高野山大学130年特集 of weekly bukkyo-times website ver 2.3

校舎.jpg

高野山大学で養う人間力

入学から卒業、就職まで徹底サポート


学を志す全ての人に―給付型奨学金が充実

 真言宗の開祖・弘法大師空海が開創した1200年の聖地・高野山で、地域や社会に開かれた大学として130年の歴史を刻んできた高野山大学(和歌山県高野町、藤田光寛学長)。弘法大師の教育理念を受け継ぎ、文学部に密教学科と日本文化・地域デザイン・心理ケアの3コースから成る人間学科を設置した1学部2学科制で、あらゆる世代の人々に学びの門を開いている。在学中の学習・生活から卒業後の進路まで、全教職員が責任指導。僧侶資格はもとより各種資格の取得サポートで、公務員や一般企業などへの就職を後押ししている。入学金を除いた年間学納金は、近隣の文学部設置大学の平均より20万円も安い90万円。入学金の免除制度や独自の給付型(=卒業後の返還義務がない)奨学金も充実しており、4年間の学生生活を経済的にもバックアップしている。(「週刊仏教タイムス」2017年1月1日号掲載

仏教界の東大 地域デザインにも貢献

⑧.JPG高野山大学正門。学びの門は常に開かれている 明治19年(1886)、高野山古義大学林として開講された高野山大学は、和歌山県内で唯一の4年制私立大学。しかも大学院博士課程までじっくり学べる環境が整っている。1200年前、弘法大師が開学し、僧侶・庶民などといった身分や階層を問わずに学を志す全ての人を受け入れた綜藝種智院の教育理念を受け継いでいる。その歴史と伝統から、「仏教界の東大」とも称されているほどだ。

 同大は文学部の1学部2学科制(入学定員50人)。平成27年度から開設され、哲学・歴史学・文学・社会学・心理学を中心に学ぶ人間学科(同20人)は、29年度から3コース制になる。

⑥.JPG図書館の閲覧室。建物も文化庁登録有形文化財だ 人口減少・過疎化などにより、地方の衰退が危惧されている。しかし各地方にはその土地固有の歴史や文化遺産がある。地域デザインコースでは、地域の伝統を活かしながら新たな価値観を創出し、地域創生に携わる人材を育成する。高野町の町づくりプロジェクトに学生が実際に参加するプログラムは、この分野では先進的な取り組みである。卒業後は公務員やNPO、地域企業などへの道が開かれている。

 地域創生は全国の寺院にとっても重要なテーマだ。高野山学園の岡本正志・法人本部長は、「地方リーダーとしての僧侶の育成は急務」と強調。「お寺は地域の拠り所であり、文化の中心地。本学で地域デザインの方法を学んだ後、それぞれの地域でお寺発の〝地域おこし=寺門興隆〟をしていただきたい」と呼びかける。

なんばサテライト教室始まる

 マスコミや観光分野への就職が期待される日本文化コースでは、欧米やアジア各国から本格的な留学生の受け入れも始める。高野山という日本屈指の歴史的環境の中で、国際色豊かな学びができるのが魅力だ。チベットなどに加え、29年度はタイやネパール、中国から数人が入学する予定だ。

 カウンセリングや福祉分野の心理ケアコースは、大阪のなんばサテライト教室で開講。スピリチュアルケア師や臨床宗教師、認定心理士になれる。夜間授業もあり、働きながら大卒の資格が取れる。

⑤.JPG130周年記念式典の模様 密教学科(定員30人)は、「社会に必要とされる僧侶」の育成に重点を置き、密教基礎修得や僧侶実力養成をはじめ、臨床宗教師育成、ボランティアなどの総合学習といった各プログラムが用意されている。数多の国宝・重要文化財を収蔵する高野山霊宝館と連携した仏教芸術の授業は、同大でしか受けることができない特別なものだ。

 就職活動を支えるキャリアサポート講座や資格取得支援も充実。学生相談室やアルバイトの紹介など、学生生活を支える体制も万全だ。ワンルームタイプの女子学生寮(寮費月額2万1千円)も完備。アパートやワンルームマンションも月額家賃1万5千円~5万5千円ほど。希望に応じて、大学で物件を紹介する。

 さらに大阪の中心部・難波に、4月からサテライト教室(難波駅直近)を開設。前述した心理ケアコースへの社会人編入学や別科スピリチュアルケアコース、通信制の学生などへの教育・学習支援を行う。住職に必要な寺院運営や密教に関する講座、一般向けの瞑想講座、通信制課程なども幅広く開講。随時、学びたい僧侶・社会人のための講座を拡充する方針だ。

キャンパスが世界遺産

 弘法大師の高野山開創以来1200年。世界遺産にも登録された現在、海外からの参拝者も大勢訪れている。この世界有数の聖地こそが、高野山大学のキャンパスだ。
 平清盛、織田信長、豊臣秀吉…。諸行無常・盛者必衰を繰り返しながら、悠久の時の流れの中で無数の祈りが捧げられてきた。歴史上の勝者も敗者も包み込み、幾多の物語の舞台になってきた高野山の歴史は、日本史そのものであるといっていい。
 弘法大師は奥之院で永遠の禅定に入りながら、今も悩み苦しむ人々の前に現れて救いの手を差し伸べ続けていると信じられている。歴史上の人物の墓が並ぶ奥之院参道を一人静かに歩む時、タイムトラベルに出たような高揚感を覚えるだろう。

③壇上伽藍.JPG高野山の中心に広がる檀上伽藍②.JPG「山の正倉院」とも称される高野山霊宝館



kouyasankokoku.jpg