高幡不動尊 大師堂・聖天堂で上棟式

東京・日野市の真言宗智山派別格本山高幡不動尊金剛寺(川澄祐勝貫主)は8月26日、再建中の大師堂・聖天堂の上棟式を執り行い、古式に則った儀式で工事の完成を祈願した。

上棟式は大師堂・聖天堂の両堂で同時に厳修。大師堂では川澄貫主を導師に、聖天堂では杉田純一執事を導師に法要を執り行い、次いで社寺建築の㈱奥谷組が古式に則った工匠式を営んだ。「曳綱ノ儀」では、綱に繋がれた棟木を「エイエイエーイ!」の掛け声と共に参列者全員で曳き上げた。「槌打ノ儀」では、棟梁が建物の永続を祈願する言葉と共に棟木が打ち固められ、工事の無事完成が祈られた。

同寺は、江戸時代の安永8年(1779)の大火で総本堂の大日堂をはじめ、一山の伽藍の多くを焼失。その後復興がすすみ、昭和62年に大日堂根本改修工事が完了したが、大師堂は昭和8年に再建されたものが老朽化、聖天堂は焼失後一度も再建されなかったが、今回の再建事業によって、230年ぶり伽藍が整う。

直会の席で、川澄貫主は「二つのお堂の上棟式を同時に行うことはなかなか経験がないのではないか」と述べ、奥谷組の協力に謝意。先代・秋山祐雅大僧正の再建事業の発願を引き継ぎ、「先代がやり残されたことが私の仕事。本当に皆さんのお力添えで事業が進められていると身に沁みて感じます」と感謝の言葉を重ねた。

さらに「先代には『なまじっかなお説教をするよりも、みなさんに気持ちよく来ていただいて、気持ちよく帰っていただく。それが本当の布施なんだ』と言われた。私流に『皆さんに1年中楽しんでいただけるお寺、命の洗濯をしていただけるお寺』をモットーにしている」とし、伽藍の復興へ意欲を語った。

大師堂には昨秋に完成した新弘法大師像を本尊として安置。一方、聖天像は聖天堂の焼失後、五重塔地階に安置されているが、再建を契機として、古くから同寺に伝わる聖天信仰の復興も期していく。両堂ともに平成23年3月竣工、同4月の国宝まつりの前後期間中に落慶法要を執り行う予定となっている。

写真=大師堂で曳綱ノ儀を行う川澄貫主(左)

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