など14議案・2報告が上程される予定だったが、細田峰賢代表(茨城第二)から動議が出され、その扱いを巡って議会は長時間空転した。動議の内容は公開されていなかったが翌25日、複数の教区代表が「(島総長の)不信任案」であることを認めた。

2006/10/26 草加市で埼玉県仏教徒大会 僧俗合わせ500人が参集

(財)埼玉県仏教会(酒井文雄会長)は17日、埼玉・草加市文化会館で、第29回埼玉県仏教徒大会を開催した。県内から約500人の信徒が参集。講演や落語を通じて、他者との関わり合いや思いやりのある言葉の重要性について学んだ。草加市での大会は、今回が初。
大会では参加者に向け、福祉義捐募金が要請され、閉会時には12万5300円が寄せられた。この募金は地元の福祉に役立てる他、『ネパールみすゞ基金』にも寄付される。

2006/10/26 水月会 中国・江蘇省に小学校を建設

中国江蘇省徐州市賈汪区のベン塘鎮北元小学校校舎の建築支援を進めていた水月会(本多隆法事務局長)は18日、校舎の完成を受けて大谷暢顯名誉団長(東本願寺門首)、関口亮弘団長(天台宗)ら代表団9人が現地を訪問。学校関係者や生徒から歓迎を受けるなか、中日友好北元小学校の完成式が行われた。式典には地元住民らも訪れ、地域一体で祝した。
水月会は昭和41年の発足。以来、超宗派の寺院、僧侶を主体にした会員が福祉活動を行っている。1991年から始まったアジアの貧困地区での学校校舎の建築支援は今回で17校目(中国15校、バングラデシュ・ベトナム1校)。来年はミャンマーでの学校建設が決まっている。

2006/11/02 智山派教区代表会 不信任案を巡り空転

京都・東山区の真言宗智山派宗務庁に招集されていた第101次定期教区代表会が27日、閉幕した。今議会では平成17年度決算、平成18年度第1次補正予算案など14議案が審議される予定だったが、初日に出された島総長の不信任動議を巡り空転。4日目には決算関連の7議案が上程されたが、その後も懲罰動議をめぐって長時間空転したため、上程議案は審議未了のまま閉会となった。議案中で承認されたのは「菩提院結衆補充選定」に関する1議案のみ。

2006/11/02 全日仏婦 写経通じて印度山日本寺を支援

(社)全日本仏教婦人連盟(大谷貴代子会長)は10月26日、東京・品川のパシフィック東京で第53回大会を開催。来賓、会員合わせて130人が参加し、これまでの活動成果を確認し、今後の飛躍を誓った。
大会では活動の中心でもある「写経運動」で集められた1千巻分の浄財(100万円)が(財)国際仏教興隆協会の正本乗光事務総長に贈られた。「写経運動」では一巻につき千円を奉納。この浄財は印度山日本寺の光明施療院で行っている無料診断の運営資金としている。
正本氏は設立から35年間の活動で「年内までに累計70万人の治療をさせていただくことになる」と報告。さらに「この資金が、日本寺の菩薩行、布施行の実践のコアになっている。大事に使わせもらいます」と改めて謝意を述べた。
大会最後の宣言文では末廣久美副会長が毎年1千巻の写経の奉納について「2千巻を目標に展開していきたい」と新たな目標を掲げた。

2006/11/02 ダライ・ラマ法王が来日講演

チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王が10月30日に来日し、翌31日午前、都内のホテルで世界平和と人権をテーマに講演した。主催は全真言宗国際救援機構と密教21フォーラム。世界連邦日本仏教徒協議会が共催。
勇壮な和太鼓に迎え入れられた法王は、満堂の参加者に「われわれは釈尊の法統を受け継いでいる。同じ場所に同じ師匠の弟子が集まることは素晴らしい」と喜んだ。法王は慈悲と愛を何度も口にしながら、こころの平和が世界の平和につながることを説いた。
さらに「20世紀は流血の時代、21世紀は対話の時代」とあらゆる分野で対話が必要であることを強調した。

2006/11/09 本願寺派宗会 不二川総長、辞職し再選

浄土真宗本願寺派宗会(木下慶心議長)で1日、不二川公勝総長が辞職し、その後実施された総長選挙で再度選出された。同総長は翌2日、経験充分の武田昭英議員を筆頭総務とする総務5人を任命、第4次不二川総局を発足させた。
宗会は一般質問などが長引き会期末の31日までに審議が終わらず会期を延長。1日に採決し、全議案を原案通り可決・承認・同意した。

2006/11/09 大正大学次期学長は小峰彌彦氏に

東京・西巣鴨の大正大学は11月7日、任期満了が近づいた星野英紀学長の後任を決めるための理事会を開催。10月25日の教授会で学長候補者として推薦されていた小峰彌彦氏(智山派、人間学部仏教学科教授、学長補佐)を第32代学長として選出することを正式に決定した。任期は平成19年4月1日より3年。
小峰氏は昭和20年生まれ。61歳。大正大学大学院文学研究科仏教学専攻博士課程後期単位取得退学。仏教学博士。巣鴨女子商業高等学校専任講師、智山伝法院専任講師などを経て昭和61年に大正大学人間学部仏教学科兼任講師に。以後、特任助教授、助教授を歴任し、現在は大正大学学長補佐、大正大学人間学部教授を務めている。専門は般若経と曼荼羅思想。著者に『真言密教とマンダラ』(大法輪閣)『般若心経に見る仏の世界』(大正大学出版会)など。

2006/11/09 震災想定した防災訓練に境内を提供

震災発生時に交通機関が遮断され、徒歩帰宅を余儀なくされたという設定に基づき「市民による防災訓練―帰宅困難者対応訓練」が4日、都内から川崎市のコースで行われた。途中にある寺院も協力し、災害時の寺院の役割を体験した。主催は東京災害ボランティアネットワーク(東災ボ)。今年で3回目。
慈眼寺では檀信徒7人とシャンティ国際ボランティア会(SVA)スタッフがサポートにまわりお茶やお菓子を訓練者に手渡した。櫻井住職も「本当に災害が起きた時にお寺に何ができるか。今回こうして初めて参加して勉強させてもらっている」「お寺の公益性という点から、災害時に寺院は何ができるのかを考える機会にもなった」と話した。
高野山東京別院は大型エイドステーションとして昼食時に設定。広い境内にはテントが張られ、ビニールシートが敷かれた。建物が密集している都市部で広い敷地を有する寺院などは、災害時に支援拠点となる可能性があることを窺わせた。

2006/11/16 本願寺派僧侶が参院選への出馬を表明

浄土真宗本願寺派の僧侶、藤谷光信氏(69、山口県岩国市・教蓮寺前住職)が来年7月の参議院議員選挙に民主党(比例区)から立候補することが決まり8日午前、京都市下京区の同派宗務所で鳩山由紀夫同党幹事長と共に発表した。同派も支援していく方針。
藤谷氏は、中学高校の教師を経て岩国市議会議員を4期務め、その後山口県議会議員(民主党)へ転進、現在4期目を務めている。(16-23合併号)

2006/11/16 庭野日敬開祖生誕百年 大聖堂で記念式典を挙行

庭野日敬開祖(1906~1999)の生誕100年にあたり、開祖の顕彰事業や記念行事を推進してきた立正佼成会(庭野日鑛会長)。今月15日は庭野開祖の誕生日にあたり同日午前、東京・杉並の大聖堂で100年を記念する「開祖生誕会」式典を挙行した。宗教界を中心に300人の来賓を含む4千人が参集し、法華経に基づいた人類救済、宗教協力による平和運動に生涯を捧げた開祖の偉業に改めて接した。庭野会長は「ご法をしっかりと会得して、幸せをいただいた者は多くの方にお伝えする。そのことを開祖は特に願われていた」と開祖の願いの実現をよびかけた。(16-23合併号)

2006/11/16 大正大学が創立80周年を祝う

東京・西巣鴨の大正大学(星野英紀学長)は7日、都内のホテルで「大正大学創立80周年記念感謝の夕べ」を開催した。式典には設立四宗派(天台宗・浄土宗・真言宗智山派・同豊山派)の僧侶や大学関係者など約320人が列席。当日は同大の卒業生である成田有恒大本山増上寺法主なども挨拶し、創立80周年に向けた祝意を示した。(16-23合併号)

2006/11/30 真宗大谷派 大谷暢顕門首の就任10周年を祝う

真宗大谷派の大谷暢顕門首(76)が就任から10年を迎え21日午前、京都市の本山阿弥陀堂で記念式が執り行われた。宗門各機関から代表者や門徒ら1200人が参列するなか、暢顕門首は同朋社会の実現に尽力することを誓った。
大谷光暢前門首の三男・暢顕門首は、1969年に始まる大谷家と宗派側が対立した「教団問題」(お東紛争)を経て96年7月、第25代門首に就任。以来、新宗憲下で門首の職責を務め、今年の7月31日で丸10年を迎えた。

2006/11/30 米国で「浄土真宗センター」が落慶

米国の「浄土真宗センター」が竣工し10月21、22の両日、浄土真宗本願寺派関係者列席のもと、カリフォルニア州バークレー市の同センターで慶讃法要と関連行事が行われた。
センターは、新たに西本願寺当局と龍谷大学の支援と協力を得て、浄土真宗を世界的に伝道布教するための拠点として設立された。そのため大講堂をはじめとして、各種講座・研究用の中小ホール・教室・図書館・仏教書店・研究滞在用宿泊設備まで完備した機能的な建物である。
センター所長に梅津弘道氏(前米国仏教団事務局長)が就任しており、すでに各種のプログラムが実施され、龍谷大学より数十名の研修生によるプログラムが組まれている。(乗元恵三)

2006/11/30 高幡不動尊で万燈会を厳修

東京・日野市の真言宗智山派別格本山高幡不動尊金剛寺(川澄祐勝貫主)で22・23日の両日に万燈会が執り行われた。大提灯や浮燈明、ローソクなどの灯りが五重塔を中心に飾られ、大勢の参詣者と共に境内を彩った。
万燈会は弘法大師空海が高野山において報修したことから始まった伝統法要。高幡不動尊では平成8年から「高畑不動尊もみじまつり」と「勤労感謝の日」に合わせ奉修されている。

2006/12/07 天台宗が全国一斉托鉢を実施

天台宗の全国一斉托鉢が1日実施され、総本山延暦寺の地元・大津市坂本では半田孝淳探題大僧正をはじめ同寺と宗務庁の僧侶・職員約100人が家々を回るなどして浄財を募った。
一斉托鉢は昭和61年に始め、今年で21回目。今年もすでに各地で開始されており2月上旬頃まで全国58カ所で実施、1日は全国30カ所で行われた。集まった浄財は一隅を照らす運動総本部の地球救援募金や各地の社会福祉協議会、日本赤十字などに寄託される。

2006/12/07 駒澤大学・竹友寮が再開発で移転

東京・駒澤大学に隣接する竹友寮。来年4月には近くの別の場所に移転し、新竹友寮に生まれ変わる。大学再開発により現在の寮が道路の付け替え工事のため取り壊しになるからだ。約40年の歴史を刻んだ現在の竹友寮舎では1500人余が僧堂に似た寮生活をおくった。現在、来年2月中旬をめどに「感謝の集い」(仮)の準備が進められている。
OBによる実行委員会(山本一乗委員長)が組織され、来年2月中旬に「竹友寮舎感謝の集い」(仮)として、報恩法要と物故者追悼法要を営む。懇親会と最後の寮見学などが企画されている。近く寮生OBに案内状が送付される予定だ。そして来年3月には閉鎖され、夏頃には解体される。そして現在の入寮者は来年3月末か4月頃に新竹友寮に移る。

2006/12/07 「平和の世紀」に向けた諸宗教対話を探る

世界連邦日本宗教委員会(廣瀬靜水委員長)は11月29日、東京・渋谷の国学院大学で第28回世界連邦平和促進・全国宗教者東京大会を開催。「人類に平和を―新世紀における諸宗教の対話と行動」をテーマに基調講演やフォーラムが開かれ、「平和の世紀」実現に向けた各地での取り組みが報告された。
会場には宗教者を中心に400人が参集。初めに神道方式による「世界平和祈願万国万霊慰霊祭」を厳修。祈りの言葉を参加者全員で唱えた。
基調講演ではアルクドゥス大学(エルサレム大学)教授のムンサル・ダジャーニ博士が「パレスチナ人から視た中東平和への展望」と題し講演。和平実現に向け具体的な取り組みを続けているダジャーニ博士は昨年始まったパレスチナ、イスラエル、イタリアの大学院生を対象にした合同教育プロジェクトを紹介。プログラムは各地域の大学、提携するローマの大学で日程が組まれ、学びの場を共有。このことで将来の和平につなげようというもの。パレスチナ・イスラエルの20人の学生が参加したことが報告された。

2006/12/14 日蓮宗 新宗立学寮は堀之内妙法寺に建設

日蓮宗で計画されていた新しい宗立学寮が、東京・杉並区の堀之内妙法寺(嶋田教正貫首)境内に建設されることがほぼ確実となった。この宗立学寮は立正大学が進めている同一キャンパス一貫教育体制に対応するために計画されたもの。関係者によると、すでに10月25日に内局側の代表が同寺を訪問し、建設に向けた「(妙法寺側の)受諾」を得たとしている。完成は平成20年(2008)2月の予定。

2006/12/14 中野・ボーズバーが3周年のプレ・イベント

真宗大谷派僧侶である釈源光さんがマスターを務める中野・坊主バーは9日、東中野駅前にあるテラハウス・地下ホールで開店3周年記念プレ・イベント「坊主バーが世に問う―こんなんでええんかい?!」を開催した。宗派・宗教・団体を超えて多彩なゲストが集まり、様々な社会問題や平和問題について報告。会場には関係者ら約60人が駆けつけた。
東京・中野の歓楽街の路地裏にある坊主バーは、「仏教で癒す『現代駆け込み寺』」がコンセプト。御礼の挨拶に立った宮崎和顔さん(真宗大谷派僧侶)は、「坊主に説教されたい人、逆に説教したい人、みんな待ってます」と明るく呼びかけた。

2006/12/14 浄土宗臨宗 新総長は稲岡前議長に決定

浄土宗第89次臨時宗議会が7・8日の2日間、京都市の宗務庁で開かれ、水谷幸正宗務総長が元職員による7億4500万円不正流用事件の責任を取って辞任。後任を決める総長選挙では議長職を辞して立候補した稲岡康純議員(滋賀教区)が安井昭雄議員(出雲教区)を僅差で破って新総長に選ばれた。稲岡新総長は就任挨拶で「浄土宗は現在大変な問題を抱えている。安井上人を応援なさった方々とも手を携えて今後の一宗のために全力を捧げてまいりたい」と挙宗一致で事件への対応に取り組む考えを表明した。任期は水谷総長の残任期間で来年11月まで。