東京・東上野の真宗大谷派坂東報恩寺(禿信敬代務住職)で12日「俎板開き」が行われた。同寺は親鸞聖人二十四輩筆頭の性信御房が開基した名刹。この俎板開きは、性信御房が老翁に身を変えた天神に念仏の教えを授けたことで、感謝した天神が「報恩に鯉を贈るべし」と天神社の神主に夢のお告げを与えたことにちなむ。新春の恒例行事となり、780年前から伝わる貴重なもの。
本堂に大きな鯉が運ばれ、読経の後に平安時代から伝わる「四條流庖丁儀式」が始まった。衣冠束帯の庖丁人が刃渡り一尺一寸(約33センチ)の庖丁と、真魚箸という長い箸を使って、鯉に一切触れずに鮮やかに流れるような動作で捌いていく様は圧巻。堂内に集った大勢の老若男女は真剣に見入っていた。2回にわたる儀式で、最初の式題は「三刀之鯉」(庖丁人・多々見柏胤氏)、2回目は「真之龍門」(庖丁人・清水柏仁氏)が披露された。
式は午前11時過ぎには終わり、昼には参拝客にこの捌かれた鯉を使った鯉こくなどの料理がふるまわれた。
(写真=まさに鯉を捌かんとする庖丁人)