親鸞聖人750回大遠忌が円成 門主、消息を発布

浄土真宗本願寺派(橘正信総長)の親鸞聖人750回大遠忌法要御正当は16日午前、京都市下京区の本山御影堂で大谷光真門主導師のもと日中法要(御満座)が厳修され、すべての法要を終えた。昨年4月9日に始まり65日間115座にわたった大遠忌法要もこれで円成。期間中の総参拝者数はのべ140万人に上った。大谷門主は法要後、今後の宗門の方向性を示す「親鸞聖人750回大遠忌法要御満座を機縁として『新たな始まり』を期する消息」を発布し、「新しい体制のもとで(略)お念仏を喜び心豊かに生きることのできる社会を目指しましょう」と呼び掛けた。

16日発布された消息の全文は次の通り。

「親鸞聖人750回大遠忌法要御満座を機縁として『新たな始まり』を期する消息」

《昨年の4月9日よりお勤めしてまいりました親鸞聖人750回大遠忌法要は、本日ご満座をお迎えいたしました。各地から多くの方々にご参拝いただき、65日間115座にわたるご法要を厳粛にお勤めすることができましたのは、仏祖のご加護と宗祖のご遺徳のおかげであり、御同朋御同行の方々の報恩謝徳のご懇念のたまものと、まことに有り難く存じます。

顧みますと、ご法要の始まる直前の3月11日、東日本大震災がおこりました。その後も各地で地震、豪雨など災害が続き、大変な一年となりました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。法要参拝を楽しみに待ちながら、災害やさまざまの理由で参拝できなくなった方々のことを、忘れることができません。

地球の歴史を考えます時、自然現象としての地震や豪雨は、数限りなくあったことでしょう。しかし、それが深刻な災害となるのは、人間のあり方、社会のあり方によります。特に、今回の原子力発電所の事故は、自然の調和を破り、後の世代に大きな犠牲や負担を強いることになりました。これは肥大した人間の欲望のもたらしたところであります。

聖人は、凡夫には清らかな心も真実の心も存在しないとお示しになりました。それは、阿弥陀如来の光に照らされて明らかになる私の姿です。凡夫の身でなすことは不十分不完全であると自覚しつつ、それでも「世のなか安穏なれ、仏法ひろまれ」と、精一杯努力させていただきましょう。阿弥陀如来はいつでも、どこでも、照らし、よびつづけ、包んでいてくださいます。

本願念仏のご法義は、時代が変わり、社会が変わっても、変わることはありません。しかし、そのご法義が活きてはたらく場である現実の社会は、地域によって異なり、時とともに変わります。ご法義を伝え、広めるための宗門の組織も、社会の変化に応じて変わる必要があります。歴史を顧みて、受け継ぐべき伝統を確かめ、創造的な活動を育てていかなければなりません。本年4月1日から、宗門の体制が改められますのも、時代に即応する営みの一つであると言えましょう。新しい体制のもとで、一人ひとりが抱える課題を大切にし、お念仏を喜び心豊かに生きることのできる社会を目指しましょう。このたびの大遠忌法要が、新たな歩みを進める機縁となりますよう念願いたします。

平成24年/2012年 1月16日
龍谷門主 釋即如》

(写真=消息を読み上げる大谷光真門主。後ろ姿は橘総長㊨と桑羽隆慈宗会議長。16日 御影堂)

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