慶讃大法要 祖願〝一天四海皆帰妙法〟誓う
現地ハワイでの慶讃大法要は内野日総管長(総本山久遠寺法主)を大導師に厳修された。副導師に日蓮宗国際佛教親交会の持田日勇会長(本山藻原寺貫首)、渡邉日易理事長(本山玄妙寺貫首)、海外布教後援会の吉田文堯会長(妙安寺住職)、今井真行ハワイ開教区長が参座し、修法導師を太田順道・加行所伝師が勤めた。
開教先師の法功を顕彰
内野管長は慶讃文で、宗門海外開教の始まりである宗祖日蓮聖人の直弟子、六老僧蓮華阿闍梨日持聖人に触れ、先師の法功に言及。「自他彼此の心なく、水魚の思いを成して、異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉る処を、生死一大事の血脈とはいうなり。もし然らば、広宣流布の大願も叶うべきものか」と宗祖日蓮聖人の教えを教示した。
宗門を代表し、ハワイで布教伝道に従事した開教先師、現地の信徒に対し敬意と感謝を表明。門下門弟一人ひとりが法華経を行ずる菩薩として、「正法護持の修行を行う信心を宿して御題目をお唱えすることが肝要」と説き、親教を授けた。
内野管長が揮毫した曼荼羅御本尊がハワイの宗門寺院5カ寺に授与され、長年海外布教に尽力した小川如洋・元ハワイ開教区長には、日蓮宗から一級法功章が贈られた。
続いて、渡辺総長の名代として渡邉義生・宗務総長室長が祝辞を代読。渡辺総長は冒頭で、法要開催にあたり現前開教区長、キース・永井別院理事長など地元のメンバーの協力に感謝を示した。
幾多の困難を乗り越えた先師、信徒に対し、「言語・文化・習慣の異なる中で、先師の意思を受け継ぎ、現在に至るまでのその法燈を継承し、法華信仰の宣布に尽くした」と顕彰。
訴願達成に向け、「わが身の安穏のみ祈るのではなく、人類はもちろん、生きとし生きるもの全てが安穏に過ごせる世界が実現してこそ、個人の平和が訪れる」とメッセージを送り、「是非とも、ここハワイの地より、お題目を全世界に届けていただき、海外布教の拠点の要として立正安国・仏国土顕現の実現への大道へ導き給わんことを」と呼びかけた。
晩餐会で挨拶する内野管長法要後の晩餐会で内野管長は、1899年にハワイ開教に着手した高木行運上人を始めとする開教の歴史を繙き、「宗祖の大誓願、〝一天四海皆帰妙法〟を使命とする私どもにとって、この慶事をお迎えできたことは、誠に大なる法功」と歴代開教先師と信徒の法労に感謝を示した。
ハワイ各地を巡礼
内野管長は、法要に先立ち6月29日にホノルル妙法寺を訪問したほか、日系人部隊や大戦の兵士が眠るパンチボウル国立太平洋記念墓地で法要を営み、世界平和を祈念した。翌30日以降も各地の宗門寺院に参拝し、日蓮宗ハワイ開教の発祥の地であるハワイ島カパパラの開教記念題目碑や日系人墓地を訪問。内野管長は、故郷への思いから日本の方角に向けて立てられた墓碑の前で、日系移民の歴史に思いを馳せ、その苦労を偲んだ。
慶讃法要が営まれたハワイ別院
焼香するハワイのメンバー
パンチボウル国立太平洋記念墓地
修法導師の太田伝師(中央)